あだ花姫は18禁ジャンルからジャンル替えしたいみたいです。

チョコパイ

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第四章 帝国にて~殿下視点~

懺悔

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ソファーに腰かけると父から手渡された手紙を広げる。

予想はしていたが実際に母がルシファーと通じていた事に心が凍りつく。

前世で私が早々と殺されたのは、母が私を依代として利用するためだった。

そしてティナが狙われたのはウリエルの娘だから…

アッハッハハハ…
声をあげて笑うしかなかった。

母のせいでティナはずっと苦しんでいたんだ。

母のせいで…母の……

バシーン
机を拳で叩きつける。

じんじんと拳が痛む。
でもそれ以上に……

ティナの不幸も、兄の不幸も…母の身勝手なひとりよがりだったなんて…

こんな私がティナを愛していいのだろうか?

パサッ…

読みかけの手紙がすべり落ちヒラヒラと床へ舞い落ちる。

!!!

一枚の便箋に目が止まる。 

ティナ……
カクカクした右上がりのティナの文字が私に語りかける。

震える手でティナの手紙を拾い上げる。
 
“殿下

まさか真実を知って怖じ気づいてなんかいないわよね?

馬鹿な殿下の事だから、尻尾を巻いて逃げる準備をしているのかしら?

それとも自分は私には相応しくないとか勝手に思ってメソメソしているのかしら?

私が一番傷ついたのは皇后や私の母の事ではなく、あの婚約の話が出た時、私を選ばなかった事なんだからね。

難しい問題は父達に任せて私達は私達が出来ることをしましょう。

私が帝国に戻ったら、私を悲しませた罰として思いっきり一発殴るから…覚悟しておいてね。

先ずはルシファーを思いっきり殴ってボコボコにしてくるから…
殿下はちゃんと母子喧嘩しなさいね。

時には思いっきり文句を言ってやればいいのよ。
私も帰ったら思いっきり文句を言うから。

殿下、殿下が思うより私は殿下の事を想っています。

今度会う時は笑って会えますように ”


ティナの手紙を胸に抱きひとしきり声をあげて泣いた。

あきらめられるわけがない。

切なくて苦しくて…
でも優しくて温かくて…
ティナを彩る全てのものがこんなにも愛しくて…

涙をぬぐうと拾い上げた手紙を読み進めていく。

リオン公爵の娘への想いと妻への覚悟は自分自身の覚悟のなさと、考えの甘さを再認識させる。

罪は罪だ。
それが母であっても…

父もリオン公爵も答えは決まっているのだろう。

そしてティナも…

『罪は赦すべき…』

天界で聞いた言葉はとても愛に満ち心優しい言葉に思えた。

でも今ならこの言葉の重さがわかる。

ルシファーもルシファーに従うもの達も皆この言葉から始まっている気がした。

『罪は赦すべき…』

赦すとはどういう事なのだろうか…

親の代の因縁で依代として殺された私…

何度も絶望の淵に追いやられ、自らの命を散らしたティナ…

私の事は赦せるとしても…
ティナのことは…
とうてい赦せるわけはない。

自分より大切な人を何度も何度も傷つけられたのだから…

ではルシファー達も同じだったのでは…

答えのないジレンマに一人唇をかみしめた。
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