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学園編
餌づけたのは誰?
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「ねっ、言った通りでしょう。」
クリスティーナはにっこりと笑う。
食堂の一角、男女問わずランチを持った列がクリスティーナの前に出来る。
兄上は腹を抱えて笑っているし、クリスティーナは美味しそうに一口ずつ食べていく。
「とても美味しいわ。」
「本当にありがとう。」
一人一人にお礼をしては、キャンディーを渡していく。
「ティナは学園中の皆から餌付けされてるみたいだ。」
私の言葉に兄上は、
「学園だけではないぞ、公爵家でも、マルシェでも餌付けされているみたいだぞ。」
「……」
「お前も大変だな。
妹はどこでも人気者だから…」
兄上がティナの事を妹と言っているのを初めて聞いた。
「チャールズ、陛下に私を皇太子にして、自分が公爵家に婿に入ると駄々をこねたと聞いたんだが……」
「あっ兄上…」
ティナは公爵家を継ぎたいと言っているし、後二年で契約が終わってしまう。
「私は元々、皇帝には興味がありませんでした。
それにティナは公爵家が大好きでし…」
兄は目尻を下げて私の髪をクシャクシャと撫で回す。
「可愛いもんだな。
兄妹とは…」
列の最後の子にお礼とキャンディーを渡すと、ティナは鼻の穴をふくらませて
自慢気に笑う。
「ほら、もらい歩いてはいないでしょ!!
あっ、お兄様のローストビーフ美味しそう。
私のグリルチキンと交換しましょう。」
兄上は慣れた手つきで
ティナの口にローストビーフを運ぶ。
ティナも慣れたもので、モグモグしながら、チキンを兄の口に運ぶ。
「あっ兄上?、ティナ?」
ティナが
「食べたかったの?
仕方ないわけてあげよう」
そう言って私の口にチキンを入れる。
すると兄上も
「お前も妹に負けず劣らずの食いしん坊だな。」
そう言ってローストビーフを私の口にいれる。
三人で、声をあげ笑いあいながら食事をする。
その様子をデミアンは見つめている。
(ティー良かったね。
ちゃんとティーの側にいてくれる人を見つけることができて。)
「デミアン、テラス席が空いたわ。」
私は最近、婚約したエリーゼと手をくみテラスへと
むかう。
私の小さなお姫様は、私が領地にいる間に本当のお姫様になってしまった。
もう二度と呼ぶことのない
二人だけの愛称を何度も心の中で呼んでみる。
「デミ、久しぶり。」
振り向くとティーが微笑む。午後の眩しい日差しの中で
「クリスティーナ、久しぶりだね。」
「あれれ?クリスティーナて誰かしら?デミ…」
「ティー、紹介するね。
私の婚約者のエリーゼだ。」
「エリーゼ、私の一番の親友のクリスティーナだ。」
「エリーゼ様、初めまして私はデミの親友のクリスティーナです。」
「クリスティーナ様、こちらこそよろしくお願いします。」
「ティナ、ここにいたの?
急に席を立つから、どうしたか心配したよ。」
「殿下、こちらは
私の幼い頃からの親友のデミアン公子と、その婚約者のエリーゼです。」
「デミ、エリーゼ様
こちらは私の婚約者のチャールズ殿下です。
それと、あちらの席のイケメン君は私のお兄様のオースティンです。」
「あっ……」
ティーが私を見つめる。
「はいはい。わかったよ。」
私はテーブルの上のイチゴタルトのイチゴをティーの口に運ぶ。
ティーは何の迷いもなく
ぱくりと食いつく。
「ティナを餌付けたのは、デミアン公子だったのか」
皇太子殿下が苦笑いを浮かべる。
その隙にティーはエリーゼのチョコバナナタルトを一口もらっている。
私と皇太子殿下は
二人してお腹を抱えて笑いあった。
「あだ花姫のデミアンルート」が
静かに幕をおろした。
クリスティーナはにっこりと笑う。
食堂の一角、男女問わずランチを持った列がクリスティーナの前に出来る。
兄上は腹を抱えて笑っているし、クリスティーナは美味しそうに一口ずつ食べていく。
「とても美味しいわ。」
「本当にありがとう。」
一人一人にお礼をしては、キャンディーを渡していく。
「ティナは学園中の皆から餌付けされてるみたいだ。」
私の言葉に兄上は、
「学園だけではないぞ、公爵家でも、マルシェでも餌付けされているみたいだぞ。」
「……」
「お前も大変だな。
妹はどこでも人気者だから…」
兄上がティナの事を妹と言っているのを初めて聞いた。
「チャールズ、陛下に私を皇太子にして、自分が公爵家に婿に入ると駄々をこねたと聞いたんだが……」
「あっ兄上…」
ティナは公爵家を継ぎたいと言っているし、後二年で契約が終わってしまう。
「私は元々、皇帝には興味がありませんでした。
それにティナは公爵家が大好きでし…」
兄は目尻を下げて私の髪をクシャクシャと撫で回す。
「可愛いもんだな。
兄妹とは…」
列の最後の子にお礼とキャンディーを渡すと、ティナは鼻の穴をふくらませて
自慢気に笑う。
「ほら、もらい歩いてはいないでしょ!!
あっ、お兄様のローストビーフ美味しそう。
私のグリルチキンと交換しましょう。」
兄上は慣れた手つきで
ティナの口にローストビーフを運ぶ。
ティナも慣れたもので、モグモグしながら、チキンを兄の口に運ぶ。
「あっ兄上?、ティナ?」
ティナが
「食べたかったの?
仕方ないわけてあげよう」
そう言って私の口にチキンを入れる。
すると兄上も
「お前も妹に負けず劣らずの食いしん坊だな。」
そう言ってローストビーフを私の口にいれる。
三人で、声をあげ笑いあいながら食事をする。
その様子をデミアンは見つめている。
(ティー良かったね。
ちゃんとティーの側にいてくれる人を見つけることができて。)
「デミアン、テラス席が空いたわ。」
私は最近、婚約したエリーゼと手をくみテラスへと
むかう。
私の小さなお姫様は、私が領地にいる間に本当のお姫様になってしまった。
もう二度と呼ぶことのない
二人だけの愛称を何度も心の中で呼んでみる。
「デミ、久しぶり。」
振り向くとティーが微笑む。午後の眩しい日差しの中で
「クリスティーナ、久しぶりだね。」
「あれれ?クリスティーナて誰かしら?デミ…」
「ティー、紹介するね。
私の婚約者のエリーゼだ。」
「エリーゼ、私の一番の親友のクリスティーナだ。」
「エリーゼ様、初めまして私はデミの親友のクリスティーナです。」
「クリスティーナ様、こちらこそよろしくお願いします。」
「ティナ、ここにいたの?
急に席を立つから、どうしたか心配したよ。」
「殿下、こちらは
私の幼い頃からの親友のデミアン公子と、その婚約者のエリーゼです。」
「デミ、エリーゼ様
こちらは私の婚約者のチャールズ殿下です。
それと、あちらの席のイケメン君は私のお兄様のオースティンです。」
「あっ……」
ティーが私を見つめる。
「はいはい。わかったよ。」
私はテーブルの上のイチゴタルトのイチゴをティーの口に運ぶ。
ティーは何の迷いもなく
ぱくりと食いつく。
「ティナを餌付けたのは、デミアン公子だったのか」
皇太子殿下が苦笑いを浮かべる。
その隙にティーはエリーゼのチョコバナナタルトを一口もらっている。
私と皇太子殿下は
二人してお腹を抱えて笑いあった。
「あだ花姫のデミアンルート」が
静かに幕をおろした。
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