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第3章

長い付き合い

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女「もう、今年で5年が過ぎるよね。私、あなたにとってどういう存在?」
男「大切な人ですよ。これまで僕があなたとの約束を破った事がありますか?それは人間だから、守れそうにない時もあります。だけど、事前に連絡して代案を出している。それは、お互い様ですよね。」
女「確かにそうね。だけど時々思うの。私ってあなたの何なの?って。」
男「それはあなたは私の大事な・・・。」
(女、食い気味に。)
女「分かりたくもないのよ!私の事そんなに大事じゃないんでしょ!これだけ長く付き合って来たのに、あなたは私の気持ちなんて、何にも分かってない!」
男「この際はっきりしましょう。あなたは私の・・・。」
(女、食い気味に。)
女「そうよ。私はあなたのクライアントよ。クライアントに過ぎないわよ。私ってあなたにとって、その程度の女なんだね。」
男「まさか、そんな予想外の事を期待しているとは思っていませんでした。本当にごめんなさい。」
女「私なんかといるより、プライベートで付き合っている可愛い恋人の方が大事なんだよね。」
男「そうですね。」
女「その彼女とは今、幸せなの?」
男「幸せですよ。ラブラブですから。」
女「仕事上、そういう風に言うのが、クライアントの精神的な負担を減らす為。ネガティブな空気を作らないため。業務に個人的な感情を持ち込まない。そんな、仕事上の嘘のルールの惚気話なんて、要らないの。」
男「少なくとも今日のあなたといるよりは幸せです。どうしちゃったんですか?」
女「あなたのアドバイス通りに付き合っていた男性に、振られたの。責任取って。」
男「落ち着いて下さい。スパッと諦めて、他の男性に目を向けてみましょう。いつも言う通り、あなたの短所も、裏を返せばかけがえのない長・・・。」
(女、食い気味に。)
女「あなたの力不足よ!他を当たります。さようなら。今日はもう、お金払わなくていいよね。この、役立たずの豚!」
牡丹と何とかの香世みたいな暴言をぶつけて、女はお金も払わずに去って行った。
男は女の存在に恐怖を感じて、最後のカウンセリング料は泣き寝入りする事にした。
男と女~♪どちらが幸せ~♪→古いですね・・・。
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