🌟真理の扉

第110章 全ては、一つ

芸術性は失われた。魂が入っていない作品が、 世の人々に感動を与えられるわけがない。

サルバトール・ムンディは、約510億だと言われても、私は、ちっとも
ときめかなかった。


逆に、嫌悪感すら感じた。

レオナルドのレベルは、どんどん下げられ、なし崩し的に、レオナルド派の作品(既に弟子の作品だと認識されている作品までも)が、どれもこれも、レオナルド作となる。

もはや、レオナルド作品は、お金儲けの道具としか扱われていない状態だ。

芸術性は、失われた。


芸術性を感じない作品には、当然、
魂が宿ってはいない。


早死にしたレオナルドの弟子の未完の作品を、コレクターがコレクションしていただけのこと。

それが、『サルバドール・ムンディ』


出どころは、紛れもなく、レオナルド工房だから、利用価値は、ありそうだ。


米画商組合に、共同購入されたことや、鑑定に出さず、先ず修復に出されたこと、襞の付け足し等の加筆をみて、
いかに怪しむべき作品であるかが伺い知れる。


彼等は、お金儲けを目的とし、その作品に目を付けた。


魂が入っていない作品が、
世の人々に感動を与えられるわけがない。


最も、お金に価値の比重を置く人は、
サルバトール・ムンディが、510億の札束に見え、そういう意味で、感動するかもしれないが……。