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チョコパイ

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第二部八章 終わりのない始まり

終わりのない始まり

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「ドラゴニアではここ数年、雌雄同体の子供しか生まれないそうだ。」

「しゅうどうだい?
おじ様、しゅうってだれ?」

おじ様が苦笑いを浮かべながら

「雌雄同体……つまり男女の特徴、両方を生まれ持ったもののことだ。
簡単に言うと彼等には卵巣と精巣の両方を持って生まれてくるんだ。
カタツムリとかミミズがその類いだ。」

カタツムリ?ミミズ?
卵巣と精巣を両方を持って生まれてくる??

そう言えば岩瀬有希子の時に兄達とカブトムシを捕まえに行った時に変なクワガタを見つけて持って帰ったことがあったなぁ……

確か父が突然変異でオスの体とメスの体が一つになったって言っていたっけ……

そのクワガタは左側は普通のクワガタなのに右側は顎も短くお腹部分が少し丸みを帯びていた。

つまり人にそれを置き換えると……

これは……マニアが喜びそうな…

私の邪な考えが伝わったのかおじ様が大きく咳払いをすると話をつづける。

「雌雄同体の子供達は性的に未熟で、他者との結びつきを嫌がる傾向がある。
そして最近になって教会にドラゴニアの王妃から恐ろしい報告が入ったのだ。」

おじ様が小さく息を吐くと

「自家受精で子をなしたと……」

じかじゅせい??

おじ様が言葉を続ける。

「多くの雌雄同体の生き物は雌雄異体の生き物と同じように交尾をして種族を増やす。
しかし、自家受精では交尾をしなくても自分の精子と卵子だけで子を持つことができる。

ミカエル、これが何を意味するかわかるか?」

思わず首を横にふる。

「自家受精が続けば、同じ個体しか生まれてこないということだ。」

そこまで言われてそれがいかに異様なことか理解できた。

男と女、別個体が交わることで互いの遺伝子が結びついた子が生まれる。

子は父親でも母親でもない子、自身の遺伝子を持つことができる。

でも自家受精だと…
これって…クローンみたいなものかしら…

「恐るべきことはそれだけではない。
自家受精を防ぐために薬を使ったそうだ。」

おじ様の声がうっそうとした森を余計に重くする。

「薬?
バイアグラみたいなものですか?」

私の言葉に首をかしげるおじ様…

「バイアグラが何かはわからないが…
王妃の報告によると、ある程度の覚悟は必要かもしれないな。」

おじ様の言葉の重さを次の日、私達は知ることになる。


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