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ザメハの笑み
第三十九話 覚醒
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またこの感覚だ、落ちていく落ちていく
暗い海の中。聞こえるのは掃除機の音
布団の中で思い浮かべるのは布でできた銃の形
そうだ小さい頃、僕は銃の形を知らなかった
見たことのない銃や飛行機の形、でっかい恐竜の姿
貧しい僕は布団をかぶってイメージしていた
実際に目にすることができないから布製でできている
邪魔だから外へ行けとせかす母親
近所のおじいちゃんが一緒に恐竜の映画を見に行こうと誘っている
僕は一人、水鉄砲で遊んでいた。構え方がわからずに適当に草むらを撃っている
僕はヒーローになりたいわけではなかった
ただ、自分の湧き上がる自らの激情に身を任せたかった
──そんな貧しい幼少期
その時、浮かべた夢のような出来事が今広がっているではないか
刺激のある毎日。憎い敵。守るべき愛する少女
僕は満たされている、満たされている
そうだ、この充実感が僕の求めていたものだ
やれる……。やれるぞ……!
湧き起こる激情。大波のようにうごめく感情
いける、いけるぞ、ゆっくりと目を見開き確認する敵の姿。……そう、僕は現実世界に戻ってきたのだ──!
「おっさんおはよう、また遊ぼうや──」
奴があいさつするやいなや、僕はいきなりザメハの足にタックルした! バランスを崩すことはできなかったが壁に追い詰めることができた、叫び声を上げながら手にあるMP7A1でザメハの脇腹を撃つ。
鳴り響く一発の銃声、じわりじわりと奴の革の服が脇腹から赤く染まっていく。突然のことにザメハは崩れ落ちた。
「てめ……!」
僕は一気に距離を取り、相手を見定める。ザメハは闇に潜めるが、したたる血の跡でどこにいるか居場所がわかる。これがねらいだ──!
後19発で奴を倒さなければならない、弾は節約しなければ。ザメハは物陰をつたってこちらにやってくる、きっと今撃っても当たらないだろう。奴と僕とが少しずつ距離が縮まったその時、奴は僕の足を切ろうとして低い体勢で僕に斬りかかる。
すっと僕は体を後ろに投げ出し奴の攻撃を避けた、だが、奴の剣が空を切ったあと僕に追撃を加えようとする。
それに対し、僕は奴に向かって銃を構えた。身をひるがえした奴は、距離を取り闇に潜めた。途端に壁を蹴り上空から襲ってくる、僕は距離を取り銃口を奴から放さない。冷静だ、驚くぐらいに。
ショートソードを喉すれすれで空ぶらせるとそのスキに奴に一発撃った、静寂の夜に鳴り響く銃声、瞬間、奴の体が一瞬はねとぶ、当たったな……。ザメハは構え直しゆらりと剣を動かす、まずい──! あの見えない剣戟だ。
ぼくは喉元を狙われるのを避けるため後ろに飛び退いた! ビュン、と音がし曲がりくねった残像が僕の喉を襲う、手を当てると切りつけられており血で真っ赤に染まっていた、どろりと血が流れ落ちていく。……くっ! 躱しきれなかったか……!
一進一退の攻防、──瞬間、突如僕に頭痛が襲ってくる。
The Valhalla System links …O.K.
──何だ急に文字が浮かび上がってくる。
It's checking in Melissa's categories now…O.K.
頭の中がおかしい何が起こっているんだ、くそっ! ザメハは怪しがってこちらの様子を見てゆっくりと距離を縮め襲ってくる、それに対し僕は頭を抱えて全力で逃げ出す。
Downloading …O.K.
ザメハがすごいスピードで追ってきた、道に立てかけてある道具や樽を蹴り飛ばし奴の進行を止めようとする。だが奴は止まらない。どうする!?
Installing …….O.K.
奴からショートソードが振り下ろされた、僕はMP7A1で止めるが、奴は攻撃の手を緩めない! どうなっているんだ、この状態は!?
Expending …O.K.
奴はゆらりと剣を構え直す、まずいぞ、またあの剣戟がくる、必死で逃げるが、奴のほうが足が速い。どうする? どうする?
Checking …O.K.
ザメハの見えない剣先が襲ってくる!
ヒュンっと音がなった、もう……また負けたのか⁉
The O.S LOST TECHNOLOGY starts…
──その途端に体の動きが軽くなる、奴の剣戟を飛び上がるようにのがれて、奴のショートソードが空ぶる。
なんだ!? どうしたんだというんだ、急に体が軽くなった。なんだ、何が起きている――?
「なに? 俺の剣を避けた? バカな……!」
自分でもどうして避けられたのかわからない。頭に浮かび上がってくる文字は何だ? わけがわからない。どういう状況なんだこれは!?
ザメハは一度距離を取りまた闇に隠れる、どこだ、どこからくる? 奴の血の跡からどこにいるかわかる。だが問題は奴のスピードだ、あんなスピードで近寄ってこられたらSWATでもSEALsでも当てられっこないぞ。
奴はスピードに乗りこちらに近寄ってくる──。
ザメハはこちらの様子をうかがっている、そしてもう一度構え直し、また見えない剣が襲ってくる! 僕はその瞬間に奴に素早く蹴りを入れ、ザメハがひるんだところ銃を構えた。
……何故だ、体が羽のようだすごく心地よい……。
自然と僕の手が奴に合わせて銃口を定めていく、心静かに引き金をしぼる僕。
――そして一つの銃声が時を止めた。
自分でも今起こった出来事が理解できなかった──。猛スピードで近づいてきた、ザメハのふとももを僕は狙撃していた。……ザメハは痛みに苦しみながら転ぶ。
「ぐあ! 何だ何が起きているんだ!?」
ザメハは叫ぶ。何が起こったのか僕にも理解不能だ。そして、頭に文字が流れてくる。
WELCOME TO THE LOST TECHNOLOGY WORLD!
Thanks for choosing me! From Melissa Valkyrja.
暗い海の中。聞こえるのは掃除機の音
布団の中で思い浮かべるのは布でできた銃の形
そうだ小さい頃、僕は銃の形を知らなかった
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近所のおじいちゃんが一緒に恐竜の映画を見に行こうと誘っている
僕は一人、水鉄砲で遊んでいた。構え方がわからずに適当に草むらを撃っている
僕はヒーローになりたいわけではなかった
ただ、自分の湧き上がる自らの激情に身を任せたかった
──そんな貧しい幼少期
その時、浮かべた夢のような出来事が今広がっているではないか
刺激のある毎日。憎い敵。守るべき愛する少女
僕は満たされている、満たされている
そうだ、この充実感が僕の求めていたものだ
やれる……。やれるぞ……!
湧き起こる激情。大波のようにうごめく感情
いける、いけるぞ、ゆっくりと目を見開き確認する敵の姿。……そう、僕は現実世界に戻ってきたのだ──!
「おっさんおはよう、また遊ぼうや──」
奴があいさつするやいなや、僕はいきなりザメハの足にタックルした! バランスを崩すことはできなかったが壁に追い詰めることができた、叫び声を上げながら手にあるMP7A1でザメハの脇腹を撃つ。
鳴り響く一発の銃声、じわりじわりと奴の革の服が脇腹から赤く染まっていく。突然のことにザメハは崩れ落ちた。
「てめ……!」
僕は一気に距離を取り、相手を見定める。ザメハは闇に潜めるが、したたる血の跡でどこにいるか居場所がわかる。これがねらいだ──!
後19発で奴を倒さなければならない、弾は節約しなければ。ザメハは物陰をつたってこちらにやってくる、きっと今撃っても当たらないだろう。奴と僕とが少しずつ距離が縮まったその時、奴は僕の足を切ろうとして低い体勢で僕に斬りかかる。
すっと僕は体を後ろに投げ出し奴の攻撃を避けた、だが、奴の剣が空を切ったあと僕に追撃を加えようとする。
それに対し、僕は奴に向かって銃を構えた。身をひるがえした奴は、距離を取り闇に潜めた。途端に壁を蹴り上空から襲ってくる、僕は距離を取り銃口を奴から放さない。冷静だ、驚くぐらいに。
ショートソードを喉すれすれで空ぶらせるとそのスキに奴に一発撃った、静寂の夜に鳴り響く銃声、瞬間、奴の体が一瞬はねとぶ、当たったな……。ザメハは構え直しゆらりと剣を動かす、まずい──! あの見えない剣戟だ。
ぼくは喉元を狙われるのを避けるため後ろに飛び退いた! ビュン、と音がし曲がりくねった残像が僕の喉を襲う、手を当てると切りつけられており血で真っ赤に染まっていた、どろりと血が流れ落ちていく。……くっ! 躱しきれなかったか……!
一進一退の攻防、──瞬間、突如僕に頭痛が襲ってくる。
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ヒュンっと音がなった、もう……また負けたのか⁉
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──その途端に体の動きが軽くなる、奴の剣戟を飛び上がるようにのがれて、奴のショートソードが空ぶる。
なんだ!? どうしたんだというんだ、急に体が軽くなった。なんだ、何が起きている――?
「なに? 俺の剣を避けた? バカな……!」
自分でもどうして避けられたのかわからない。頭に浮かび上がってくる文字は何だ? わけがわからない。どういう状況なんだこれは!?
ザメハは一度距離を取りまた闇に隠れる、どこだ、どこからくる? 奴の血の跡からどこにいるかわかる。だが問題は奴のスピードだ、あんなスピードで近寄ってこられたらSWATでもSEALsでも当てられっこないぞ。
奴はスピードに乗りこちらに近寄ってくる──。
ザメハはこちらの様子をうかがっている、そしてもう一度構え直し、また見えない剣が襲ってくる! 僕はその瞬間に奴に素早く蹴りを入れ、ザメハがひるんだところ銃を構えた。
……何故だ、体が羽のようだすごく心地よい……。
自然と僕の手が奴に合わせて銃口を定めていく、心静かに引き金をしぼる僕。
――そして一つの銃声が時を止めた。
自分でも今起こった出来事が理解できなかった──。猛スピードで近づいてきた、ザメハのふとももを僕は狙撃していた。……ザメハは痛みに苦しみながら転ぶ。
「ぐあ! 何だ何が起きているんだ!?」
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※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
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