152 / 165
第四章 帝国にて~殿下視点~
侵食
しおりを挟む
「まさか…こんなにいたなんて……」
ズラリと並んだ貴族の名に思わず大きなため息がでる。
ティナ達がドラゴニアに向かったのを機に帝国の闇探しが始まった。
「ティナの手紙にも書いてありましたが薬物が帝国でも見つかっております。」
リオン公爵が地図に印をつけていく。
「夫人とは大丈夫なのか?」
父が公爵を気遣う。
「どうでしょう…ただ昔のように純粋に愛することは出来ないと思います。
娘の辿ってきた道を思うと…どうしても……」
ギリギリと拳を握るリオン公爵の姿が先日の自分と重なる。
長年、愛し連れ添ったからこそ赦せないのだろう…愛した分だけ憎しみも深くなるのかもしれない。
父は多分、母とは離縁するだけではなく母に罪を償わせるだろう。
それが皇帝として上に立つ者の責任だろう。
それくらいのことを母はしてしまったのだから。
「やはりアレの支援貴族の名前が多いな。」
公爵から渡されたリストを見ながら頭を抱える。
「こんなになるまで気づかぬとは…私の目はふし穴だったのだな…」
父の言葉に公爵がこたえる。
「薬物が広がる前で良かったと思いましょう。
ドラゴニアではセラフィム様が天界に応援を頼むほど状況が良くないと聞いています。」
「そんなにひどいのか…
クリスティーナは大丈夫なのか?大人びてはいるがまだ子供だ。
父として心配だろう…」
公爵の顔が父親の顔に変わる。
「私が変われるものなら変わってあげたいのですが…陛下もご存知でしょうが強情で負けず嫌いの跳ねっ返りですから…
セラフィム様も大変だと思います。
殿下もくれぐれも娘の取り扱いには気をつけてくださいね。
正直、今回は私ですら殿下にはがっかりしましたから…」
ギロッと公爵に睨まれ思わず冷や汗がでる。
「リオン、そう息子を虐めんでやってくれ…アレに色々言われても首を縦にはふらんかったのだから…」
父が笑う。
自分の不甲斐なさに恥ずかしくなる。
「本当に申し訳ありませんでした。」
リオン公爵に深々と頭を下げる。
「クリスティーナが帰ってきたら覚悟しといた方がいいぞ。」
「もちろんです。気が済むまで殴られるつもりです。」
・・・・・
アハハハハ
父と公爵が大声で笑いだす。
「もう少し証拠を集めて一気に押さえ込まないとな。」
父の言葉に大きくうなずいた。
ズラリと並んだ貴族の名に思わず大きなため息がでる。
ティナ達がドラゴニアに向かったのを機に帝国の闇探しが始まった。
「ティナの手紙にも書いてありましたが薬物が帝国でも見つかっております。」
リオン公爵が地図に印をつけていく。
「夫人とは大丈夫なのか?」
父が公爵を気遣う。
「どうでしょう…ただ昔のように純粋に愛することは出来ないと思います。
娘の辿ってきた道を思うと…どうしても……」
ギリギリと拳を握るリオン公爵の姿が先日の自分と重なる。
長年、愛し連れ添ったからこそ赦せないのだろう…愛した分だけ憎しみも深くなるのかもしれない。
父は多分、母とは離縁するだけではなく母に罪を償わせるだろう。
それが皇帝として上に立つ者の責任だろう。
それくらいのことを母はしてしまったのだから。
「やはりアレの支援貴族の名前が多いな。」
公爵から渡されたリストを見ながら頭を抱える。
「こんなになるまで気づかぬとは…私の目はふし穴だったのだな…」
父の言葉に公爵がこたえる。
「薬物が広がる前で良かったと思いましょう。
ドラゴニアではセラフィム様が天界に応援を頼むほど状況が良くないと聞いています。」
「そんなにひどいのか…
クリスティーナは大丈夫なのか?大人びてはいるがまだ子供だ。
父として心配だろう…」
公爵の顔が父親の顔に変わる。
「私が変われるものなら変わってあげたいのですが…陛下もご存知でしょうが強情で負けず嫌いの跳ねっ返りですから…
セラフィム様も大変だと思います。
殿下もくれぐれも娘の取り扱いには気をつけてくださいね。
正直、今回は私ですら殿下にはがっかりしましたから…」
ギロッと公爵に睨まれ思わず冷や汗がでる。
「リオン、そう息子を虐めんでやってくれ…アレに色々言われても首を縦にはふらんかったのだから…」
父が笑う。
自分の不甲斐なさに恥ずかしくなる。
「本当に申し訳ありませんでした。」
リオン公爵に深々と頭を下げる。
「クリスティーナが帰ってきたら覚悟しといた方がいいぞ。」
「もちろんです。気が済むまで殴られるつもりです。」
・・・・・
アハハハハ
父と公爵が大声で笑いだす。
「もう少し証拠を集めて一気に押さえ込まないとな。」
父の言葉に大きくうなずいた。
10
あなたにおすすめの小説
思い込みの恋
秋月朔夕
恋愛
サッカー部のエースである葉山くんに告白された。けれどこれは罰ゲームでしょう。だって彼の友達二人が植え込みでコッチをニヤニヤしながら見ているのだから。
ムーンライトノベル にも掲載中。
おかげさまでムーンライトノベル では
2020年3月14日、2020年3月15日、日間ランキング1位。
2020年3月18日、週間ランキング1位。
2020年3月19日、週間ランキング1位。
【完結】冷徹執事は、つれない侍女を溺愛し続ける。
たまこ
恋愛
公爵の専属執事ハロルドは、美しい容姿に関わらず氷のように冷徹であり、多くの女性に思いを寄せられる。しかし、公爵の娘の侍女ソフィアだけは、ハロルドに見向きもしない。
ある日、ハロルドはソフィアの真っ直ぐすぎる内面に気付き、恋に落ちる。それからハロルドは、毎日ソフィアを口説き続けるが、ソフィアは靡いてくれないまま、五年の月日が経っていた。
※『王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく。』のスピンオフ作品ですが、こちらだけでも楽しめるようになっております。
好感度0になるまで終われません。
チョコパイ
恋愛
土屋千鶴子(享年98歳)
子供や孫、ひ孫に囲まれての大往生。
愛され続けて4度目の転生。
そろそろ……愛されるのに疲れたのですが…
登場人物の好感度0にならない限り終わらない溺愛の日々。
5度目の転生先は娘が遊んでいた乙女ゲームの世界。
いつもと違う展開に今度こそ永久の眠りにつける。
そう信じ、好きなことを、好きなようにやりたい放題…
自覚なし愛され公女と執着一途皇太子のすれ違いラブロマンス。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました
兄様達の愛が止まりません!
桜
恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。
そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。
屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。
やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。
無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。
叔父の家には二人の兄がいた。
そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる