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プロローグ
しおりを挟む『ねぇ、カズ。いつか彼女が出来たら、俺に言ってよ』
小学校からの帰り道で高校生くらいの男女とすれ違った直後、隣を歩いていたあいつはいきなりそんなことを言った。
『はあ?』
いつも周りには男友達しかいない奴からの何の前触れもないその言葉に、俺が呆れて聞き返すと、あいつは元気よく俺の前へと走りこんだ。
『俺も彼女が出来たらカズに言うからさ。そして、俺達4人でデートしような。約束だよ』
そう元気に告げたあいつは、眩しいくらいの満面の笑顔だった。
◆ ◆ ◆
「あ~……夢、か」
枕元で鳴った目覚まし代わりのスマホのアラームで目を覚ました俺、八神和彦は今見ていた光景が夢の中のものだったことを理解した。
「なんであんな昔のこと……」
複雑な想いのまま、俺は当時の記憶を引き寄せる。
あれは小学四年生になったころ。いつも一緒に帰っていた瀬戸亮太が、いきなりあんなことを言ってきたのだ。
あの後、何も答えずにいた俺の右手を掴み、亮太は勝手に自分の小指を俺の小指に絡め、強引に『約束』を取り付けたのだった。
「約束……か」
俺は右手の小指を見ながら、小さく呟いた。
あの日から六年くらいが経つが、その約束はいまだに果たされたことは一度もない。
そして、その果たせない原因が俺のせいだということもわかっている。
だって、俺は……。
「………支度するか!」
嫌な気持ちを振り払うかのように俺は声に出してそう言うと、学校に行く支度をするためにベッドから抜け出した。
________________________________________________
この作品は女王様シリーズの第2弾となります。
話の流れとしては第1弾の『乙女な女王様』の
女王様の初恋
↓
女王様との思い出
の間に起こった出来事となっています。
この作品単独でも話は完結しております。
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