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ルイはある男との面会に地下牢へと向かっていた。身分の高い男だが起こした事件が事件だけに男の身分をもってしても取り押さえられ、一時的とはいえ罪状未処理のまま牢に入れられて早一週間。普通のものならば弱気な言葉も出そうな頃だろうが。
あの男に限ってはあるまい。
幾重にも厳重な牢の門を掻い潜り案内の男に通された先には鉄格子越しの部屋があった。わずかに開けさせた隙間から覗く男の姿にルイは笑った。
「神をも恐れぬ行いをしたというのにワインですか。どうやらここの牢番は貴方に買収されて役ただずのようだ。早々に替えさせよう。少しも衰えておられないようだ怪物は。ご健勝のご様子で何よりです兄上!」
遠く離れていても聞こえる大声で喋れば鎖の擦れる「ジャラリ」と重たげな音の後、しっかりとした太い声が返される。
「はは、たかが一週間でくたばりはせん。ただ退屈がきついな。女でも寄越してくれぬか、わが最愛の弟殿よ」
人を食ったような返しにルイはふてくされる。予測はしていたとはいえ、そのものいい、少しの反省もない男は相変わらずだ。
たとえ神に刃を向けるそんな大事をやったとしても自分の志に反しないのであればこの男に反省も怖気も微塵もないことはわかっていた。が、それが自分が抱く怒りを緩めてくれることには繋がらない。いや、一層憎らしさに相手に頭が来るというもの。
「女ですか…。貴方が玉座を空けている間に天女が舞い降りましたが、貴方には指一本ふれさせる気は起きません。神官長が大変お喜びです。ご神木様を癒せる唯一のお方です。時期にご神木様も元のお姿にお戻りになられるでしょう。貴方はそこで爪でも噛んでそれをお待ちください」
「…。」
ルイの言葉に「パリン」と何かが割れた音が聞こえる。それにルイはしてやったりという顔で笑って後ろを振り返ることなく牢屋を後にした。
ルイはある男との面会に地下牢へと向かっていた。身分の高い男だが起こした事件が事件だけに男の身分をもってしても取り押さえられ、一時的とはいえ罪状未処理のまま牢に入れられて早一週間。普通のものならば弱気な言葉も出そうな頃だろうが。
あの男に限ってはあるまい。
幾重にも厳重な牢の門を掻い潜り案内の男に通された先には鉄格子越しの部屋があった。わずかに開けさせた隙間から覗く男の姿にルイは笑った。
「神をも恐れぬ行いをしたというのにワインですか。どうやらここの牢番は貴方に買収されて役ただずのようだ。早々に替えさせよう。少しも衰えておられないようだ怪物は。ご健勝のご様子で何よりです兄上!」
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「はは、たかが一週間でくたばりはせん。ただ退屈がきついな。女でも寄越してくれぬか、わが最愛の弟殿よ」
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