わらしな生活(幼女、はじめました)

隆駆

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間章 高瀬と賢治のわらしなオカマウェイ!

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今更だが、約束とは必ず果たされねばならぬものである。


…………と、いうことで。


「来ちゃいました、オカマバー」

勿論Withケンちゃん。
どんどんパフパフ~~~~~。


以前話に聞いた、例のオカマバーのオーナーから店の扉の修理の依頼が入ったという連絡をもらい、見学がてら助手としてやってきたのだが、気分はすっかり社会科見学の小学生。

開店前の店に入ったとたん、「あら可愛い!」と素晴らしい上腕二頭筋の持ち主に拉致されました。

そして現在。

高瀬の右横に居るのはオカマ。
左横にいるのもオカマ。
前にいるのは美貌の女性オーナー。
例のミス上腕二頭筋は、ホールでこれからショーのリハーサルらしく、ウィンクをしながらこちらに時折手を振ってくれている。
ケンちゃんはといえば、そんな高瀬をあっさり放置しお仕事へ。

……あれ、ケンちゃん?
お~い、ケンちゃ~ん!!!!
一人にしないで、プリーズ!!


「ふふふ。可愛いわねぇ。そんな不安そうな顔をしなくても。彼なら扉の立て付けを直してるところだからすぐに戻ってくるわよ」
「やぁん、なにこのほっぺ。赤ちゃんみたい!つるつる!」
「え、本当!きゃ!何このやわらかさ~!!」

ちなみにこの会話。
一番最初のセリフが例の女性オーナーで、その他二人が私を挟むムキムキオカマーズのみなさんのそれである。

やめて、つつかないで。
せめて両側からつつくのはやめて!!
あたってます!!胸に大量に詰められた胸パットがっ!!

だがここで一つ私は学んだ。

「ないのなら、詰めてしまおうホトトギス」

うむ。
胸パッドは貧乳の救世主と成り得るか否か。


高瀬を一人おいて仕事を始めてしまった薄情な賢治のことをもうすっかり忘れ、右隣のオネエ様をジッと見つめる高瀬。

「?どうしたの、お嬢ちゃん」

自分からお触りに行くのはためらいがなくとも、相手からじっと見られる(しかも偏見も何もないやたら純粋な目で)というのはなかなか珍しいらしく、ちょっと戸惑った様子のオネエ様。

そのオネエ様を上から下までじっくり眺め、高瀬は言った。

「ちょっと触らせてくれませんか」

その、胸筋。

「………え?」

おもにどこを見られていたのかを悟り、「きゃ」とおふざけ混じりに胸を押さえるオネエ様。

胸板が厚すぎて、高瀬などでは両手を回しても背中まで手が届かなそうな立派な胸筋だ。
下手に豊胸手術などを行っていないところがよりポイントが高い。
あの立派な胸筋に無駄なシリコンを注入するなどもってのほかである。

「触らせてください、その胸」

「え!?え!?ちょ、ちょっと…!?いやん、何処を触って……あぁん!!」

色っぽい声を出して身悶えるオカマと、両手をワキワキさせてその胸を鷲掴みにする客。
結構問題ありな光景だが、目の前のオーナー女性は先程から一人爆笑しているだけで、特に止める様子はない。

「あら。ミツコばっかりずるいわ!!お嬢ちゃん、私の胸はどう!?」
「気をつけてマリエ……!!この子とんでもないテクニシャンよ……!!あぁ…!!ちょ、たまらないわっ!!」

さらに身悶える筋肉。
もはや身につけているドレスが悲鳴をあげている。
十分に胸筋を堪能したところで、さて次はお隣。

ウェルカム!な状態で手を広げてくれているので、遠慮なく。

「キャッ!!ちょ……胸筋は!?胸じゃないのっ!?」
「オネエ様の場合は胸よりも太ももの方がとても立派だったのでつい……」

ハムのようだったのでちょっとかじりつきたくなった、とは流石に言えない。
大きくスリットの入ったスカートからむき出しになっているのは、クリスマスのターキーの如き筋肉質な足。

その足を品質チェックするようにペタペタと撫で、最終的に拝む。

「……拝む!?なぜ拝むの!?」

「いや、これだけの筋肉質な体つきですから、きっと例のブツも相当ご立派なんだろうなぁと」

ちなみに手術済みですか、と聞こうとしたところで、背後から突然現れたケンちゃんに口を塞がれました。

無念。

「タカ子。残念なお知らせがある」
「?」
口を塞がれたままくぴ?と首をかしげる高瀬。
「筋肉質な男ってのはな、意外とアレは小さいぞ」
「!?ちょ…・それマジで!?」
興奮のあまり、口を塞いでいた手を振りほどき、「そこのところ詳しく!」と賢治に飛びつく高瀬。

「教えるのは構わないけど、なんでそんな事に興味があるんだ?」
「そこはあれ、女のロマン的な?鼻が大きい人はあれが大きいという噂も是非検証したい」
「それでタカ子に変な興味を持たせたって、また俺が竜児に怒られるのかぁ……」

まぁいいか、とそこであっさり諦めるケンちゃん。
うん、いつものことだしね。

だが、それでは済まなかったのは○チン扱いされたオネエ様の方である。

「ブッ……!!!ちょ…!!てめぇ何ぶっこいてくれてんだこらぁァァ!!」

「怒るということはきっとまだ手術前だな」
「うむ。私もそう思います」

間違いない。

「私のどこが粗○ンですって!?そういうあんたはどうなのよ!?ご立派なものを持ってるんでしょうね!?」
「ヒューヒュー!!いいわ、やっちゃてよマリエちゃん!!むしろ全部剥いちゃって~~~!!!」
「そうだ、いいぞもっとやれ!!」
「タカ子。お前は黙ってような?」
「むぐっ」

調子に乗って囃したてたら笑顔で再び口を塞がれました。

さすがダークサイドヒーローなケンちゃん。
ズボンを脱がしにかかるオネエ様を華麗な手さばきでソファに沈め、今がチャンスとばかりについでに襲ってきたほかのオネエ様たちも容赦なく片手で叩き伏せる。

店内の広いホールは、まさに屍累々。
倒されても倒されても這いつくばってズボンを狙うオネエ様はまるでゾンビのようだ。
バイオハザードしたがっていたケンちゃんにヘッドショットされねば良いが。


「営業時間前で良かったわねぇ……」

この惨状にも動ぜず、おっとりとつぶやくのは、オーナーの貴子さん。
偶然にも幼馴染二人が呼ぶ高瀬のあだ名と同じ名前だ。
どうもこれは本名らしい。


ケンちゃんと知り合ったのは、たまたま困っていたところを助けられたというのが理由なのだそうで。
ケンちゃんいわく、「名前に釣られた」のだそうな。
恐らく条件反射的なものだろう。


美人です。
本物のお姉様です。
熟女です。
パッドをしていません!←ここ重要。

「タカ子~。帰るぞ~」

まじまじと美魔女を見つめていれば、屍の頂点にたったケンちゃんからお呼びが掛かる。

「バイオハザード終了?」
「復活する前にずらかる」
「いえっさー!!」

なるほど、やはりオカマは不死身らしい。

「楽しんでもらえたなら良かったわ。また遊びに来てね」とオーナー女性からはおつまみのポッキーを頂いた。
そして騒ぎに参加していなかった別のオネエ様からは、なぜか笑顔で胸パッドを複数プレゼントされた。


嬉しいけど、ちょっと切ない。
残念ながらサイズも合いそうにはなかったが、せっかくのご好意なので懐にしまっておこう。
きっといい弾除けになるだろう。

「プレ○テ4でも買おうかな……」

バイオ○ザードをプレイするんだ、私は。
そしてミラ・ジョ○ビッチを目指すと心に決めた。

戦う女は美しいのである。
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