あだ花姫は18禁ジャンルからジャンル替えしたいみたいです。

チョコパイ

文字の大きさ
84 / 165
第二部二章 雲海をぬけて

お祖父様

しおりを挟む
おおおぅっ……

まさしく聖人だわ…
後光が無駄に眩しい……

夜会の乾杯の後、祖父が私達を側に呼ぶ。

「初めましてウリエルの娘、ミカエルです。
素敵なイヤリングありがとうございました。」

私がカーテシーをすると祖父は

「楽にしなさい。」

そう嬉しそうに目尻を下げる。

「ウリエルに良く似ている。それに…私にも…」

祖父が私の頭を撫で、額に口づけをおとす。

んっ…?
皆が私を見ている?
殿下なんて目をウルウルと潤ませている。

おじ様が宣言する。

「裁きの剣の持ち主であり、私の大切な姪であり主の光を継いだミカエルに幸あれ。」

「幸あれ!!」
「幸あれ…幸あれ…」
拍手喝采の中、理由もわからぬまま頭を下げる。

殿下が微笑む。
この美形揃いの天人の中でも殿下は際立って美しい。

「ティナ…すごく綺麗だよ。まるで闇夜を照らす月明かりみたいだ。」

殿下の趣味が変わっていて良かった。
さもなければこんな美女だらけの中、私を綺麗だと言うわけがない。

「ミカエル、少し話せないだろうか?」

祖父が優しく手をさしのべる。
祖父の手をとると

「ガブリエル、君もおいで…」

そう殿下に微笑んだ。

祖父に着いていくと、そこにはおじ様とケルビム様、ソロネ様、メフィストフェレス様、アザゼル様、ベリアル様と錚々たるメンバーがこちらを見ているではありませんか…

思わず。
ゴクッと喉がなる。

オスカル様にアンドリューもいる。
まさに眼福だ。

おじ様がある程度、地上での出来事を話しておいてくれたのか、すんなりと本題に入れる。

ここにいる方々に取り繕う必要はない。
だから……

「お祖父様、天界にルシファーと通じている人がいます。」

おじ様が苦笑している。

「それはどういう事だ?」

祖父が私を見つめる。

「繰り返される人生の中でどのルートを辿っても最後はルシファーに数年に渡って辱しめられて終わりました。」

祖父の目から涙がこぼれる。

「嫌だなぁ……お祖父様
過去の話です。
泣くところではありません。
私が辱しめられた事より今、問題にするべきは天界にルシファーと同じ臆病な子羊ちゃんがいるという事です。」

メフィストフェレスが私を見つめ

「臆病な子羊とは?」

と尋ねる。

「好意を寄せる相手に想いを打ち明けることが出来ずに、勝手に拗らせて相手を不幸に陥れる人の事です。

愛は無理矢理奪うのではなく、互いにたかめあうことです。
そんな当たり前の努力をせず、相手を逆恨みし不幸にするなんて…
弱虫で臆病な子羊としか言えません。」

祖父がうなずく。

ケルビムが微笑む。

「本当にウリエルによく似ている。
まっすぐで折れない光だ。」

ケルビムの言葉におじ様が笑いながら答える。

「ウリエルより強くて厄介な姪っ子だ。
闇も悪も個性だと言い張るし…個性なら救えるはずだと断言するし…
父が裁きの剣を渡した理由がよくわかります。」

祖父が私に尋ねる。

「これからどうするつもりだと……」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

思い込みの恋

秋月朔夕
恋愛
サッカー部のエースである葉山くんに告白された。けれどこれは罰ゲームでしょう。だって彼の友達二人が植え込みでコッチをニヤニヤしながら見ているのだから。 ムーンライトノベル にも掲載中。 おかげさまでムーンライトノベル では 2020年3月14日、2020年3月15日、日間ランキング1位。 2020年3月18日、週間ランキング1位。 2020年3月19日、週間ランキング1位。

歳の差を気にして去ろうとした私は夫の本気を思い知らされる

紬あおい
恋愛
政略結婚の私達は、白い結婚から離縁に至ると思っていた。 しかし、そんな私にお怒りモードの歳下の夫は、本気で私を籠絡する。

【完結】冷徹執事は、つれない侍女を溺愛し続ける。

たまこ
恋愛
 公爵の専属執事ハロルドは、美しい容姿に関わらず氷のように冷徹であり、多くの女性に思いを寄せられる。しかし、公爵の娘の侍女ソフィアだけは、ハロルドに見向きもしない。  ある日、ハロルドはソフィアの真っ直ぐすぎる内面に気付き、恋に落ちる。それからハロルドは、毎日ソフィアを口説き続けるが、ソフィアは靡いてくれないまま、五年の月日が経っていた。 ※『王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく。』のスピンオフ作品ですが、こちらだけでも楽しめるようになっております。

好感度0になるまで終われません。

チョコパイ
恋愛
土屋千鶴子(享年98歳) 子供や孫、ひ孫に囲まれての大往生。 愛され続けて4度目の転生。 そろそろ……愛されるのに疲れたのですが… 登場人物の好感度0にならない限り終わらない溺愛の日々。 5度目の転生先は娘が遊んでいた乙女ゲームの世界。 いつもと違う展開に今度こそ永久の眠りにつける。 そう信じ、好きなことを、好きなようにやりたい放題… 自覚なし愛され公女と執着一途皇太子のすれ違いラブロマンス。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる

しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。 いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに…… しかしそこに現れたのは幼馴染で……?

黒の神官と夜のお世話役

苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました

兄様達の愛が止まりません!

恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。 そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。 屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。 やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。 無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。 叔父の家には二人の兄がいた。 そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…

処理中です...