27 / 201
学園編
空を見上げて~ After forever~
しおりを挟む
「何を黄昏てるんですか?」
公爵邸の樫の木の下で寝転がる元第二皇子改め、オースティン兄様。
「クリスティーナ…」
私は何も言わずに兄の隣に寝転がる。
風が樫の木の葉を揺らす。
「母は何故、魔人なんかになってしまったのだろう?」
「……
多分、お母様本人すらわからないうちに魔人になってしまったんじゃないのでしょうか?」
「そんなものなのだろうか?」
私は兄の手を掴んで立たせると
「地面に映る自分の影だけを見つめててくださいね。
1.2.3.……10
空を見上げてください。」
「!!!
これは?」
「空に自分の影が映って見えるでしょう?
影送りていうのだけれど
これと同じじゃないのかしら、妬みや嫉妬や嫌な感情ばかり見ていたら、こんなに綺麗な空でも醜く見えてしまう。」
私は兄の手を握る。
「もしそんな気持ちになったら、こうやって一緒に空を見上げましょう。
空が高いなぁ~
空は青いなぁ~って」
「妹よ。」
「何ですかお兄様。」
「クリスティーナ」
「だから何ですか?」
「私を救ってくれて有り難う。」
「お兄様…
こちらこそ私のお兄様になって下さって有り難う。」
二人の兄の事を思い出す。
自他共に認める超シスコン兄達……
私が家族と血が繋がっていない事を知ったのは、高校二年生の時だ。
修学旅行で海外に行くことになって、戸籍謄本が必要になった。
目の錯覚だと思った。
だって、周りから父親似と言われている私なのに…
「養女」そう書いてあるのだ。
夕食の時、戸籍謄本を見せて大泣きする私に、家族は笑いながら
「なんだ、そんなくだらない事か、有希子が生まれてくる腹を間違えたのが悪い。」
そう言って大笑いする父。
「ほら、三ヶ月で見つけたのよ。他人でいたのはたったの三ヶ月。
後はずっと家族でしょ。」
母が私を抱きしめる。
「くだらんことで泣くな。
お前が妹でなかったら、何なんだ。騒ぎだてて、罰として食器洗いな!!」
兄達が飄々と話すから、本当に「くだらない」事に思えてしまったのだ。
「私、本当にお兄様が欲しかったんです。」
兄達を思い出す。
口煩い、お節介な兄達を。
「クリスティーナ、
何故泣いている?」
訳もわからずただ涙があふれる。
あまり考えないようにしていた。
考えても仕方ないから…
でも、実感する。
あの場所には戻れないと。
大好きな両親にも、兄達にも、もう会えないんだと
「空が高すぎて…
自分がちっぽけに思えちゃいました。」
兄も空を見上げる。
「本当だな。ちっぽけだ。」
兄の瞳からも涙が溢れていた。
公爵邸の樫の木の下で寝転がる元第二皇子改め、オースティン兄様。
「クリスティーナ…」
私は何も言わずに兄の隣に寝転がる。
風が樫の木の葉を揺らす。
「母は何故、魔人なんかになってしまったのだろう?」
「……
多分、お母様本人すらわからないうちに魔人になってしまったんじゃないのでしょうか?」
「そんなものなのだろうか?」
私は兄の手を掴んで立たせると
「地面に映る自分の影だけを見つめててくださいね。
1.2.3.……10
空を見上げてください。」
「!!!
これは?」
「空に自分の影が映って見えるでしょう?
影送りていうのだけれど
これと同じじゃないのかしら、妬みや嫉妬や嫌な感情ばかり見ていたら、こんなに綺麗な空でも醜く見えてしまう。」
私は兄の手を握る。
「もしそんな気持ちになったら、こうやって一緒に空を見上げましょう。
空が高いなぁ~
空は青いなぁ~って」
「妹よ。」
「何ですかお兄様。」
「クリスティーナ」
「だから何ですか?」
「私を救ってくれて有り難う。」
「お兄様…
こちらこそ私のお兄様になって下さって有り難う。」
二人の兄の事を思い出す。
自他共に認める超シスコン兄達……
私が家族と血が繋がっていない事を知ったのは、高校二年生の時だ。
修学旅行で海外に行くことになって、戸籍謄本が必要になった。
目の錯覚だと思った。
だって、周りから父親似と言われている私なのに…
「養女」そう書いてあるのだ。
夕食の時、戸籍謄本を見せて大泣きする私に、家族は笑いながら
「なんだ、そんなくだらない事か、有希子が生まれてくる腹を間違えたのが悪い。」
そう言って大笑いする父。
「ほら、三ヶ月で見つけたのよ。他人でいたのはたったの三ヶ月。
後はずっと家族でしょ。」
母が私を抱きしめる。
「くだらんことで泣くな。
お前が妹でなかったら、何なんだ。騒ぎだてて、罰として食器洗いな!!」
兄達が飄々と話すから、本当に「くだらない」事に思えてしまったのだ。
「私、本当にお兄様が欲しかったんです。」
兄達を思い出す。
口煩い、お節介な兄達を。
「クリスティーナ、
何故泣いている?」
訳もわからずただ涙があふれる。
あまり考えないようにしていた。
考えても仕方ないから…
でも、実感する。
あの場所には戻れないと。
大好きな両親にも、兄達にも、もう会えないんだと
「空が高すぎて…
自分がちっぽけに思えちゃいました。」
兄も空を見上げる。
「本当だな。ちっぽけだ。」
兄の瞳からも涙が溢れていた。
10
あなたにおすすめの小説
兄様達の愛が止まりません!
桜
恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。
そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。
屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。
やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。
無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。
叔父の家には二人の兄がいた。
そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる
奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。
だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。
「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」
どう尋ねる兄の真意は……
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる