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帝国にて~殿下視点~
記憶の歯車
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ずっとひっかかっていた記憶がある。
幼い頃、薔薇園で父と側室の睦あう姿を見たことがあった。
子供心にその行為が恥ずべきものだと感じた。
大きくなるにつれその行為の意味がわかるようになると私は父を軽蔑するようになっていった。
母が居るのに他の女を抱く父が汚く思えたのだ。
アクアミューズで過去の会議資料の内容に目を通している時、気がついてしまったのだ。
「これは……」
父がこの会議の為に他国へ行っていた日にちが私が薔薇園で父と側室の睦あう姿を見た日と同じことに気がついたのだ。
「そんな馬鹿なことが…」
記憶の歯車が回りだす。
あっ……
薔薇園にあの日行ったのは母に会いに行ったからだ。
剣の稽古中、ふと目にはいったクローバー。
侍女に母は薔薇園に居ると教えてもらい駆け足で薔薇園へ向かった。
四つ葉のクローバーを大好きな母にあげたくて…
霧がはれるように記憶がクリアーになる。
頬につうっーと滴が流れ落ちていく。
「私は初めから間違えていたんだな…」
あれは父ではなかった。
父に良く似ているが父は日中は必ず燕尾服を着用している。
でもあの日の男はシャツとベスト姿だった。
男の下ではしたない声をあげていたのは…側室なんかではなく…
母だった…
母が男の下で股を広げ…
歯車が回りだす。
カーミラ王国の王女を紹介してきたのは母だった。
あの時、母にお茶に誘われて…甘ったるい香りがして……
今ならわかる…母が全てに関与していると…
パーツが揃ってくると自ずと全体像が見えてくる。
母がルシファーを手引きしていた…
どうして母が…ルシファーなんかを…
兄が言っていた言葉を思い出す。
「初めはクリスティーナを憎んでいる誰かの仕業だと思っていたんだ…
でも今ならわかる。
これはクリスティーナだけではなく、帝国のことを憎んでいる者の仕業だと…」
兄が言葉を続ける。
「闇が城に入り込んでいる時点で帝国貴族が何らかの形で関与している事がわかるだろう…
それに、皇室を離れた今だからわかることがあるのだが…」
兄は私の耳元で囁いた。
「足場を見誤るな」と…
足場…それは皇室で私にもっとも近い場所の事を言っていたのだと今ならわかる。
ここで突如、私とドラゴニアの王女との政略結婚の話が出た時、気がつくべきだった。
噂は恐ろしいほど早く広がり愚かな私は行動を間違えたのだ。
あの時、私は皇太子としてではなく男として振る舞うべきだった。
ティナ……
私はまた君を傷つけたんだな…
すまないティナ…
急いで帝国に戻らないと…帝国が…
と、同時に信じたかった。
剣の稽古で怪我をした時、癒しの光で傷を治してくれた母…
怖い夢を見た時、抱きしめて共に眠ってくれた母…
兄が従者を引きずって部屋へと入ってくる。
「クリスティーナを悲しませるな!!
コイツがあらぬ噂をばらまいていたぞ。」
蹴り倒された従者は母が私につけた者だった。
もう疑う余地はない。
そうとわかれば私のやることは一つだ。
私はセラフィム様に言伝てを頼んだ。
兄ではなくセラフィム様に…
「今回で確信しました。母上とルシファーが主犯で間違いないかと…
父上を守るためにも、知らぬふりで過ごします。でも、必ずティナの元へ帰るとティナへ伝えて下さい。」と……
兄に言えるわけがなかった。
何故なら私の母が兄の母を陥れたかもしれないから…
セラフィム様は私の額に加護の口づけをおとす。
「これ以上、ミカエルを悲しませないでくれ」
セラフィム様の言葉が胸に重くのしかかった。
幼い頃、薔薇園で父と側室の睦あう姿を見たことがあった。
子供心にその行為が恥ずべきものだと感じた。
大きくなるにつれその行為の意味がわかるようになると私は父を軽蔑するようになっていった。
母が居るのに他の女を抱く父が汚く思えたのだ。
アクアミューズで過去の会議資料の内容に目を通している時、気がついてしまったのだ。
「これは……」
父がこの会議の為に他国へ行っていた日にちが私が薔薇園で父と側室の睦あう姿を見た日と同じことに気がついたのだ。
「そんな馬鹿なことが…」
記憶の歯車が回りだす。
あっ……
薔薇園にあの日行ったのは母に会いに行ったからだ。
剣の稽古中、ふと目にはいったクローバー。
侍女に母は薔薇園に居ると教えてもらい駆け足で薔薇園へ向かった。
四つ葉のクローバーを大好きな母にあげたくて…
霧がはれるように記憶がクリアーになる。
頬につうっーと滴が流れ落ちていく。
「私は初めから間違えていたんだな…」
あれは父ではなかった。
父に良く似ているが父は日中は必ず燕尾服を着用している。
でもあの日の男はシャツとベスト姿だった。
男の下ではしたない声をあげていたのは…側室なんかではなく…
母だった…
母が男の下で股を広げ…
歯車が回りだす。
カーミラ王国の王女を紹介してきたのは母だった。
あの時、母にお茶に誘われて…甘ったるい香りがして……
今ならわかる…母が全てに関与していると…
パーツが揃ってくると自ずと全体像が見えてくる。
母がルシファーを手引きしていた…
どうして母が…ルシファーなんかを…
兄が言っていた言葉を思い出す。
「初めはクリスティーナを憎んでいる誰かの仕業だと思っていたんだ…
でも今ならわかる。
これはクリスティーナだけではなく、帝国のことを憎んでいる者の仕業だと…」
兄が言葉を続ける。
「闇が城に入り込んでいる時点で帝国貴族が何らかの形で関与している事がわかるだろう…
それに、皇室を離れた今だからわかることがあるのだが…」
兄は私の耳元で囁いた。
「足場を見誤るな」と…
足場…それは皇室で私にもっとも近い場所の事を言っていたのだと今ならわかる。
ここで突如、私とドラゴニアの王女との政略結婚の話が出た時、気がつくべきだった。
噂は恐ろしいほど早く広がり愚かな私は行動を間違えたのだ。
あの時、私は皇太子としてではなく男として振る舞うべきだった。
ティナ……
私はまた君を傷つけたんだな…
すまないティナ…
急いで帝国に戻らないと…帝国が…
と、同時に信じたかった。
剣の稽古で怪我をした時、癒しの光で傷を治してくれた母…
怖い夢を見た時、抱きしめて共に眠ってくれた母…
兄が従者を引きずって部屋へと入ってくる。
「クリスティーナを悲しませるな!!
コイツがあらぬ噂をばらまいていたぞ。」
蹴り倒された従者は母が私につけた者だった。
もう疑う余地はない。
そうとわかれば私のやることは一つだ。
私はセラフィム様に言伝てを頼んだ。
兄ではなくセラフィム様に…
「今回で確信しました。母上とルシファーが主犯で間違いないかと…
父上を守るためにも、知らぬふりで過ごします。でも、必ずティナの元へ帰るとティナへ伝えて下さい。」と……
兄に言えるわけがなかった。
何故なら私の母が兄の母を陥れたかもしれないから…
セラフィム様は私の額に加護の口づけをおとす。
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セラフィム様の言葉が胸に重くのしかかった。
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