あだ花姫は18禁ジャンルからジャンル替えしたいみたいです。

チョコパイ

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帝国にて~殿下視点~

背中

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「父上…」

「私はそんなに頼りない父親か?」

父が私をまっすぐに見つめる。

「セラフィム殿から話は聞いている。
それでなくても最近の皇后の様子から察しはつく……」

「父上……」

唇を噛みしめ顔をあげる。

ここで泣くのは何か違う気がしたからだ。

「リオンから空き殻を借りてきた。
今後、あれには近づくな。」

父の言葉に胸が凍る。

「父上、母は操られているだけかもしれません。
それに…」

言いかけた言葉をのみこむ。
ティナの母親も関与しているかもしれないなんて…言えるわけがなかった。

「それはないから安心しなさい。」

父は私の肩を叩く。

「お前はまだ子供だ。
何も一人で背負いこむことはない。
お前もクリスティーナも私達の大事な子供達だ。
不甲斐ない父だがもっと頼ってはくれないか?」

泣きたくはないのに…
涙が頬をつたう。

「父上、母上は何故…何故あんな…風に…なってしま…ったのでしょうか…」

父は何も応えなかった。
ただ私の肩を強く抱き寄せただけだった。

皇太子宮を出て父の護衛騎士として身分を隠して働くようになった。

改めて父の偉大さがわかる。

帝国内外からくる山のような仕事を黙々とこなし、皇宮の仕事までこなしていたのだ。

母は皇后としての最低限の仕事しかしない。
その為、父は母の仕事を肩代わりするしかなかったのだ。

そんなことも私は知ろうともせずにいた。 

今の立場になってようやく父側の従者や貴族達が母を嫌う理由がやっとわかったのだ。


「父上はずっとこんな生活を…」

時計の針が真夜中を告げる。

「愛し方を間違えたんだな…」

父が淋しそうに笑う。

「リオンは夫人に侯爵夫人として自分の隣に立っても恥ずかしくないよう仕事も家の事も教えサポートしたのに対して、私はそれを怠った。

当時は愛しているからこそ、皇后に無理をさせたくなかった。

でも今ならわかる。
それが皇后の世界を狭めてしまった。
アレは自分の手中に納められるものしか手にしなくなってしまった。」

父は私の手に手紙を握らせる。

「リオンからだ。
クリスティーナの事も書かれている。

私達はここで私達にしか出来ないことをしよう。」

そういうと私の肩を叩いて部屋を後にした。

父の背中を見送りながら父の言葉の意味を考える。

愛しているからこそ、夫人に立場に担った仕事を教えサポートしたリオン公爵。

愛しているからこそ、母の嫌がることはさせなかった父。

どちらも愛すればこその行動だった。

私は…どちらを選ぶのだろうか。
それとも……
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