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6話 あの音色を聴きたくて
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6話 あの音色を聴きたくて
ミスティア・レガート伯爵家令嬢視点
私の部屋には物心つく前から父がピアノとバイオリンを置いてくれた。
演奏するのが大好きで、家族は良く褒めてくれた。
でも幼い頃に右肩に大きな怪我を負った。
リハビリで右肩が動くようになってから、恐る恐るピアノの前に座ってみた。
鍵盤に指を乗せて押し込んでも、音は空間に響き渡らず、ポロポロと足元に落ちていくようだった。
その日以来、私の中に音楽は無くなった。
希望も夢も無くなりそれ以来一度も触っていない。
触る気がないのに、調律や弦の張り替えさえも私には苦痛だった。
でもあの音色をもう一度聴きたい。
何年ぶりかしら?
ピアノの前に座り近づき蓋を開けみる。
ふわっと木の香りがした。
最初の音は…そっと鍵盤を押してみる。
久しぶりに触る鍵盤は、今更かと少し私を拒否しているようだった。
ごめんなさい。でもお願い。今更だけど受け入れて。
うーん、違う。この音じゃないわ。
もっと透明度が高い音…でも水のような無機質じゃなかったわ。
少し甘酸っぱい煌めきを感じた。
あっ!だから女神の涙に感じたんだわ。
次々に鍵盤を押して音を繋げていく。
音に包まれるって、こんなに心地良いのね——
ホワイトライオンに右肩を噛まれたこと
辛かった治療、リハビリで泣いた日々
自由に動かせない右肩
痛み、苦しみ、苛立ち、絶望
その詰まっているものを音に乗せていく。
気づけば、夢中になっていた。自分の中のすべてが音に変わった。
でも尽きることなくまた音が溢れ出てくる。
ー
ああ、私は、音楽が好きなんだわ。
またあの騎士さまの剣の鍛錬をこっそり見に行こうかしら…
んん⁈なんだか部屋の外が騒がしいわ。
何かあったのかしら?
ミスティア・レガート伯爵家令嬢視点
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その日以来、私の中に音楽は無くなった。
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触る気がないのに、調律や弦の張り替えさえも私には苦痛だった。
でもあの音色をもう一度聴きたい。
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久しぶりに触る鍵盤は、今更かと少し私を拒否しているようだった。
ごめんなさい。でもお願い。今更だけど受け入れて。
うーん、違う。この音じゃないわ。
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次々に鍵盤を押して音を繋げていく。
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気づけば、夢中になっていた。自分の中のすべてが音に変わった。
でも尽きることなくまた音が溢れ出てくる。
ー
ああ、私は、音楽が好きなんだわ。
またあの騎士さまの剣の鍛錬をこっそり見に行こうかしら…
んん⁈なんだか部屋の外が騒がしいわ。
何かあったのかしら?
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