141 / 201
ドラゴニア
頭じゃなく心で…
しおりを挟む
ふぅ…
ごろんとベッドに横たわると目を閉じる。
ドラゴニアに来て八日目。
今日、初日に助けた少女が自らの命を絶ったと報告がはいった。
おじ様が空に祈りを捧げる。
何が正しいのかわからなくなる。
お香の薬効がきれた時、あの少女は何を感じたのだろうか?
はぁ……
悩めば悩むほど答えが見つからなくなる。
こういう時は…
薙刀を持って宿屋の裏庭へと出る。
「お嬢様、どちらへ?」
スネイクが呼び止める。
「スネイク、良かったら…」
スネイクは薙刀に目をやると微笑む。
「お供します。」
カキーン
カーン
槍と薙刀が織り成す金属音が頭にかかった霧を払っていく。
「お嬢様、知ってましたか?」
スネイクが槍で薙刀を払いながら
「お嬢様の刃は心で闇を切るのであって頭で闇を切るものではないんですよ。
だから……」
スネイクは槍を私に向ける。
咄嗟に薙刀で矛先を払う。
「先ずはお嬢様の心が感じたまま突き進みましょう。
答えはおのずと見えてくるはずです。」
思わず笑みがこぼれる。
「スネイクのくせに……」
私は薙刀を地面に置くとスネイクに頭を下げる。
「参りました。
私の負けです。」
スネイクが私の下げた頭に手をおく。
「お嬢様、この事が終わったら私は領地に戻ります。」
!!!
顔をあげようとすると、スネイクが私の頭を優しく撫でる。
「今はこのままで…
お嬢様、前世を思い出す前からお嬢様の事が好きでした。
だから…私の好きなお嬢様のままでいて下さい。
強くて優しくて少しがさつで…」
スネイクとの前世の記憶が頭の中でよみがえる。
「スネイク……私…」
言葉が出てこない。
声のかわりに涙がこぼれ落ちる。
「お嬢様、心のままに…
きっとそれがお嬢様にとっての正義だと私は思います。」
スネイクの声も震えている。
私の中のスネイクとの過去が一気によみがえる。
「スネイク……あの時の私は…本当に…スネイクを
愛していたわ…本当に…」
ひんやりとしたスネイクの体に纏わりつくのが好きだった。
私の涙をぬぐう細長い指も…
私の唇をなぞる細長い舌も…
スネイクを彩る全てのものを本当に愛していた。
だから……
「スネイク…有り難う。
本当は…側で一緒に鍛練したり…話をしたり…ずっと一緒にいたかった…でも…でも友達としてスネイクの決めたことを…応援するわ…だって……」
熱いものがこみあげてくる。
スネイクの胸に飛びこむ。
うっわぁ~ん
うっうっえ~ん
いろんな感情がごちゃ混ぜになって私を揺り動かす。
スネイクが私の背中を優しくさする。
「大丈夫です。
皆、お嬢様の側にいます。だから…ご自分を責めないであげてください。」
夜の静寂に私の泣き声だけが響いていた。
ごろんとベッドに横たわると目を閉じる。
ドラゴニアに来て八日目。
今日、初日に助けた少女が自らの命を絶ったと報告がはいった。
おじ様が空に祈りを捧げる。
何が正しいのかわからなくなる。
お香の薬効がきれた時、あの少女は何を感じたのだろうか?
はぁ……
悩めば悩むほど答えが見つからなくなる。
こういう時は…
薙刀を持って宿屋の裏庭へと出る。
「お嬢様、どちらへ?」
スネイクが呼び止める。
「スネイク、良かったら…」
スネイクは薙刀に目をやると微笑む。
「お供します。」
カキーン
カーン
槍と薙刀が織り成す金属音が頭にかかった霧を払っていく。
「お嬢様、知ってましたか?」
スネイクが槍で薙刀を払いながら
「お嬢様の刃は心で闇を切るのであって頭で闇を切るものではないんですよ。
だから……」
スネイクは槍を私に向ける。
咄嗟に薙刀で矛先を払う。
「先ずはお嬢様の心が感じたまま突き進みましょう。
答えはおのずと見えてくるはずです。」
思わず笑みがこぼれる。
「スネイクのくせに……」
私は薙刀を地面に置くとスネイクに頭を下げる。
「参りました。
私の負けです。」
スネイクが私の下げた頭に手をおく。
「お嬢様、この事が終わったら私は領地に戻ります。」
!!!
顔をあげようとすると、スネイクが私の頭を優しく撫でる。
「今はこのままで…
お嬢様、前世を思い出す前からお嬢様の事が好きでした。
だから…私の好きなお嬢様のままでいて下さい。
強くて優しくて少しがさつで…」
スネイクとの前世の記憶が頭の中でよみがえる。
「スネイク……私…」
言葉が出てこない。
声のかわりに涙がこぼれ落ちる。
「お嬢様、心のままに…
きっとそれがお嬢様にとっての正義だと私は思います。」
スネイクの声も震えている。
私の中のスネイクとの過去が一気によみがえる。
「スネイク……あの時の私は…本当に…スネイクを
愛していたわ…本当に…」
ひんやりとしたスネイクの体に纏わりつくのが好きだった。
私の涙をぬぐう細長い指も…
私の唇をなぞる細長い舌も…
スネイクを彩る全てのものを本当に愛していた。
だから……
「スネイク…有り難う。
本当は…側で一緒に鍛練したり…話をしたり…ずっと一緒にいたかった…でも…でも友達としてスネイクの決めたことを…応援するわ…だって……」
熱いものがこみあげてくる。
スネイクの胸に飛びこむ。
うっわぁ~ん
うっうっえ~ん
いろんな感情がごちゃ混ぜになって私を揺り動かす。
スネイクが私の背中を優しくさする。
「大丈夫です。
皆、お嬢様の側にいます。だから…ご自分を責めないであげてください。」
夜の静寂に私の泣き声だけが響いていた。
10
あなたにおすすめの小説
兄様達の愛が止まりません!
桜
恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。
そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。
屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。
やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。
無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。
叔父の家には二人の兄がいた。
そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる
奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。
だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。
「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」
どう尋ねる兄の真意は……
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる