あだ花姫は18禁ジャンルからジャンル替えしたいみたいです。

チョコパイ

文字の大きさ
136 / 165
第三章 ドラゴニア

再会

しおりを挟む
「今は王としてアクアミューズを立て直す大事な時期でしょ!!
オルカ。」

私の言葉を遮るように兄がオルカの前に立つ。

「クリスティーナ。
オルカ殿も私やスネイク同様にクリスティーナと過ごした前世を思い出したそうだ。」

オルカを見つめる。

怒りがこみあげる。

「ならば余計に私の前に立つべきではないわ…」

苛立ちと悲しみが入り交じったぐちゃぐちゃな感情が爆発する。

オルカがその場で膝をつく。

「君を失ってから全ての真相を知ったんだ……」

オルカの涙が地面に吸いこまれていく。

「君が死んだ後、アクアミューズはドラゴニアの属国となり歓楽国として、国は滅びたんだ。

愚かな私のせいで魚人達は性奴隷として各地に売り飛ばされ酷い仕打ちを受けたんだ……

それもこれも私が愚かだったから…

知らなかったんだ。
父が私の事を憎んでいるなんて…

寝室に焚かれる香がまさか性的興奮を促す毒だと…

ミューズをミューズだけを愛していたはずなのに……

私は…私は……」

性的興奮を促すお香。
つまり前世でも今でもドラゴニアはこのお香を使って……

「オルカはどうしてここに?」

私の言葉に答えたのは泣きじゃくるオルカではなく兄だった。

「オルカ殿が言うには、解毒する木の実がドラゴニアの山に自生しているそうだ。オルカ殿はその木の実を探しにここまで来たそうだが、一緒に来た護衛達は皆、あのお香で……」

お香といえば…

「お兄様やスネイクは大丈夫だったの?」

二人を見つめる。

「私もスネイクも耐性があるからね。」

耐性?

「それって?オルカ様も耐性があったから無事だったんですか?」

兄が顔を赤らめる。
スネイクを見ると同じように顔を赤らめている。

「私もスネイクもオルカ殿も…前世でその……」

兄の真っ赤な顔を見て何を言おうとしているか何となくわかった。

つまり前世でクリスティーナと関係をもった人はこのお香に対して耐性があるということだ。

そう言えばおじ様もベリアル様もお香に対して何の影響も出ていない事に気がつく。

もしかしたら…天人には効かないのかしら?
どちらにしても木の実を探さないと…

話を聞いていたおじ様が

「ベリアル、もうすぐここに救いの手が来る。
君は彼等とオルカと共に木の実を探してくれ。
それと香に対して耐性がある二人は被害者の救出に力を貸してくれないか?

それとミカエル…ここから先は火山の麓にある首都へと入る。

ここよりも酷いことになっている可能性もあるがそれでも行くかい?」

不安がないわけではない。
でも、避けて通れないこともわかっている。

「もちろん行きます。
まずはこのお香をどうにかしてから、この手で必ずルシファーをぶった斬ります。」

私の言葉に皆が苦笑いを浮かべる。

私は知らなかった。
ドラゴニアの抱える闇の根深さを…
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

思い込みの恋

秋月朔夕
恋愛
サッカー部のエースである葉山くんに告白された。けれどこれは罰ゲームでしょう。だって彼の友達二人が植え込みでコッチをニヤニヤしながら見ているのだから。 ムーンライトノベル にも掲載中。 おかげさまでムーンライトノベル では 2020年3月14日、2020年3月15日、日間ランキング1位。 2020年3月18日、週間ランキング1位。 2020年3月19日、週間ランキング1位。

歳の差を気にして去ろうとした私は夫の本気を思い知らされる

紬あおい
恋愛
政略結婚の私達は、白い結婚から離縁に至ると思っていた。 しかし、そんな私にお怒りモードの歳下の夫は、本気で私を籠絡する。

【完結】冷徹執事は、つれない侍女を溺愛し続ける。

たまこ
恋愛
 公爵の専属執事ハロルドは、美しい容姿に関わらず氷のように冷徹であり、多くの女性に思いを寄せられる。しかし、公爵の娘の侍女ソフィアだけは、ハロルドに見向きもしない。  ある日、ハロルドはソフィアの真っ直ぐすぎる内面に気付き、恋に落ちる。それからハロルドは、毎日ソフィアを口説き続けるが、ソフィアは靡いてくれないまま、五年の月日が経っていた。 ※『王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく。』のスピンオフ作品ですが、こちらだけでも楽しめるようになっております。

好感度0になるまで終われません。

チョコパイ
恋愛
土屋千鶴子(享年98歳) 子供や孫、ひ孫に囲まれての大往生。 愛され続けて4度目の転生。 そろそろ……愛されるのに疲れたのですが… 登場人物の好感度0にならない限り終わらない溺愛の日々。 5度目の転生先は娘が遊んでいた乙女ゲームの世界。 いつもと違う展開に今度こそ永久の眠りにつける。 そう信じ、好きなことを、好きなようにやりたい放題… 自覚なし愛され公女と執着一途皇太子のすれ違いラブロマンス。

借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる

しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。 いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに…… しかしそこに現れたのは幼馴染で……?

兄様達の愛が止まりません!

恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。 そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。 屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。 やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。 無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。 叔父の家には二人の兄がいた。 そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…

黒の神官と夜のお世話役

苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

処理中です...