Alastor-アラストル-

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王都

Luttons équitablement ~正々堂々と~

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 会場へと歩みを進めるカインの背中には哀愁が漂っていた。その様子を見るローベルト、アニエス、シルフィアの目は皆同じ色をしている。

「カイン! 大丈夫だ! コカドリーユ程ではないだろ!」
 ローベルトは大声でカインを慰める。

「そうよ! 大丈夫だよカイン!」
 アニエスも無理矢理作った笑顔で続く。

「何の事かわからんけど、カインなら大丈夫ばい!」
 シルフィアもとにかく応援する。

「うん……皆ありがとう……」
 振り返り答えるカインは笑顔ではあるが、少しだけ瞳が潤んでいた。心なしか小さく見える。

「両者、前へ!」
 試験官の声が会場に響き渡る。いよいよカインの試験が始まる。

「おいおい、俺様の初戦がこんなひょろっちいガキたあな。ツキが回って来やがったぜ。」
 相手の男はにやつきながら木剣で肩を叩いている。カインを見て弱い相手だと判断したようだ。

 その様子に憂鬱になっていたカインは気色ばんだ。
「そう言っていられるのも今の内ですよ?」
 負けじと笑みを作り相手を挑発する。

「あ? ナメてんのかガキが! 容赦しねぇからな!」
 若僧に挑発され男は激昂している。

「静粛に! これよりルールの確認をする。
 実剣の使用禁止。登録武器以外の使用禁止。対戦相手の殺傷禁止。以上! 両者準備はよろしいか?」
 
 試験官の質問に2人は頷く。それを確認した後、右手が挙げられる。
「始め!」
 降り下ろされた右手は試験開始の合図だ。

「おらあぁっ!」
 大柄な男は合図が出されるや否や、木剣を振りかざし突進して行く。瞬きする隙も与えずカインへと迫った。

 合図と共に木剣を構えたカインは男の動きを冷静に見極めている。
 降り下ろされた木剣に対して身体を少し右側に反らしつつ、切っ先で相手の手首を斬り上げる。男の勢いを利用し上に向いた剣をそのまま左肩口へと振り下ろす。

「ぐっ……!」
 真剣ではないため肩が吹き飛ぶことはなかったが、自身の体重と勢いが全て左肩に集中し男は痛みで顔を歪める。
 
 カインは男の勢いを利用し足をかけ、相手を地面へ倒した。そして背中から心臓の位置へと剣を突き立てる。
「勝負ありですね。」
 突っ伏している男に微笑みかける。

「勝者、カイン=ニコラエヴァ!」
 試験官はカインの勝利を高らかに宣言した。

「くそっ……」
 土を掴みながら男が呟く。格下だと侮った相手に一瞬にして負けてしまった事実を受け入れられないようだ。

「なんだ楽勝だったじゃねぇかカイン!」
 ローベルトが戻ってきたカインに声を掛ける。

「いや、楽勝ではなかったよ。たまたま上手くいっただけさ。相手の人も相当な手練れだろうしね。今ごろ手が震えてるよ。」
 震える右手を見せつつカインが答える。額にはうっすらと汗が滲んでいた。

「早くワタシの番来んかな!」
 シルフィアは手をバタつかせ自分の名が呼ばれるのを待っている。

 会場では次々に受験者の名が呼ばれ闘いが始まっていた。次に呼ばれるのは誰だろうか。

「ローベルト=コルト、前へ!」
 4人が他者の闘いを見ている中、ローベルトの名が響く。

「ああ……遂に呼ばれちまった……」
 肩を落とし、とぼとぼと歩き始めるローベルト。

「しっかりしなさいよ!」
 落胆しているローベルトの背中をアニエスが思い切り叩く。激励のつもりだろう。

「痛っ! わかってるよ。」
 涙目でアニエスに手を振る。

「大丈夫ばいローベルト! 死にはせんけん!」
 シルフィアも大きな声で応援する。

「いやその言い方だと負ける前提じゃね?」
 湿った目でシルフィアの方を見る。どうやら彼女はローベルトが負けると思っている様子だ。

「いつも通りにやりなよローベルト。」
 カインはそれだけ伝え会場に目を向ける。

「ああ。行ってくるわ。」

 ローベルトの相手は落ち着いた雰囲気の中年男性だ。真っ直ぐに立ち黙想して精神統一をしている。ただ立っているだけだが隙は見当たらない。使用武器は槍のようだ。

「ああ……こりゃ手強そうだ……」
 対するローベルトは隙だらけで対峙している。

「両者準備はよろしいか? 始め!」
 試験官の右手が降り下ろされる。

 相手の男がゆっくりと槍を構え、鋭い目はローベルトの動きを窺っている。
 自分の間合いへ入るため、ローベルトへ近付いていく。

「おじさん、ちょっと話しない?」
 緊迫した空気の中、急にローベルトが口を開いた。

「……なんだ?」
 怪訝な顔で男は答える。予想だにしないローベルトの行動に不信感を募らせている。

「いや、大したことじゃねぇんだ。おじさんのその槍の長さ、教えてくれたりしない?」
 相手の武器を指差し尋ねる。得物の尺を知りたいようだ。

「答えてやる義理はないな。」
 男は冷たく答える。当然の返答だ。

「ですよねぇ。ところで、あんたを戦士と見込んでお願いがあるんだが。」
 ローベルトが懐から木製のナイフを取り出し続ける。
「俺の得物はあんたが見る限りこの投げナイフだ。生憎と命中率は低いがな。」

「何が言いたい……?」
 警戒しつつもローベルトの言動が気になっている。構えは解かずに耳を傾ける。

「なぁに簡単なことさ。正々堂々と闘いましょってやつだ。
 今の距離だとほぼあんたの間合いだ。俺はここから5歩下がった所であんたの胸に向かってナイフを1本投げる。打ち落としても避けても良い。俺のナイフでの攻撃はそれだけだ。この距離ならあんたもすぐに間合いを詰められるだろ? それから攻撃してくれないか。俺にも意地があるから多少抵抗はするが……これで対等だと思うんだが。」
 手先でナイフを回しつつローベルトが提案する。

「ふむ。貴様の言うことは一理あるな……若いのに見上げた根性だ。その提案受けてやろう。」
 構えを解き男はローベルトの提案を承諾した。

「感謝するよ。投げる前に合図するから、そこから勝負だな。」
 そう言ってローベルトは5歩下がった。
「いくぜ!」
 相手が構えたのを確認し、ローベルトはナイフを振りかぶる。

「いざ勝負!」
 男もローベルトの合図に身構える。

 ローベルトの手から放たれたナイフが男の胸目掛けて迫る。
「温いな!」
 男は槍を使い迫り来るナイフを凪ぎ払う。

「ははっ! 掛かったなおっさん!」
 払われたナイフを見てローベルトが声を挙げる。その手には真っ直ぐナイフへと伸びる2本の細いロープが握られていた。

「何っ!?」
 相手の男は槍に絡み付くロープを見るが、状況が理解出来ないでいる。

 ローベルトは片方のロープを足元に突き刺す。その先には投擲したナイフと同様の物が結ばれていた。

 男は咄嗟に槍を手前に引き、刺さっている方のロープを引き抜こうとする。しかしナイフが深く刺さっているため簡単には抜けない。

 その隙にローベルトはもう1本のロープを相手の右側90度の方向へと投げる。その先には柱が建っていた。ロープは柱に巻き付き、槍を固定する形になった。
 
「ぐっ……」
 男は籠った声を発し動かすことの出来ない槍を見る。

 そして懐から新たなロープを取り出したローベルトは相手へ向かって投げると同時に、2本のロープの間へと走り出す。
 男は冷静さを取り戻せず、槍に絡み付く2本のロープを外そうと槍を引き続けている。迫り来るロープには気付いていない。

「よしもらった!」
 投げられた3本目のロープは投げ輪だった。頭上から降り注いだ輪が男を捕らえる。
 ローベルトは男の二の腕付近に輪が差し掛かったのを確認し、思い切りロープを引く。円が縮まり、槍ごと相手を締め付けた。
 更に勢いを付け男を締め付けるロープを引く。男は地面に倒れた。

「ぐっ!」
 勢いよく倒れ思わず声が漏れる。

 倒れた相手にゆっくりと近付き、しゃがみこんだローベルトがナイフを首元へと当てる。
「降参かい?」
 隻眼の男はニヤついた笑みを浮かべる。

「勝者ローベルト=コルト!」
 勝者の名を告げる声が木霊する。

「おい! 若いの! 話が違うではないか!」
 地面に横たわった状態で男は声を荒げる。

「あ? 言っただろ? ナイフでの攻撃は1本だけ。それに打ち落とした後で多少抵抗するとも言ったな。」
 去ろうとするローベルトは振り返って答える。

「武器はナイフだけだと言ったじゃないか! ロープを使うなど聞いていない!」
 尚も男は食い下がる。自身の敗けを認められない。

「それも言ったよ? あんたが見る限りはナイフだけだってな。それでも違うってんなら、他の武器を所持してないか確認を怠ったあんたの落ち度だな。」
 背中越しに手をヒラヒラさせ、ローベルトはカイン達の元へと向かった。

「くそっ! どこが正々堂々だ!」
 試験官に縄を解いてもらいつつ、男はローベルトに向かって言葉を続ける。

 ローベルトは振り返ることなく去って行った。

「ローベルトなんか感じ悪かよ!」
 戻ってきたローベルトにシルフィアが声を掛ける。

「何だよ。勝ったんだから良いだろ?」
 気怠そうに答えるローベルト。

「これがローベルトの戦い方なんだよ。」
 カインが苦笑いでシルフィアへと説明する。
「昔から口先と罠を張るのが巧いんだ。」

「うぅん……男らしくなかよ。」
 シルフィアはあまり納得出来ていない。

「ローベルトらしいわね。」
 アニエスは予想通りと言わんばかりだ。

「アニエス=ルビンスタイン、前へ!」
 4人はローベルトの戦略についてあれこれと議論しているとアニエスの名が呼ばれる。

「それじゃ、行ってくるわね!」
 馴れた手付きで弓を張り、アニエスが闘技場へと駈けて行く。

「ワタシ全然呼ばれんたい!」
 その様子を見てシルフィアは頬を膨らませる。

 アニエスが待っていると、ゆったりした足取りで男が近付いて来た。厭らしい目付きに中肉中背の男。どうやらこの男がアニエスの対戦相手のようだ。

「ほほう、俺の相手は女か。優しくしてやるぜ? 嬢ちゃん。」
 アニエスを品定めでもしているのか、下から上へと舐める様に見る。口元には下品な笑みを浮かべている。

「はあ……真面目にやって下さい。」
 溜め息をつき、眼鏡の奥から冷酷な目を相手へと向ける。

「ひひっ。そそるねぇ。」
 冷ややかな目を向けられ、男は唇を舐める。

「静粛に! アニエス=ルビンスタイン、武器は弓とあるが、始めに距離を取りますか?」
 試験官がアニエスに問い掛ける。女性であること、武器が弓であることを考慮した提案だった。

「いえ、結構ですよ。ありがとうございます。このまま始めて下さいね。」
 試験官に笑顔で礼を言い、提案を断る。

「ははっ! 良いのかい嬢ちゃん! 早くおっ始めようぜ!」
 
「では、始め!」
 試験官の右手が降り下ろされ、試合が開始された。

「ぎゃっ!」
 開始の合図と同時に男は、額の痛みに悲鳴を挙げた。その後も喉、心臓、鳩尾、金的に次々と痛みが襲い掛かる。
「痛えぇぇっ!」
 男は何が起こったのか解らず、ただ叫び続ける。

「勝者、アニエス=ルビンスタイン!」
 アニエス勝利の掛け声が響き渡る。

「へ? どういうこった!?」
 痛みを感じる箇所を押さえつつ、男が声を出した。

 その様子を見た試験官が男に声を掛ける。
「アニエス=ルビンスタインは合図と同時に次々と矢を放ち、それが貴方の急所に命中した。よって貴方の敗けだ。」
 淡々と敗北を説明する。

「では、お疲れ様でした。」
 眼鏡を整え、相手へそれだけ言ってアニエスは闘技場を後にする。

 戻ってきたアニエスにシルフィアが声を掛ける。
「凄かねアニエス! 弓ってあんなに速く打てるもんなん!?」
 興奮した様子で質問を投げ掛ける。

「ええ。速く打たないと鹿が逃げるからね! 山育ちの技よ!」
 ウインクをしながらアニエスは答える。

「はあ……凄かねぇ……」
 シルフィアは感心している。

「食い意地が張ってるだけだろ……」
 ローベルトが小声で呟く。

「何か言った? ローベルト?」

「いや何も?」
 手を振ってローベルトが否定する。

 カインも労いの言葉を掛ける。
「お疲れ様アニエス。やっぱり君の弓は一級品だね!」

「ありがとう、カイン。次も頑張るわ。」
 アニエスは礼を言って次への意気込みを見せる。

「ワタシも頑張らんば!」
 シルフィアも気合い十分な様子だ。両手拳を眼前で握り締めている。

「シルフィア=S.ウェヌス、前へ!」
 遂にシルフィアの名前が呼ばれる。

「きた! 行ってくるばい!」
 待ってましたと言わんばかりに、シルフィアは全速力で走り出す。

「気を付けてね! シルフィア!」
 その様子が可笑しかったのか、カインは笑いを堪えながら応援の声を出す。

「大丈夫! 勝ってくるばい!」
 走りながらシルフィアは振り返り手を振る。

「あらお嬢ちゃん。ここは子供の遊び場じゃないわよ?」
 先に待機していた対戦相手の女は、やって来たシルフィアを見て笑っていた。

「は? ここはオバサンの遊ぶとこじゃなかですよ。帰ったらどがんですか?」
 子供扱いされ怒りを隠さずにシルフィアが挑発に乗る。

「あん? 粋がってんじゃないよガキが! 怪我しても知らないよ!」
 オバサンと言われたのが気に障ったのか、相手の女は声を荒げる。

「そっちこそ歳なんやけん怪我には気ばつけれよ!」
 シルフィアは更に挑発する。

「始め!」
 試験官の合図により試合が始まった。

 カイン、ローベルト、アニエス、シルフィアの名は、今回の傭兵選抜試験に良い意味でも悪い意味でも名を残すことになる。
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