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いまさ~ら。
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「及川さん、あなた…」
お前喋ったなとばかりに睨まれ、直ぐに主任へ責任をなすりつけることにした。
「ほら、やっぱり怒られたじゃないですかっ」
「あはははは、ごめんごめん」
まったく反省ゼロの主任は、笑いながらもう一度矢部先輩に向かい、「でさ」と会話を続ける。
「さっきのは冗談として、なんかうちの及川くんに用があるんだって?」
こころなしか、「うちの」を強調して言った主任に、明らかにひるんだ矢部先輩。
「それは…」と、少しだけ口ごもったあと、強い口調で「あくまで個人的な話なので」と言い放ち、再び高瀬を睨む。
「個人的な話?及川くんとほとんど個人的な付き合いなんてない君が?及川くんに?」
「………」
完全に痛いところをつかれ、黙り込む。
確かに、なんの付き合いもない相手にいきなり個人的な用事があるというのは少しおかしい。
無理難題を押し付けようとしていると言われても文句は言えないだろう。
「一体何の用事があるのか、今ここで教えてくれるかな」
「言えないような用事じゃないよね?」と笑顔の圧力をかけ続ける主任。
部長は未だ無言だが、自分が完全にアウェーの環境に置かれていることははっきりわかったのだろう。
助けを求めるように視線を彷徨わせ、結局高瀬の元に視線を落ち着かせると、意を決したように「及川さん…」と、再び小さく口を開く。
「はい?なんですか?」
「……確かに私は、あなたとはなんの付き合いもないし、何かを頼める間柄じゃないのかもしれないけど…」
きゅっと唇を噛み、苦渋の表情の浮かべる矢部先輩。
「あなたにしか頼めないの…。後で必ずお礼はするから…」
「はぁ…」
高瀬にしか頼めないこと。
それは例の「後光が差してる」という発言に由来するものか…。
やっぱり面倒くさそうだな、と思ったところで、主任が「ちょっとこっち」と高瀬を招き寄せる。
そして。
「君が及川くんに頼みたがってる話って、これに関係する事?」
「ヒィィィィ!!」
高瀬の胸ポケットに手を突っ込み、ハム太郎を取り出してわざと矢部先輩の前に差し出す主任。
矢部先輩気絶一歩手前ですけど…。
『きゅ?』
主任の掌の上でちょっと首をかしげるハム太郎。
うん、今回のは君は何も悪くない。悪いのは主任です。
「というか主任、女性の胸元に勝手に手を突っ込むとは何事ですか」
「まぁまぁ、いいじゃないの別に」
「よくないです」
ブツブツと文句を言う高瀬を無視し、手のひらの上のハム太郎を転がす。
「あ、相原主任…!?そ、それが見えて……??」
「うん。可愛いよね、この子」
「可愛い!!!????」
驚愕、まさにその一言に尽きる。
まぁ、矢部先輩にとっては得体のしれない黒い影でも、現在の主任にとっては単なる小動物なのだから、二人の認識が異なるのは当然。
だが、まさか主任に自分と同じものが見えているとは夢にも思っていなかった矢部先輩。
「可愛い……」
もう一度呆然とつぶやきつつ、なぜかちょっと後退る。
「ほら主任、なんかドン引きしてますよ」
「え?それ俺のせい?ってかさ、及川くんも出し惜しみしないで手を貸してあげればいいじゃない」
「え~……」
文字通り、「手を貸す」のが確かに一番手っ取り早いわけだが…。
そうした場合、余計面倒な事態になりやしないかとちらりと矢部先輩の様子を伺う。
そして、無言を貫く部長の元にすすすっと歩み寄ると、耳元で一言。
「これで今後、矢部先輩に付きまとわれるようになっても私は責任取れませんからね」
――止めるなら今のうちです。
今はアレク君が怖くて部長に近づけない矢部先輩。
普通に霊が見えるようになれば、気にせずアタックを開始するだろうと暗に告げれば。
離れていこうとする高瀬の肩をぐっと掴んだ部長。
そのまま、なぜかちょっとイラっとした表情でこちらを見ている矢部先輩に向かい、予想外の一言が。
「要件があるなら早く言いなさい。――――彼女はこのあと私と用があるんだ」
「「!?」」
―――――初耳です、部長!!
目を丸くした矢部先輩だけでなく、高瀬までもが思わず部長を2度見した。
「なに?いつの間にそんな約束になってたの?俺も誘ってくれよ~」
ぷぷっ、っと笑いながらからかうように話す主任。
「及川さんが……谷崎部長と………?」
信じられない事を聞いた、というように先程よりもはるかに呆然とした表情をする矢部先輩。
確かに、今の発言は誰がどう聞いても意味深。
就業後に、若い女性社員とふたりっきりで用事。
相手がイケメン部長でなければ、あからさまなセクハラ臭がプンプンする。
「変なこと言って余計に煽らないでくださいよ部長…!」
小声で非難声明をだし、軽く部長の腹をひじ打ちするが、それにもちょっと顔をしかめただけで反論しない。
その様子を親しげだと勘違いしたのか、余計に表情を険しくする矢部先輩。
なんだろう、このドツボ。
収集不可能な事態になるんでは?と危ぶんだところで、主任がさっさと話をまとめにかかる。
「…ってことで、谷崎部長からの要請もあったことだし。
とりあえずさ、もう個人的な話でもなんでもいいから、さっさとその頼み事ってのを話しちゃってくれない?要するに君は、こういうものが見える――――「霊能力を持った人間」に用があるって事だろ?
言っておくけど、この場にいる人間は、その事を誰も笑ったりしない。及川くんは勿論だが、俺も、谷崎も」
「……それは、つまり…」
ごくりとつばを飲み込んだ矢部先輩。
主任の言わんとしていることがわかったのだろう。
つまりは、ここにいる人間は全員、「霊感持ち」だと。
……まぁ、ひとりだけハム太郎によるドーピング疑惑がいることはここでは伏せておこう。
いつまで続くかはわからないが、少なくともハム太郎に気に入られている現在の状況で、突然霊が見えなくなる、という可能性は限りなく低いと思う。
そうなったとしたら、賢いハムちゃんが更なるドーピングを施しそうだ。
「それでもまだ、何か言いにくい事があるのかな?」
『きゅ~?』
掌の上のハム太郎を見せつけるようにしながら、矢部先輩への圧力を強くしていく主任。
「あぁ、もちろんその頼みごとを受けるかどうかの話は別だよ?可愛い部下に無理難題を押し付けるようなら、申し訳ないけどそれはこちらで断らせてもらうから」
「…………」
「さっき君も聞いたろ?彼女と俺たちとはさ、色々個人的な付き合いがあるんだよね。
俺自身も、及川君には大きな借りがあるんだ」
だから――。
「すまないけど、俺たちは全面的に及川くんの味方。
その上で、もし何か力になれることがあるって言うなら、可能な限り協力する。
それでどうかな?」
「主任……」
思ったよりちゃんと高瀬のことも考えてくれていたらしいその発言にちょっと感動。
高瀬が用件を断ったとしても、その立場が悪くなることのないようにちゃんと牽制してくれたようだ。
高瀬の後ろには二人がついているとはっきり明言したも同然。
それに対して、部長もまた反論せずにいるということは、肯定と同じ。
矢部先輩は圧倒的不利というわけだ。
「……霊能力……」
そうつぶやき、今までかたくなに目をそらしていたハム太郎をジッと見つめる矢部先輩。
次に飛び出したのは、何をいまさら、といった発言だった。
「じゃあ、私が見てるそれは……幽霊なの?」
「…え。今更そこ?」
思わずといって主任の口から漏れた言葉に、激しく同感です。
お前喋ったなとばかりに睨まれ、直ぐに主任へ責任をなすりつけることにした。
「ほら、やっぱり怒られたじゃないですかっ」
「あはははは、ごめんごめん」
まったく反省ゼロの主任は、笑いながらもう一度矢部先輩に向かい、「でさ」と会話を続ける。
「さっきのは冗談として、なんかうちの及川くんに用があるんだって?」
こころなしか、「うちの」を強調して言った主任に、明らかにひるんだ矢部先輩。
「それは…」と、少しだけ口ごもったあと、強い口調で「あくまで個人的な話なので」と言い放ち、再び高瀬を睨む。
「個人的な話?及川くんとほとんど個人的な付き合いなんてない君が?及川くんに?」
「………」
完全に痛いところをつかれ、黙り込む。
確かに、なんの付き合いもない相手にいきなり個人的な用事があるというのは少しおかしい。
無理難題を押し付けようとしていると言われても文句は言えないだろう。
「一体何の用事があるのか、今ここで教えてくれるかな」
「言えないような用事じゃないよね?」と笑顔の圧力をかけ続ける主任。
部長は未だ無言だが、自分が完全にアウェーの環境に置かれていることははっきりわかったのだろう。
助けを求めるように視線を彷徨わせ、結局高瀬の元に視線を落ち着かせると、意を決したように「及川さん…」と、再び小さく口を開く。
「はい?なんですか?」
「……確かに私は、あなたとはなんの付き合いもないし、何かを頼める間柄じゃないのかもしれないけど…」
きゅっと唇を噛み、苦渋の表情の浮かべる矢部先輩。
「あなたにしか頼めないの…。後で必ずお礼はするから…」
「はぁ…」
高瀬にしか頼めないこと。
それは例の「後光が差してる」という発言に由来するものか…。
やっぱり面倒くさそうだな、と思ったところで、主任が「ちょっとこっち」と高瀬を招き寄せる。
そして。
「君が及川くんに頼みたがってる話って、これに関係する事?」
「ヒィィィィ!!」
高瀬の胸ポケットに手を突っ込み、ハム太郎を取り出してわざと矢部先輩の前に差し出す主任。
矢部先輩気絶一歩手前ですけど…。
『きゅ?』
主任の掌の上でちょっと首をかしげるハム太郎。
うん、今回のは君は何も悪くない。悪いのは主任です。
「というか主任、女性の胸元に勝手に手を突っ込むとは何事ですか」
「まぁまぁ、いいじゃないの別に」
「よくないです」
ブツブツと文句を言う高瀬を無視し、手のひらの上のハム太郎を転がす。
「あ、相原主任…!?そ、それが見えて……??」
「うん。可愛いよね、この子」
「可愛い!!!????」
驚愕、まさにその一言に尽きる。
まぁ、矢部先輩にとっては得体のしれない黒い影でも、現在の主任にとっては単なる小動物なのだから、二人の認識が異なるのは当然。
だが、まさか主任に自分と同じものが見えているとは夢にも思っていなかった矢部先輩。
「可愛い……」
もう一度呆然とつぶやきつつ、なぜかちょっと後退る。
「ほら主任、なんかドン引きしてますよ」
「え?それ俺のせい?ってかさ、及川くんも出し惜しみしないで手を貸してあげればいいじゃない」
「え~……」
文字通り、「手を貸す」のが確かに一番手っ取り早いわけだが…。
そうした場合、余計面倒な事態になりやしないかとちらりと矢部先輩の様子を伺う。
そして、無言を貫く部長の元にすすすっと歩み寄ると、耳元で一言。
「これで今後、矢部先輩に付きまとわれるようになっても私は責任取れませんからね」
――止めるなら今のうちです。
今はアレク君が怖くて部長に近づけない矢部先輩。
普通に霊が見えるようになれば、気にせずアタックを開始するだろうと暗に告げれば。
離れていこうとする高瀬の肩をぐっと掴んだ部長。
そのまま、なぜかちょっとイラっとした表情でこちらを見ている矢部先輩に向かい、予想外の一言が。
「要件があるなら早く言いなさい。――――彼女はこのあと私と用があるんだ」
「「!?」」
―――――初耳です、部長!!
目を丸くした矢部先輩だけでなく、高瀬までもが思わず部長を2度見した。
「なに?いつの間にそんな約束になってたの?俺も誘ってくれよ~」
ぷぷっ、っと笑いながらからかうように話す主任。
「及川さんが……谷崎部長と………?」
信じられない事を聞いた、というように先程よりもはるかに呆然とした表情をする矢部先輩。
確かに、今の発言は誰がどう聞いても意味深。
就業後に、若い女性社員とふたりっきりで用事。
相手がイケメン部長でなければ、あからさまなセクハラ臭がプンプンする。
「変なこと言って余計に煽らないでくださいよ部長…!」
小声で非難声明をだし、軽く部長の腹をひじ打ちするが、それにもちょっと顔をしかめただけで反論しない。
その様子を親しげだと勘違いしたのか、余計に表情を険しくする矢部先輩。
なんだろう、このドツボ。
収集不可能な事態になるんでは?と危ぶんだところで、主任がさっさと話をまとめにかかる。
「…ってことで、谷崎部長からの要請もあったことだし。
とりあえずさ、もう個人的な話でもなんでもいいから、さっさとその頼み事ってのを話しちゃってくれない?要するに君は、こういうものが見える――――「霊能力を持った人間」に用があるって事だろ?
言っておくけど、この場にいる人間は、その事を誰も笑ったりしない。及川くんは勿論だが、俺も、谷崎も」
「……それは、つまり…」
ごくりとつばを飲み込んだ矢部先輩。
主任の言わんとしていることがわかったのだろう。
つまりは、ここにいる人間は全員、「霊感持ち」だと。
……まぁ、ひとりだけハム太郎によるドーピング疑惑がいることはここでは伏せておこう。
いつまで続くかはわからないが、少なくともハム太郎に気に入られている現在の状況で、突然霊が見えなくなる、という可能性は限りなく低いと思う。
そうなったとしたら、賢いハムちゃんが更なるドーピングを施しそうだ。
「それでもまだ、何か言いにくい事があるのかな?」
『きゅ~?』
掌の上のハム太郎を見せつけるようにしながら、矢部先輩への圧力を強くしていく主任。
「あぁ、もちろんその頼みごとを受けるかどうかの話は別だよ?可愛い部下に無理難題を押し付けるようなら、申し訳ないけどそれはこちらで断らせてもらうから」
「…………」
「さっき君も聞いたろ?彼女と俺たちとはさ、色々個人的な付き合いがあるんだよね。
俺自身も、及川君には大きな借りがあるんだ」
だから――。
「すまないけど、俺たちは全面的に及川くんの味方。
その上で、もし何か力になれることがあるって言うなら、可能な限り協力する。
それでどうかな?」
「主任……」
思ったよりちゃんと高瀬のことも考えてくれていたらしいその発言にちょっと感動。
高瀬が用件を断ったとしても、その立場が悪くなることのないようにちゃんと牽制してくれたようだ。
高瀬の後ろには二人がついているとはっきり明言したも同然。
それに対して、部長もまた反論せずにいるということは、肯定と同じ。
矢部先輩は圧倒的不利というわけだ。
「……霊能力……」
そうつぶやき、今までかたくなに目をそらしていたハム太郎をジッと見つめる矢部先輩。
次に飛び出したのは、何をいまさら、といった発言だった。
「じゃあ、私が見てるそれは……幽霊なの?」
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