あだ花姫は18禁ジャンルからジャンル替えしたいみたいです。

チョコパイ

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縺れた糸

縺れた糸

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「ねぇ…有希子『あだ花姫』のDLC が決まったよ。」

美久が嬉しそうにスマホの画面を見せてくる。

「えっ~本編すらやってないのに…あれオープニングから、かなりエログロなのにDLC なんて…エログロ好きにしか需要ないんじゃない?」

美久がにんまりと笑いながら

「今回は禁断の愛がテーマらしいわよ…

ほら、愛の形は様々でしょ…

BLやユリ…愛には国境も性別も年齢差もないんだから…

それに有希子の好きな純愛ものもあるらしいわよ。」

「純愛って…あのゲームにそれは無理じゃない?」

「そうかなぁ…スネイク推しの私からするとスネイクはかなり純愛なんだけどな…

有希子は、恋愛とセックスを別角度から捉えているから、エログロにしか映らないんだよ。

恋愛とセックスはある意味イコールなの。

これが愛ならばセックスはイコールではないかもしれないけど…

恋愛はもっと自由なものなのよ。」

美久が熱く語りだす。

「もっと自由に…もっと柔軟にに考えてみたら…」


場面が変わる。

「あ~!!
また絡まっちゃった。」

空手の道着に当て布をしながら大きなため息をおとす。

幼い頃から自分の事は自分でするように言われてきた。

『自分の道着や道具は自分で手入れしないと駄目だぞ。

自分で手入れすることで、自分の癖がわかるからな。

こういうのは人に言われるより、自分で気がつかないと…なかなか上達しないんだ。』

父は私の道着を見ながら袖のほころびをなおすよう言った。

あの一言が袖が磨り減る理由を考えるきっかけにもなった。

お陰で攻撃を受ける時、手首のスナップだけで受けていたのを体を使って受け流すことを覚えたんだっけ…


「何を騒いでるの…」

母が道着と格闘している私の隣に座る。

「お母さん見てよ…途中まで上手くいっていたのに、ここから糸が絡まっちゃって…ちょっと変だけど練習用の道着だからこのままでいいよね?」

母の目の前に道着を広げ、ため息混じりに話す。

「自分で良くないとわかっているから、そんなこと言うのでしょ…

どんな小さな気がかりだって、時には大きな悩みや後悔につながる時があるの。

気になるならやり直しなさい。

後悔しないように…」

こんな夢を見るのは昨夜、おじ様から父と母が離縁したことを聞いたからだ。

夢の中の母が今の父だと知った時、ストンとその事を受け入れられた。

岩瀬有希子の時の母も今の父も根本が同じなのだ。

もの静かでいて揺るがない強い意志を持ち、寛大でいて繊細で…

何より義を重んじていた。

薙刀を持ち舞う母の姿は、剣を片手に戦う今の父と何も変わらない。

『義を見てせざるは勇無きなり』

*人としてなすべき正しいこと(義)と知りながら、それをしない事は勇気がない。

父は獣人属の長として揺るぎない義を持った人だ。

そして有希子の時の母だった時も

『どんな小さな気がかりだって、時には大きな悩みや後悔につながる時があるの。

気になるならやり直しなさい。

後悔しないように…』

どんな小さなほころびさえ見過ごせない人だった。

『気になるならやり直しなさい。』

母の言葉が胸に響く。

ウジウジ悩むのは私らしくない。

私は便箋を取り出すと父と母に手紙を書いた。

娘として素直な今の気持ちを…

縺れた糸をほどくか切るか、それとも見過ごすか…

切ることを選んだ二人に私の言葉は届くのだろうか?
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