あだ花姫は18禁ジャンルからジャンル替えしたいみたいです。

チョコパイ

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帝国にて~殿下視点~

袋小路

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「ドラゴニアの王女との婚姻を断るなんて…皇帝になるなら側室ぐらいは帝国のために我慢しなきゃ…」

帝国に戻るとすぐにドラゴニアに断りをいれる。

父はすんなりと受け入れたが、母は違った。

「今からクリスティーナの顔色を伺っているようでは先が思いやられるわ…」

いつから母はこんな事を言うようになってしまったのだろう…

ガシャーン…

頬から血が滴り落ちる。

「人の話を聞いているの!!」

ティーカップが足元で砕け散っている。

「母上……」

母の顔が醜く歪む。

「何を見てるのよ!!」

パリーン

ソーサーが頬をかすめ、後ろの壁に当たって砕ける。

「あんなじゃじゃ馬のどこがいいのよ?
母親に似て男の扱い方が上手いのかしら?」

母の顔が女の顔になる。

心が凍りつくのがわかる。

「もうあの女と寝たの?」

母の仮面をかぶった女の瞳の奥が揺れる。

「まさか…まだ寝てないの?」

嘲笑うように女が私を見つめる。

もうそこに私が愛した母は居なかった。

居るのは……

「黙ってないで何か言いなさいよ!!
あの男と同じですぐに黙りこむ。
言えって言ってるでしょ!!」

ヒステリックな金切り声が耳をつんざく。

母が私の胸ぐらをつかむ。

あの嫌な甘ったるい匂いが私をのみこむ。

嫌だ…また…あんな思いをするのは…

ティナ…ティナ…ティナ

笑ったティナの顔も怒ったティナの顔も泣いたティナの顔もどのティナの顔も大好きだった…

マントの下に隠しておいた剣を握りしめる。

操られるくらいなら、母を殺して私も…そう決めていた。 

ティナ…ごめん。

すぅっーと匂いが消えていく。

脳裏にセラフィム様の声が響く。

バザッ
母が倒れる。

私は静かに部屋を出る。

セラフィム様が待つ場所へと急ぐ。

母は私にかけられたセラフィム様の加護に気がつかなかった。

あの日、セラフィム様は

「私の加護にラファエルが気がつかなかったら、その時は……」

それは母が闇に堕ちたことを意味する。
 
そしてそれは私と母の別れを意味する。

セラフィム様は私にはっきりと告げた。

『闇落ちした天人は死を免れない』と…

足が止まる。
  
私は母の死を望んでいるわけではないからだ。

それに…

何故、ウリエル様は母の闇に気づかなかったのだろうか?

私を帝国を闇から何度も救いながら、母の異変に本当に気がつかなかったのだろうか?

もしウリエル様も母の仲間だとしたら…

私はティナから母親を奪う事になるかも知れない。

ティナの頭の上で囀ずるウリエル様に騒ぐティナ。

野菜を食べないティナの肩に止まり
ピィチクピィチクとお説教するウリエル様に苦笑いをうかべるティナ。

駄目だ…ティナから母親を奪う事になったとしたら……

立ち尽くす私の前にあらわれたのは……
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