111 / 201
海底の闇
一夫一妻制度
しおりを挟む
あれから四年の歳月が流れた。
ティナとは正式に婚約を破棄し私は三人の妻を娶ることになった。
すべて帝国の為に結ばれた政略結婚だった。
愛のない結婚生活は私だけではなく、三人の妻達にも暗く冷たい影をおとす。
帝国の為なら耐えられると思っていた。
ティナの居ない生活に、ティナの居ない世界に…
でも違った。
ティナからどんなに距離をおいても、いつもこの瞳はティナの姿を探してしまう。
どんなに離れていてもこの耳はティナの声を追い求めてしまう。
誰と居ても私の心を埋め尽くすのはティナだけだった。
ティナは二年前兄上と結ばれた。
誰もが認めるお似合いの夫婦だった。
ティナが公爵家の後継者となり兄上はティナを公私ともに支えた。
兄上の愛は広くどこまでもまっすぐだった。
私にはそれが出来なかった。
宣誓の言葉で兄上がティナに誓った言葉……
「前世も今世も未来も私の人生はクリスティーナのためにあると……」
かつてティナは私に言った。
「生涯で私だけと誓えるか?」と……
私は答えられなかった。
私の人生は私だけのものではなく帝国のものだったから……
涙の向こう側でティナが微笑む。
今でも変わらずティナだけを愛している。
そして悲劇が繰り返される。
側室の一人が闇に堕ちたのだ。
闇は闇を呼び込む。
ウリエルと、ティナの聖なる炎が城をつつむ。
ティナが私の頬を思いっきりはりたおす。
「陛下、しっかりなさい。皆、陛下が愛すべき人達です。ご自分の選んだ道を自ら投げ出さないで下さい。」
ティナが背をむける。
「嫌だ…行かないで……
私はティナだけを愛している。ティナー!!」
ガバリとベッドから飛び起きる。
私は鳩に変化しティナの元へとむかう。
その姿をセラフィムとソロネが見守っている。
「ソロネも丸くなったな…こんなお節介を焼くとはな……」
セラフィムの言葉にソロネがセラフィムを見つめる。
「昔、お前にしてやれなかったからな…
セラフィム、あの時ウリエルの手を掴めなかっただろう。
あんなにウリエルを愛していたのに…自分の役割のせいで…」
ソロネの言葉にセラフィムが苦笑いを浮かべる。
「もう過ぎ去った過去の話だ。
あの時の決断があったからこそミカエルと出会えた。
今はそれでいい…それだけでいい…ソロネのお節介ついでに私もお節介を焼こう…」
ミカエルもガブリエルも気がついていないのだろうか?
カラスも鳩も一夫一妻制だ。
生涯、同じパートナーを愛し共に生きる。
変化した二人を見た時、心から祝福したのだ。
だから私から二人に最大の贈り物をしよう。
この夜、伝達者によって教会に一つの法案が告げられる。
一夫一妻制、主の前で誓った相手と生涯を共にし、忠実、忠誠であるように…と。
ティナとは正式に婚約を破棄し私は三人の妻を娶ることになった。
すべて帝国の為に結ばれた政略結婚だった。
愛のない結婚生活は私だけではなく、三人の妻達にも暗く冷たい影をおとす。
帝国の為なら耐えられると思っていた。
ティナの居ない生活に、ティナの居ない世界に…
でも違った。
ティナからどんなに距離をおいても、いつもこの瞳はティナの姿を探してしまう。
どんなに離れていてもこの耳はティナの声を追い求めてしまう。
誰と居ても私の心を埋め尽くすのはティナだけだった。
ティナは二年前兄上と結ばれた。
誰もが認めるお似合いの夫婦だった。
ティナが公爵家の後継者となり兄上はティナを公私ともに支えた。
兄上の愛は広くどこまでもまっすぐだった。
私にはそれが出来なかった。
宣誓の言葉で兄上がティナに誓った言葉……
「前世も今世も未来も私の人生はクリスティーナのためにあると……」
かつてティナは私に言った。
「生涯で私だけと誓えるか?」と……
私は答えられなかった。
私の人生は私だけのものではなく帝国のものだったから……
涙の向こう側でティナが微笑む。
今でも変わらずティナだけを愛している。
そして悲劇が繰り返される。
側室の一人が闇に堕ちたのだ。
闇は闇を呼び込む。
ウリエルと、ティナの聖なる炎が城をつつむ。
ティナが私の頬を思いっきりはりたおす。
「陛下、しっかりなさい。皆、陛下が愛すべき人達です。ご自分の選んだ道を自ら投げ出さないで下さい。」
ティナが背をむける。
「嫌だ…行かないで……
私はティナだけを愛している。ティナー!!」
ガバリとベッドから飛び起きる。
私は鳩に変化しティナの元へとむかう。
その姿をセラフィムとソロネが見守っている。
「ソロネも丸くなったな…こんなお節介を焼くとはな……」
セラフィムの言葉にソロネがセラフィムを見つめる。
「昔、お前にしてやれなかったからな…
セラフィム、あの時ウリエルの手を掴めなかっただろう。
あんなにウリエルを愛していたのに…自分の役割のせいで…」
ソロネの言葉にセラフィムが苦笑いを浮かべる。
「もう過ぎ去った過去の話だ。
あの時の決断があったからこそミカエルと出会えた。
今はそれでいい…それだけでいい…ソロネのお節介ついでに私もお節介を焼こう…」
ミカエルもガブリエルも気がついていないのだろうか?
カラスも鳩も一夫一妻制だ。
生涯、同じパートナーを愛し共に生きる。
変化した二人を見た時、心から祝福したのだ。
だから私から二人に最大の贈り物をしよう。
この夜、伝達者によって教会に一つの法案が告げられる。
一夫一妻制、主の前で誓った相手と生涯を共にし、忠実、忠誠であるように…と。
10
あなたにおすすめの小説
兄様達の愛が止まりません!
桜
恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。
そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。
屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。
やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。
無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。
叔父の家には二人の兄がいた。
そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる
奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。
だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。
「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」
どう尋ねる兄の真意は……
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる