超ショートショート

日程

文字の大きさ
8 / 15

自殺願望

しおりを挟む

 8.『自殺願望』

 俺は大きな川の前に立っていた。激しい水の音がごうごうと耳に入ってくる。なんとなくふわふわとした気分だ。

ここはどこだろう?

記憶が曖昧であったが一つだけ強い思いがあった。

〝死にたい〟

俺は何かに突き動かされるように一目散に川へと駆け出した。

「おい、待て。」遠くで声が聞こえたが振り返らずに走り続ける。

「舟はそっちじゃない!」野獣のような怒鳴り声。それをも無視して川にたどり着いた俺は、その最も流れの激しい部分に思いっきり飛び込んだ。鼻と口から大量の水が流れ込んで、俺の意識は途絶えた…。


 「先生、自殺した子が生き返りました。」「なんだと? そんな、信じられない…。」

誰かの会話が聞こえて、俺は意識を取り戻した。どうやら俺は病院のベッドの上にいるようだ。白いライトが目に眩
しい。

その強い光を浴びるうちに記憶が徐々に蘇ってきた。身を起こして窓の外を眺めながら、俺は思わずため息をつく。


 あの世でも自殺を図った俺は、三途の川を渡ることさえできなかったらしい。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

リボーン&リライフ

廣瀬純七
SF
性別を変えて過去に戻って人生をやり直す男の話

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

日露戦争の真実

蔵屋
歴史・時代
 私の先祖は日露戦争の奉天の戦いで若くして戦死しました。 日本政府の定めた徴兵制で戦地に行ったのでした。  日露戦争が始まったのは明治37年(1904)2月6日でした。  帝政ロシアは清国の領土だった中国東北部を事実上占領下に置き、さらに朝鮮半島、日本海に勢力を伸ばそうとしていました。  日本はこれに対抗し開戦に至ったのです。 ほぼ同時に、日本連合艦隊はロシア軍の拠点港である旅順に向かい、ロシア軍の旅順艦隊の殲滅を目指すことになりました。  ロシア軍はヨーロッパに配備していたバルチック艦隊を日本に派遣するべく準備を開始したのです。  深い入り江に守られた旅順沿岸に設置された強力な砲台のため日本の連合艦隊は、陸軍に陸上からの旅順艦隊攻撃を要請したのでした。  この物語の始まりです。 『神知りて 人の幸せ 祈るのみ 神の伝えし 愛善の道』 この短歌は私が今年元旦に詠んだ歌である。 作家 蔵屋日唱

処理中です...