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十九
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市川段十郎が、若い頃より芝居の脚本を書いてきたことは、すでに語ったとおりである。
別名、三升屋兵庫(みますや ひょうご)という狂言作者として、「参会名護屋」などの作品を残した。
また段十郎は、舞台衣装も手がけた。
「頼光跡目修羅憂息子討」の三段目には、武将たちの凱旋の場面があるが、武将の鎧や母衣(ほろ)は一々、段十郎が構想を練り、製作したものであった。
このように、初代市川は多方面に才覚を発揮した人であった。
出る杭は打たれる、のは世の常だが、段十郎も妬みや嫌がらせを受けたことである。
段十郎が時に酒に溺れ、女色男色に走ったのは、そういうことも理由の一つであろう。
しかし、木戸との再会によって、段十郎の中で何かが変わったようだった。
時に、江戸を離れること京都大阪の上方では、近松門左衛門が隆盛を誇っていた。
有名な「曽根崎心中」にはまだ早いが、近世浄瑠璃の始まりと言われる名作「出世景清」が、貞亨二年に大阪は竹本座で上演されたばかりだった。
その後着実に頭角を現していった近松は、元禄六年より、あの初代、坂田藤十郎の歌舞伎正本を手掛けることとなる。
これにより、「和事(わごと)」が確立され、上方歌舞伎が完成したと言われている。
段十郎の「荒事(あらごと)」に対して、藤十郎の「和事」であった。
江戸は武家の社会ゆえ、英雄が悪をくじく勧善懲悪ものが好まれた。
これに対して上方は、言わずと知れた公家文化。
日常的で、現実的な物語性が求められた。
時代を一にして、歌舞伎の双璧が成ったことになる。
ゆえに、二者は後世まで比較される存在となったわけである。
「親父殿、私は、しばらく上方に行こうと思うのです」
更なる高みを目指したいという段十郎の野望と、このところの私生活の乱れに区切りを付けたい、という気持ちを、重蔵とて理解しないわけではなかった。
しかし、である。
「人には、適所というものがあろう。お前の芝居は上方には合わない」
冷静な重蔵だった。
段十郎とて、短絡的に思ってのことではなかった。
その実は、上方で成功を収めたい、というよりも、今の閉塞感を断ち切りたい、という気持ちだったのである。
何度も足を運び、重蔵に説明するうちに、段十郎は、つい口を滑らせた。
言い方を間違った。
「おめえ、誰のお陰で、ここまで来られたと思ってる」
昔の重蔵に戻った瞬間だった。
「分かった。それならな、俺とのことは断ち切って行くんだ」
低く、腹の底から出るような重たい声だった。
「ああ、分かったよ」
売り言葉に買い言葉だった。
それに、もとより、気性の荒い段十郎のことでもあった。
元禄五年(一六九二年)の師走は二十九日、段十郎は単身成田に赴いた。
三四日は逗留するつもりだった。
「すまねえな、こんな暮れの忙しい時に、急に呼び出したりして」
「いいえ」
それは、いつもの事、本当はそう言いたい、ぶんであった。
そう、これは、新勝寺参道の飯屋、うさぎやの娘、ぶんであった。
いつも、ふらっとやってきて、すぐに帰ってしまう、そんな段十郎、いや鶴太郎しか、ぶんは知らなかった。
「急に、会いたくなってな」
そんな風に言われたのも、ぶんには初めてのことだった。
今度は流石に軽口が出た。
「珍しいこと。今夜は火の番、戸締まりをちゃんとして寝ないと」
そういって、微笑んだ横顔に、段十郎は月日の流れを感じた。
ぶんの父親は、とうに他界している。
段十郎が四十一ゆえ、ぶんは三十は半ばのはずだった。
知らず知らずのうちに、惹かれ合う二人だったが、ゆっくり話したことなど、これまで一度もなかった。
そういう縁がなかったからか。
しかし、成田山に来れば、段十郎は必ずぶんの店に立ち寄る。
そうして、月日だけが流れたのだった。
「これはやらないんだったね、勝手に呑むけど、ゆるしてくんねえ、飯は済んだのけえ」
「もう済みました。せっかく来たんだからお酌ぐらいさせてくださいな」
「羊羹があるから、そっちをやってくんねえ」
「羊羹ですか」
ぶんの好物だった。
「これ、店の余りもので申し訳ありませんが」
ぶんは、持ってきた風呂敷包みを開けた。
お重が一段。
蓋を取って、ぶんが勧めた。
ふろふき大根、ハヤの甘露煮、きゅうりの古漬け。
こちらも、好みが分かってのことだった。
「これはありがてえ」
積もる話はいっぱいあるように思えたが、何を話したら良いのか、まるで分からない段十郎だった。
その一方で、言葉は要らない、とも思う。
「店は相変わらずかい」
「お得さんのお陰で、ほそぼそとでもやっていけています」
「うんうん、そうか、そうか」
段十郎はつくづくと頷く。
「何かあったのですか」
まったくの一人で、成田山に来たことなど一度もなかったから、さすがに訝しんで、ぶんは尋ねた。
段十郎は、猪口を口に運んで、言葉を選んだ。
詮のないことをあれこれ話したところで、それこそ仕方なかった。
「京へ行く」
「あら、地方興行なんて、しばらくぶりですね」
「いいや、向こうでしばらくやるつもりだ」
「それで」
「うん、そうだ、願掛けにきた」
同じことを言いかけて、二人で笑い合う。
その拍子に、ぶんの右肩が段十郎の左腕に触れた。
見上げたぶんが、また目を伏せた。
段十郎は、左腕を動かして、ぶんの肩に回した。
手あぶり火鉢の炭が爆ぜる音がした。
「寒いかい」
答えずに、ぶんは頭を振った。
「良い匂い」
「何がだ」
「鬢付け油」
「付けてねえが」
再び、ぶんは頭を振った。
「だいぶ前に、富久猿さんから聞きました。化粧下地に使うんだって。そうすると、化粧の載りが良くて、むらなく仕上がるって。それが肌に染み付いてるんだろう、って」
「ああ、師匠直伝だ」
「その香、いつも残して」
行ってしまう、とまでは言わなかった。
しかし、言わなくても分かった。
そんなことを思っていたのか、と段十郎は初めて思い知らされたのだった。
「この匂い、好き」
「おいおい、匂いだけか」
ぶんは再び、首を横に振った。
穏やかな時が、ただ過ぎていった。
その夜、ぶんは家には戻らなかった。
明けること、元禄六年正月、段十郎は新勝寺を詣で、金五十両を寄進した。
寄進者は、市川團十郎。
再びの改名だったが、今度は重蔵が考えたわけではない。
すべては自分が決めたことだった。
寄進と同時に、誓いを立てる。
酒、女色、男色を断つ。
新しい出発だった。
その年の師走になって團十郎は、京都に入った。
妻栄光、長男九蔵、そして生まれて三月ほどの次男を引き連れてのことだった。
妻子を伴ってのことは、團十郎の決意の現れだった。
あの時以来、重蔵の家の敷居をまたいだことのない團十郎は、内心、重蔵への挨拶ができないことを気にかけていた。
しかし、そこは栄光のこと。
重蔵へは、すべて報告済みで、重蔵も仕方がない、としぶしぶながら了承したのだった。
京都で團十郎を迎え入れたのは、村山座の座元であり役者である、三代目村山平右衛門であった。
翌正月の興行から、村山座の舞台に立つという条件だった。
初演前から、評判が高く、初日から予想通りの大入りとなった。
演目は、「源氏武者誉勢力(ぐんじむしゃほまれのせいりき)」。
團十郎は、朝比奈三郎義秀を演じた。
初めての荒事、という観客も多かったはずだった。
大胆で豪快な振りと、白目を見せる「睨み」、これに京の観客は歓喜した。
しかし、熱しやすく冷めやすい観客だった。
和事と荒事、どちらが優れている、ということではない。
言ってみれば、文化の違いであった。
しかし、言い訳はしない。
團十郎は、はっきりと敗北と受け止めた。
舞台の合間に、実際に和事の芸を観劇するほどに、その思いは明白となっていったのである。
もちろん、完成度の高さ、と言う意味において、近松門左衛門を得た坂田藤十郎の歌舞伎のほうが勝っていたかもしれない。
もっとも、種類の違うものを単純には比較できないわけだが。
重蔵の言葉が、今さら思い出される團十郎であったが、上京したことに後悔はなかった。
しかし、これ以上京都で舞台を続けることは、江戸の歌舞伎全体にとって良いことではない、と團十郎は判断した。
翌、元禄八年、團十郎は江戸に戻る。
そして、山村座にて江戸復帰興行を開始した。
その年の給金は、三百二十両。
京都での興行歴が評価された結果であったろう。
ひとまず面目は保たれたが、一つの時代が終わったことを團十郎は感じていた。
別名、三升屋兵庫(みますや ひょうご)という狂言作者として、「参会名護屋」などの作品を残した。
また段十郎は、舞台衣装も手がけた。
「頼光跡目修羅憂息子討」の三段目には、武将たちの凱旋の場面があるが、武将の鎧や母衣(ほろ)は一々、段十郎が構想を練り、製作したものであった。
このように、初代市川は多方面に才覚を発揮した人であった。
出る杭は打たれる、のは世の常だが、段十郎も妬みや嫌がらせを受けたことである。
段十郎が時に酒に溺れ、女色男色に走ったのは、そういうことも理由の一つであろう。
しかし、木戸との再会によって、段十郎の中で何かが変わったようだった。
時に、江戸を離れること京都大阪の上方では、近松門左衛門が隆盛を誇っていた。
有名な「曽根崎心中」にはまだ早いが、近世浄瑠璃の始まりと言われる名作「出世景清」が、貞亨二年に大阪は竹本座で上演されたばかりだった。
その後着実に頭角を現していった近松は、元禄六年より、あの初代、坂田藤十郎の歌舞伎正本を手掛けることとなる。
これにより、「和事(わごと)」が確立され、上方歌舞伎が完成したと言われている。
段十郎の「荒事(あらごと)」に対して、藤十郎の「和事」であった。
江戸は武家の社会ゆえ、英雄が悪をくじく勧善懲悪ものが好まれた。
これに対して上方は、言わずと知れた公家文化。
日常的で、現実的な物語性が求められた。
時代を一にして、歌舞伎の双璧が成ったことになる。
ゆえに、二者は後世まで比較される存在となったわけである。
「親父殿、私は、しばらく上方に行こうと思うのです」
更なる高みを目指したいという段十郎の野望と、このところの私生活の乱れに区切りを付けたい、という気持ちを、重蔵とて理解しないわけではなかった。
しかし、である。
「人には、適所というものがあろう。お前の芝居は上方には合わない」
冷静な重蔵だった。
段十郎とて、短絡的に思ってのことではなかった。
その実は、上方で成功を収めたい、というよりも、今の閉塞感を断ち切りたい、という気持ちだったのである。
何度も足を運び、重蔵に説明するうちに、段十郎は、つい口を滑らせた。
言い方を間違った。
「おめえ、誰のお陰で、ここまで来られたと思ってる」
昔の重蔵に戻った瞬間だった。
「分かった。それならな、俺とのことは断ち切って行くんだ」
低く、腹の底から出るような重たい声だった。
「ああ、分かったよ」
売り言葉に買い言葉だった。
それに、もとより、気性の荒い段十郎のことでもあった。
元禄五年(一六九二年)の師走は二十九日、段十郎は単身成田に赴いた。
三四日は逗留するつもりだった。
「すまねえな、こんな暮れの忙しい時に、急に呼び出したりして」
「いいえ」
それは、いつもの事、本当はそう言いたい、ぶんであった。
そう、これは、新勝寺参道の飯屋、うさぎやの娘、ぶんであった。
いつも、ふらっとやってきて、すぐに帰ってしまう、そんな段十郎、いや鶴太郎しか、ぶんは知らなかった。
「急に、会いたくなってな」
そんな風に言われたのも、ぶんには初めてのことだった。
今度は流石に軽口が出た。
「珍しいこと。今夜は火の番、戸締まりをちゃんとして寝ないと」
そういって、微笑んだ横顔に、段十郎は月日の流れを感じた。
ぶんの父親は、とうに他界している。
段十郎が四十一ゆえ、ぶんは三十は半ばのはずだった。
知らず知らずのうちに、惹かれ合う二人だったが、ゆっくり話したことなど、これまで一度もなかった。
そういう縁がなかったからか。
しかし、成田山に来れば、段十郎は必ずぶんの店に立ち寄る。
そうして、月日だけが流れたのだった。
「これはやらないんだったね、勝手に呑むけど、ゆるしてくんねえ、飯は済んだのけえ」
「もう済みました。せっかく来たんだからお酌ぐらいさせてくださいな」
「羊羹があるから、そっちをやってくんねえ」
「羊羹ですか」
ぶんの好物だった。
「これ、店の余りもので申し訳ありませんが」
ぶんは、持ってきた風呂敷包みを開けた。
お重が一段。
蓋を取って、ぶんが勧めた。
ふろふき大根、ハヤの甘露煮、きゅうりの古漬け。
こちらも、好みが分かってのことだった。
「これはありがてえ」
積もる話はいっぱいあるように思えたが、何を話したら良いのか、まるで分からない段十郎だった。
その一方で、言葉は要らない、とも思う。
「店は相変わらずかい」
「お得さんのお陰で、ほそぼそとでもやっていけています」
「うんうん、そうか、そうか」
段十郎はつくづくと頷く。
「何かあったのですか」
まったくの一人で、成田山に来たことなど一度もなかったから、さすがに訝しんで、ぶんは尋ねた。
段十郎は、猪口を口に運んで、言葉を選んだ。
詮のないことをあれこれ話したところで、それこそ仕方なかった。
「京へ行く」
「あら、地方興行なんて、しばらくぶりですね」
「いいや、向こうでしばらくやるつもりだ」
「それで」
「うん、そうだ、願掛けにきた」
同じことを言いかけて、二人で笑い合う。
その拍子に、ぶんの右肩が段十郎の左腕に触れた。
見上げたぶんが、また目を伏せた。
段十郎は、左腕を動かして、ぶんの肩に回した。
手あぶり火鉢の炭が爆ぜる音がした。
「寒いかい」
答えずに、ぶんは頭を振った。
「良い匂い」
「何がだ」
「鬢付け油」
「付けてねえが」
再び、ぶんは頭を振った。
「だいぶ前に、富久猿さんから聞きました。化粧下地に使うんだって。そうすると、化粧の載りが良くて、むらなく仕上がるって。それが肌に染み付いてるんだろう、って」
「ああ、師匠直伝だ」
「その香、いつも残して」
行ってしまう、とまでは言わなかった。
しかし、言わなくても分かった。
そんなことを思っていたのか、と段十郎は初めて思い知らされたのだった。
「この匂い、好き」
「おいおい、匂いだけか」
ぶんは再び、首を横に振った。
穏やかな時が、ただ過ぎていった。
その夜、ぶんは家には戻らなかった。
明けること、元禄六年正月、段十郎は新勝寺を詣で、金五十両を寄進した。
寄進者は、市川團十郎。
再びの改名だったが、今度は重蔵が考えたわけではない。
すべては自分が決めたことだった。
寄進と同時に、誓いを立てる。
酒、女色、男色を断つ。
新しい出発だった。
その年の師走になって團十郎は、京都に入った。
妻栄光、長男九蔵、そして生まれて三月ほどの次男を引き連れてのことだった。
妻子を伴ってのことは、團十郎の決意の現れだった。
あの時以来、重蔵の家の敷居をまたいだことのない團十郎は、内心、重蔵への挨拶ができないことを気にかけていた。
しかし、そこは栄光のこと。
重蔵へは、すべて報告済みで、重蔵も仕方がない、としぶしぶながら了承したのだった。
京都で團十郎を迎え入れたのは、村山座の座元であり役者である、三代目村山平右衛門であった。
翌正月の興行から、村山座の舞台に立つという条件だった。
初演前から、評判が高く、初日から予想通りの大入りとなった。
演目は、「源氏武者誉勢力(ぐんじむしゃほまれのせいりき)」。
團十郎は、朝比奈三郎義秀を演じた。
初めての荒事、という観客も多かったはずだった。
大胆で豪快な振りと、白目を見せる「睨み」、これに京の観客は歓喜した。
しかし、熱しやすく冷めやすい観客だった。
和事と荒事、どちらが優れている、ということではない。
言ってみれば、文化の違いであった。
しかし、言い訳はしない。
團十郎は、はっきりと敗北と受け止めた。
舞台の合間に、実際に和事の芸を観劇するほどに、その思いは明白となっていったのである。
もちろん、完成度の高さ、と言う意味において、近松門左衛門を得た坂田藤十郎の歌舞伎のほうが勝っていたかもしれない。
もっとも、種類の違うものを単純には比較できないわけだが。
重蔵の言葉が、今さら思い出される團十郎であったが、上京したことに後悔はなかった。
しかし、これ以上京都で舞台を続けることは、江戸の歌舞伎全体にとって良いことではない、と團十郎は判断した。
翌、元禄八年、團十郎は江戸に戻る。
そして、山村座にて江戸復帰興行を開始した。
その年の給金は、三百二十両。
京都での興行歴が評価された結果であったろう。
ひとまず面目は保たれたが、一つの時代が終わったことを團十郎は感じていた。
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