ばか狼(いぬ)が迎えに参りました。

12時のトキノカネ

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15 授業。

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春は、あけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは 少し明りて紫だちたる雲の細くたなびきたる。
夏は、夜。月の頃はさらなり。闇もなほ。螢の多く飛び違ひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。
秋は、夕暮。夕日のさして、山の端(は)いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などの連ねたるがいと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はたいふべきにあらず。
冬は、つとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず。霜のいと白きも、またさらでも、いと寒きに、火など急ぎ熾して、炭もて渡るも、いとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりて、わろし。


古典の授業で朗読する生徒の声をBGMに菫はふと窓から校舎外のグラウンドを見る。そこには高校球児ではないが学校の生徒が授業で声を上げてグラウンドを走っている様子が見える。青春だなぁなんてそんな他人事のようなことを思い、青春だなんて自分が同じ学生なのにババ臭いと内心笑って呆れてしまう。

どこか遠い現実が薄く感じるような昼下がり、生徒の何人かが授業中にもかかわらず古語の眠たくなる子守唄のような朗読に舟を漕ぎそうになっている。

朝は菫の予想通り騒がしく、しかし菫の一貫しての知らない人、という発言と
ウケを狙って踏んでみました発言で爆笑の後、深くは突っ込まれずうやむやになった。それでも何人かは「紹介して」と言われたが他人なので無理だと丁重に断って天の助けのホームルームに先生が来てお開きになった。

所詮本気で騒いだり探りを入れる気がないのだ。ここにいる生徒はさほどグレてもいなければ優秀な生徒や都会的な生徒は殆どいない、外に山を望めるのどかな少し都会に近い田舎なのだ。だから人が嫌がる詮索をしつこくしようとまでする人は少ないしどこか学校全体の気性がのんびりしている。

古語の教科書を開きながら十二単の女性の絵姿を見る。

過去の日本女性。

それに目を細めて、眠気に欠伸を噛む。


狼の毛皮に包まれてまどろむ昼の午睡はとても気持ちがいい。
少し硬い毛並みが自分を包む安心感があった。
病と闘うのは精神が磨り減ることが多い。痛みは一時に押し寄せるものではなく常に付きまとうもの。それを和らげてくれるのは精神的な安堵だった。



今は健康な体で何でもできる。
それに感謝の気持ちが生まれる。今なら人を好いて、自信を持って傍らに立ってずっと一緒にいたいといえるのだろうか。
背に羽が生えたように体が軽くなった気分になった。






※枕草子WIKIから転載しました。
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