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五行の理
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こちらの予想に反して、白狐の選択は早かった。
意に反するだろう名前を、粛々と受け入れることにしたらしい。
いずれきちんとした名前をあたえられるという前提を信じているのかもしれないが、何はともあれ名実ともにこの白狐を”受け入れる”ことになった訳だ。
「よし、マルちゃん。じゃあ帰っていいよ」
『!?』
「いや、そんな意外そうな顔されてもさ…。今の所君の一番の役目は中塚女史の護衛だし」
名前を与えられたことでハム太郎同様高瀬の側にいられると考えていたようだが、それは大間違いだ。
アレク君のような立派な”派遣社員”の例もある。
『そ、それはご容赦願いたい。あのおなごは木の気の持ち主。我とは合いませぬ』
「……?もくのき?」
さっぱり意味がわからない高瀬に説明するのは竜児の役割だ。
「陰陽五行思想ですね。木火土金水といって五つのタイプに別れるのですが、それぞれには相性が有り、互いに影響を与えあう」
『我は土の気を持つ者。木の気を持つあのおなごとは相性が悪いのです。自宅には犬もおりますし、我にとっては居心地の良い場所とはとても…』
「木は土に根を張ることによって土を締めつけ、その養分を吸い取る。故に木と土とは相性が悪い」
しおしおと語る白狐の言葉を、竜児が補足する。
「へぇ…。なんか相性占いみたいだね?」
「まぁ似たようなものでしょう。四柱推命などの占いはこの五行を元に作られていますから」
「なるほど」
難しいことはよくわからないが、要するに相性が悪い組み合わせだと。
「そのことで中塚女史に影響が出る可能性は?」
「ありませんね。木が土を枯らすことがあっても、土は木に影響しない。
…ついでに言えば、犬はそのまま木の気を表す生き物。確かに狐との相性は良くないでしょうね」
「あぁ、確かに犬と狐ってそんなイメージかも」
犬の方が強そうな印象はある。
「中塚女史、犬飼ってたんだ」
知らなかった。今度家に遊びに行かせてもらおう。
犬種はなんだろうか。小型犬とかが似合いそうだが。
「ってことはアレク君も木の気…。んじゃ部長は?」
『あの男は水の気の持ち主。我との相性は良かろうかと…』
「んじゃ部長とアレク君の相性は?」
「水は木を生み出すとされていますから、良い関係でしょうね」
「ふむ…」
なんというか、頭がこんがらがってくるようだ。
竜児は近くにあった紙を手に取ると、シャツに挿したままだったペンを使い、さらさらと五芒星を描き出す。
そしてそれぞれ、星の先端に木火土金水と書き足すと、そのままの順番で一周ぐるっとめぐるように矢印を付ける。
「木が燃えて火を生む、火は燃えることによって土に養分を与える、土を掘ると金が出現し、金の表面より水が生まれる。それぞれの先にある属性がその次にある属性にとって良い影響を与える形となっています。そして丁度対局にあるものがそれぞれ相性の悪い属性」
『主は我と同じ土の属性を持つ者で同一。そこの者は金の気、我との相性は良い』
「部長が水で中塚女子が木、私が土で竜児が水?……となると、後は…」
『部長とやらの側に侍っておるあの男であれば、あれは火の気の持ち主』
「つまり相性は良い、ということになりますね」
「う~ん。じゃ、私と部長の相性もいいってこと?」
「いいえ。土は水に勝つ。タカ子にとって水は良い影響を与えますが、土が強すぎれば水が弱る」
「つまり私次第」
「そう言えるかもしれませんね。まぁ、相性だけが全てではありませんが」
「だよねぇ…。実際、部長と主任は相性があんまり良くないわけでしょ。火と水だもんね…」
その割にはうまくいっていることを考えれば、大してアテにはならない。
「ってことで、続行決定!!」
『!?』
そんな!という顔をしているが、意思を変えるつもりはない。
「本当は矢部先輩の方につけたいところだけど、矢部先輩は見えるから嫌がりそうだし…」
黒い影がついてくる、と泣き叫ぶさまが目に浮かぶので無理だ。
「かといって、私の側に置いておくのも無駄だしね。こないだの事もあるから、中塚女史についててもらうのがやっぱり現状はベストだと思う」
この間の事。
つまりは、矢部先輩のスクープの事だ。
まさかのタイミングで遭遇し、決定的瞬間を目撃していた。
「あ、そういえば矢部先輩って…」
最後まで問いかける前に、白狐ならぬマルちゃんが先回りをして答える。
『あの女子ならば木の気の持ち主。やはり我とはあいませぬな』
「いや、それは聞いてないけど…。へぇ…。中塚女史と矢部先輩って同じ属性なんだ」
相性が特別いいというわけではないだろうが、似た者同士にはとても見えなかったのに意外だ。
見えないところで似通った部分があったのだろうか。
『主よ!!我のことも少しは気にかけてくだされ!!』
「はいはい、わかったわかった。マルちゃん、伏せ」
『主っ!!』
おざなりな指示にキャンキャンと吠えるが、体だけは素直に命令にしたがっている。
こういうところは少し可愛く見えてきた気がしないでもない。
どことなく矢部先輩に似ているような気も……。
「……ん?」
今、なんか一瞬、いい考えが浮かんだような気がする。
なんだ?何を思った自分。
「竜児……」
「君の憧れの先輩とやらが昨夜目撃した謎の男。そこの狐なら同じように見ているのでは?」
「おぉ!それだ!!」
本人すらもわからなくなっていた考えをぴしゃりと言い当てた竜児。
ひょいとマルちゃんを摘み上げ、高瀬の前に差し出す。
「マルちゃんマルちゃん、正直に答えてごらんよ」
『…なんなりとお答え申すが、どうかこの男を止めてくださらんか』
「うん、正直に答えたらね」
猫の子のように背中をつままれて、非常に嫌な顔をする狐。
意外と狐って表情が分かるものなんだなと妙なところで感心する。
「昨日矢部先輩が一緒にいた男って、どんな人だった?」
『どのような、と申されますと…』
「大体どんな風貌だったか、とかさぁ」
なにかしらあるだろう、なにか。
つままれたまま、神妙な面持ちで考え込むマルちゃん。
サイズは少し大きいが、キーホルダーのようでやはりちょっと可愛い。
『……我に人の男の区別は付きませぬ。ただ、男としか』
「「つかえない」」
悩んだ挙句絞り出したマルちゃん答えに、思わず竜児と声がハモった。
この世の終わりのような顔をするマルちゃん。
『で、ですが我は、我は……!!』
「あぁはいはい、わかったわかった、しょうがない、そんなこともあるよ」
動物虐待は趣味ではないと、クンクン泣き始めたマルちゃんを慰める。
「甘やかすと調子に乗りますよ、タカ子。使えないものは使えないとはっきり言って何が悪い」
「あー……」
にらみ合う両者。
その様子に、やはり相性占いはアテにならないものだと確信した。
竜児とマルちゃんの相性が良いとはとても信じられない。
「タカ子、わざわざこいつに話を聞く必要はありませんよ。君なら、見れるでしょう」
「その手があった」
ぽん、っと手を打つ高瀬。
そうだ、記憶を見れば確かにそれが一番手っ取り早い。
もしかしたら見覚えのある人物かも知れないし。
「んじゃ、それでいい?」
『主のお望みとあらば…』
一応本人の意思を尊重し、異論がないことを確認してからその額に手を当てる。
「竜児。ついでだからさ」
「ええ、お願いします」
もう片方の手で竜児の手を掴むと、高瀬は目を閉じた。
先ほど乗り移ったこともあるだけに、要領は既に掴んでいる。
記憶の一部を、ほんの少し覗かせてもらうだけだ。
さぁ、見せてもらおう。
矢部先輩に何があったのか。
意に反するだろう名前を、粛々と受け入れることにしたらしい。
いずれきちんとした名前をあたえられるという前提を信じているのかもしれないが、何はともあれ名実ともにこの白狐を”受け入れる”ことになった訳だ。
「よし、マルちゃん。じゃあ帰っていいよ」
『!?』
「いや、そんな意外そうな顔されてもさ…。今の所君の一番の役目は中塚女史の護衛だし」
名前を与えられたことでハム太郎同様高瀬の側にいられると考えていたようだが、それは大間違いだ。
アレク君のような立派な”派遣社員”の例もある。
『そ、それはご容赦願いたい。あのおなごは木の気の持ち主。我とは合いませぬ』
「……?もくのき?」
さっぱり意味がわからない高瀬に説明するのは竜児の役割だ。
「陰陽五行思想ですね。木火土金水といって五つのタイプに別れるのですが、それぞれには相性が有り、互いに影響を与えあう」
『我は土の気を持つ者。木の気を持つあのおなごとは相性が悪いのです。自宅には犬もおりますし、我にとっては居心地の良い場所とはとても…』
「木は土に根を張ることによって土を締めつけ、その養分を吸い取る。故に木と土とは相性が悪い」
しおしおと語る白狐の言葉を、竜児が補足する。
「へぇ…。なんか相性占いみたいだね?」
「まぁ似たようなものでしょう。四柱推命などの占いはこの五行を元に作られていますから」
「なるほど」
難しいことはよくわからないが、要するに相性が悪い組み合わせだと。
「そのことで中塚女史に影響が出る可能性は?」
「ありませんね。木が土を枯らすことがあっても、土は木に影響しない。
…ついでに言えば、犬はそのまま木の気を表す生き物。確かに狐との相性は良くないでしょうね」
「あぁ、確かに犬と狐ってそんなイメージかも」
犬の方が強そうな印象はある。
「中塚女史、犬飼ってたんだ」
知らなかった。今度家に遊びに行かせてもらおう。
犬種はなんだろうか。小型犬とかが似合いそうだが。
「ってことはアレク君も木の気…。んじゃ部長は?」
『あの男は水の気の持ち主。我との相性は良かろうかと…』
「んじゃ部長とアレク君の相性は?」
「水は木を生み出すとされていますから、良い関係でしょうね」
「ふむ…」
なんというか、頭がこんがらがってくるようだ。
竜児は近くにあった紙を手に取ると、シャツに挿したままだったペンを使い、さらさらと五芒星を描き出す。
そしてそれぞれ、星の先端に木火土金水と書き足すと、そのままの順番で一周ぐるっとめぐるように矢印を付ける。
「木が燃えて火を生む、火は燃えることによって土に養分を与える、土を掘ると金が出現し、金の表面より水が生まれる。それぞれの先にある属性がその次にある属性にとって良い影響を与える形となっています。そして丁度対局にあるものがそれぞれ相性の悪い属性」
『主は我と同じ土の属性を持つ者で同一。そこの者は金の気、我との相性は良い』
「部長が水で中塚女子が木、私が土で竜児が水?……となると、後は…」
『部長とやらの側に侍っておるあの男であれば、あれは火の気の持ち主』
「つまり相性は良い、ということになりますね」
「う~ん。じゃ、私と部長の相性もいいってこと?」
「いいえ。土は水に勝つ。タカ子にとって水は良い影響を与えますが、土が強すぎれば水が弱る」
「つまり私次第」
「そう言えるかもしれませんね。まぁ、相性だけが全てではありませんが」
「だよねぇ…。実際、部長と主任は相性があんまり良くないわけでしょ。火と水だもんね…」
その割にはうまくいっていることを考えれば、大してアテにはならない。
「ってことで、続行決定!!」
『!?』
そんな!という顔をしているが、意思を変えるつもりはない。
「本当は矢部先輩の方につけたいところだけど、矢部先輩は見えるから嫌がりそうだし…」
黒い影がついてくる、と泣き叫ぶさまが目に浮かぶので無理だ。
「かといって、私の側に置いておくのも無駄だしね。こないだの事もあるから、中塚女史についててもらうのがやっぱり現状はベストだと思う」
この間の事。
つまりは、矢部先輩のスクープの事だ。
まさかのタイミングで遭遇し、決定的瞬間を目撃していた。
「あ、そういえば矢部先輩って…」
最後まで問いかける前に、白狐ならぬマルちゃんが先回りをして答える。
『あの女子ならば木の気の持ち主。やはり我とはあいませぬな』
「いや、それは聞いてないけど…。へぇ…。中塚女史と矢部先輩って同じ属性なんだ」
相性が特別いいというわけではないだろうが、似た者同士にはとても見えなかったのに意外だ。
見えないところで似通った部分があったのだろうか。
『主よ!!我のことも少しは気にかけてくだされ!!』
「はいはい、わかったわかった。マルちゃん、伏せ」
『主っ!!』
おざなりな指示にキャンキャンと吠えるが、体だけは素直に命令にしたがっている。
こういうところは少し可愛く見えてきた気がしないでもない。
どことなく矢部先輩に似ているような気も……。
「……ん?」
今、なんか一瞬、いい考えが浮かんだような気がする。
なんだ?何を思った自分。
「竜児……」
「君の憧れの先輩とやらが昨夜目撃した謎の男。そこの狐なら同じように見ているのでは?」
「おぉ!それだ!!」
本人すらもわからなくなっていた考えをぴしゃりと言い当てた竜児。
ひょいとマルちゃんを摘み上げ、高瀬の前に差し出す。
「マルちゃんマルちゃん、正直に答えてごらんよ」
『…なんなりとお答え申すが、どうかこの男を止めてくださらんか』
「うん、正直に答えたらね」
猫の子のように背中をつままれて、非常に嫌な顔をする狐。
意外と狐って表情が分かるものなんだなと妙なところで感心する。
「昨日矢部先輩が一緒にいた男って、どんな人だった?」
『どのような、と申されますと…』
「大体どんな風貌だったか、とかさぁ」
なにかしらあるだろう、なにか。
つままれたまま、神妙な面持ちで考え込むマルちゃん。
サイズは少し大きいが、キーホルダーのようでやはりちょっと可愛い。
『……我に人の男の区別は付きませぬ。ただ、男としか』
「「つかえない」」
悩んだ挙句絞り出したマルちゃん答えに、思わず竜児と声がハモった。
この世の終わりのような顔をするマルちゃん。
『で、ですが我は、我は……!!』
「あぁはいはい、わかったわかった、しょうがない、そんなこともあるよ」
動物虐待は趣味ではないと、クンクン泣き始めたマルちゃんを慰める。
「甘やかすと調子に乗りますよ、タカ子。使えないものは使えないとはっきり言って何が悪い」
「あー……」
にらみ合う両者。
その様子に、やはり相性占いはアテにならないものだと確信した。
竜児とマルちゃんの相性が良いとはとても信じられない。
「タカ子、わざわざこいつに話を聞く必要はありませんよ。君なら、見れるでしょう」
「その手があった」
ぽん、っと手を打つ高瀬。
そうだ、記憶を見れば確かにそれが一番手っ取り早い。
もしかしたら見覚えのある人物かも知れないし。
「んじゃ、それでいい?」
『主のお望みとあらば…』
一応本人の意思を尊重し、異論がないことを確認してからその額に手を当てる。
「竜児。ついでだからさ」
「ええ、お願いします」
もう片方の手で竜児の手を掴むと、高瀬は目を閉じた。
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