35 / 201
新たなる脅威
その名は……
しおりを挟む
「見ない方がいい…」
兄が私の肩を抱く。
「嘘よ。パンジーが魔人だったなんて…」
兄の手をふりほどいて、棺に入れられたパンジーを見た時、深い絶望が襲う。
「あっ……」
左半身が真っ黒に焼け焦げているパンジーが永遠の眠りについている。
「何故、相談してくれなかったの?
自分を見失うほど憎しみに身を委ねるなんて…」
父から渡されたパンジーの日記からはパンジーが魔人へと変化していく様子を垣間見ることができた。
嫉妬が憎しみが絶望が、パンジーを支配していく、言葉がどんどん乱暴に汚くなり、文字が醜く変化していく。
ここにきてやっと魔人の正体が何なのかわかった。
魔人は人の悪意だ。
父が話してくれた昔話の言葉の意味がようやく理解できた。
「魔人は悪が芽生えし人の闇の中へ」
要は初めから魔人等いなかったのだ。
魔人、それは悪意や憎悪に巣食う悪魔の総称だったのだ。
母の名がウリエルと聞いた時に感じた違和感に気がつけばよかった。
ウリエルは四大天使の一人。「神の光」を名に持つ地獄の番人だ。
あぁ…だから「あだ花姫」の第二皇子ルートに首を並べた悪魔の儀式チックなシーンがあったんだ。
パンジーの顔に触れる。
私が神子ならば、神は何を望んでここへ私を送ったんだろう。
「ごめんね……守ってあげられなくて。
ごめんっ……」
ボロボロと涙がこぼれる。
せめて自分の周りの人達ぐらい、守れる力があれば。
「ティナ、大丈夫?」
私は首を横にブンブンふる。
皇太子殿下が棺の中のパンジーを見つめ何かつぶやいている。
「本当に魔人だったの?
眠ってるみたいに綺麗な顔だよ。」
!!!
棺の中のパンジーに目をやる。
先ほどまで黒く焦げた痕がなくなって、仄かだが血色が戻ったような気がする。
考えてみれば、皇太子殿下は「あだ花姫」ではすぐに殺されてしまう。
つまり皇太子殿下には早く退場してもらわなければいけない理由があったのかしら?
「殿下、さっきパンジーに何を呟いていたの?」
「あぁ、
『Even if I'm reborn,
I want to see you』
生まれ変わってもまた会おうね。と言う意味らしいよ。母に教えてもらったんだ。」
「そうなんだ……」
私は従者に医師を連れてくるようにお願いする。
「殿下のお母様のお名前て…」
「あぁ、話してなかったね。母は外国から嫁いできたから外国名と帝国名があるんだ。
外国名は『ラファエル』」
兄が私の肩を抱く。
「嘘よ。パンジーが魔人だったなんて…」
兄の手をふりほどいて、棺に入れられたパンジーを見た時、深い絶望が襲う。
「あっ……」
左半身が真っ黒に焼け焦げているパンジーが永遠の眠りについている。
「何故、相談してくれなかったの?
自分を見失うほど憎しみに身を委ねるなんて…」
父から渡されたパンジーの日記からはパンジーが魔人へと変化していく様子を垣間見ることができた。
嫉妬が憎しみが絶望が、パンジーを支配していく、言葉がどんどん乱暴に汚くなり、文字が醜く変化していく。
ここにきてやっと魔人の正体が何なのかわかった。
魔人は人の悪意だ。
父が話してくれた昔話の言葉の意味がようやく理解できた。
「魔人は悪が芽生えし人の闇の中へ」
要は初めから魔人等いなかったのだ。
魔人、それは悪意や憎悪に巣食う悪魔の総称だったのだ。
母の名がウリエルと聞いた時に感じた違和感に気がつけばよかった。
ウリエルは四大天使の一人。「神の光」を名に持つ地獄の番人だ。
あぁ…だから「あだ花姫」の第二皇子ルートに首を並べた悪魔の儀式チックなシーンがあったんだ。
パンジーの顔に触れる。
私が神子ならば、神は何を望んでここへ私を送ったんだろう。
「ごめんね……守ってあげられなくて。
ごめんっ……」
ボロボロと涙がこぼれる。
せめて自分の周りの人達ぐらい、守れる力があれば。
「ティナ、大丈夫?」
私は首を横にブンブンふる。
皇太子殿下が棺の中のパンジーを見つめ何かつぶやいている。
「本当に魔人だったの?
眠ってるみたいに綺麗な顔だよ。」
!!!
棺の中のパンジーに目をやる。
先ほどまで黒く焦げた痕がなくなって、仄かだが血色が戻ったような気がする。
考えてみれば、皇太子殿下は「あだ花姫」ではすぐに殺されてしまう。
つまり皇太子殿下には早く退場してもらわなければいけない理由があったのかしら?
「殿下、さっきパンジーに何を呟いていたの?」
「あぁ、
『Even if I'm reborn,
I want to see you』
生まれ変わってもまた会おうね。と言う意味らしいよ。母に教えてもらったんだ。」
「そうなんだ……」
私は従者に医師を連れてくるようにお願いする。
「殿下のお母様のお名前て…」
「あぁ、話してなかったね。母は外国から嫁いできたから外国名と帝国名があるんだ。
外国名は『ラファエル』」
10
あなたにおすすめの小説
兄様達の愛が止まりません!
桜
恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。
そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。
屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。
やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。
無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。
叔父の家には二人の兄がいた。
そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる
奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。
だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。
「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」
どう尋ねる兄の真意は……
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる