あだ花姫は18禁ジャンルからジャンル替えしたいみたいです。

チョコパイ

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第二部四章 Stairway to Heaven

初恋の思い出

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「お兄ちゃん…待ってよ」

いつも兄達の背中を追いかけていた。

自分のこの気持ちに名をつけれぬまま、想いばかりが募っていく。

「ブラコンっていうんだよ。」

中学にあがると友達が私の想いに名前をつけてくれた。

それがブラザーコンプレックスだ。
気持ちが少しだけ楽になった。

名の無い想いは幼かった私には得体の知らない化物に思えたからだ。

自分の想いに名がついたことで気が楽になった。

兄達にかまって欲しくて露出度の高い服を着てみたり、わざと抱きついたり、自分の中の邪な気持ちをブラコンという名の隠れ蓑で覆い隠していた。

「ブラコン」から「片想い」に変わったのは高校の時だった。

戸籍謄本を見てしまったのだ。
そこには養女と記されてあった……

色々な想いが津波のように私を飲み込む。

そして……
一人遊びをするようになる。

想い描くのは二人の兄達…兄達に甘やかされ、愛を囁きあって、抱き合いながら……

私が大学一年の時、一番上の兄に彼女ができた。

そして私は見てしまう。
兄と彼女がキスしているところを…

そこでやっと目が覚めたのだ。

想いは想いのままで、決して実はむすべないと。

それからは兄達と距離をおいた。

二番目の兄に彼女が出来る頃になると、私は完全に兄への想いは色褪せていた。

それより友達と馬鹿話していた方が楽しかった。

あの夜、一番上の兄が酔っぱらって帰ってきた時、家には私一人だった。

リビングで寝ている兄を起こそうとした時
兄は私の手を掴みそのまま腕の中へ閉じこめる。

「ゆき…好きだ。
有希子…ずっと前から好きなんだ。」

吸い寄せられるように
重なりあう唇。
初めての感情に流されながらそれでも求めずにはいられない想いに感情に身をゆだねる。

兄の舌が私の舌をなぞる頃には兄も私も兄妹ではなく男と女だった。

このまま…最後まで…

そう願ったのもつかの間
兄のスマホが鳴り出す。

兄は酔いからさめたように、私を押しのけると

「悪かった…忘れてくれ。」

そう言って逃げるように自分の部屋へと消えていった。

「……馬鹿みたい…」

私達は兄妹、たとえ血がつながっていなくても、世間からしてみたら、まぎれもない兄妹なのだ。

何より私を実の娘のように育ててくれた両親に申し訳なかった。

大好きな両親に恥じない自分にならなくては…

子供が犬に襲われているのを見た時、体が勝手に動いた。

両親に兄達に恥じない自分を証明するように…

「有希子、強さは人を思う優しさだ。」

父は私にそう教えてくれた。

「有希子、優しさとは人を思いやる強さよ。」

母は私にそう教えてくれた。

子供を胸に抱きながら、薄れていく意識の中で私は願った。

どうか自慢の娘であり妹であり家族でありますようにと……

目が覚めると殿下の顔がすぐ隣にある。

どうやら殿下が肩を貸してくれていたみたいだ。

「殿下…大好きです。」

耳元で囁くと
みるみるうちに殿下の顔が赤くなる。

「私も大好きだよ。」

照れると早口になる殿下の頬に私はキスをおとす。

殿下の顔はトマトより真っ赤だった。
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