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暗闇の向こう側
闇が濃ければ照らせばいい
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「初めまして、生徒会長のクリスティーナ·アデル·リオンです。今日は私が学園の中を案内しますね。」
前世の癖で右手を差し出す。
武芸を志すもの礼儀作法は口うるさく育てられてきたせいだ。
挨拶と言ったら握手。
この条件反射がいつまでたっても治らない。
「私はダンテ・ロマノフだ。
リオン公女、こちらこそよろしくお願いする。」
私の差し出した手をとると手の甲にチュッとキスをおとした。
手をとられた時、少しだけ気持ち悪い気配を感じる。でもそれは邪悪なものではない。
ただなんとも言えない気味悪さを感じたのだ。
学園を案内しながら様子を伺う。
中庭を歩いている時、
ロマノフ公子が足を止める。
「どうかしましたか?」
ロマノフ公子は空を仰ぐ
「ここの空はとても美しいですね。ロマノフの空はいつもどんよりと曇っているんです。」
私もつられて空を見上げる。
「知ってますか?
どんなに空が曇って見えていても、その雲の向こう側は青い空が広がっているんですよ。」
私の言葉に
「曇り空の向こう側なんて考えたことがありませんでした。」
空を見上げたまま
ロマノフ公子が応える。
私はロマノフ公子を見つめたずねる。
「私に何かお手伝いできますか?」と、
数ヶ月前の義兄と同じ顔をしているロマノフ公子を見て見ぬふり等できなかったのだ。
「もし、リオン公女の世界が暗闇に包まれてしまったらどうしますか?」
この場合の暗闇は何を意図しているのだろうか?
物理的な暗闇なのか
それとも……
どちらにしろ答えは一つだ。
「そうですね。暗闇に負けないくらいの光を探しますね。どんな闇もしょせん闇でしかありません。
暗ければ灯りをともせばいいのです。」
私は自分の右手に万年筆を持って太陽の光を反射させながら聖なる光で
ロマノフ公子を照らしてみる。
「光はこうやって自由に形を変えることが出来ます。まずは暗闇を照らしてくれるものを探せばいいのです。」
これはおじ様案件だわ。
ダンテ公子には、形容しがたい気味の悪い闇が広がっている。
私はもう一度、ダンテ公子の瞳を見つめ右手を差しのべる。
「暗闇の世界から抜け出すために、私に何かお手伝いさせてもらえませんか?」と、
私を見つめた後
おずおずと
右手の指をつかむ
ロマノフ公子の手は震えている。
指先から伝わる気味の悪い闇に身の毛がよだつ。
この感覚に一人で堪え忍んでいるのかと思うと、
私はロマノフ公子を強く抱きしめる。
「よく一人で頑張りましたね。大丈夫ここには私達がいますよ。」
咽び泣くロマノフ公子の背中をさすりながら、少しでも楽になれるよう祈ることしか今の私には出来なかった。
前世の癖で右手を差し出す。
武芸を志すもの礼儀作法は口うるさく育てられてきたせいだ。
挨拶と言ったら握手。
この条件反射がいつまでたっても治らない。
「私はダンテ・ロマノフだ。
リオン公女、こちらこそよろしくお願いする。」
私の差し出した手をとると手の甲にチュッとキスをおとした。
手をとられた時、少しだけ気持ち悪い気配を感じる。でもそれは邪悪なものではない。
ただなんとも言えない気味悪さを感じたのだ。
学園を案内しながら様子を伺う。
中庭を歩いている時、
ロマノフ公子が足を止める。
「どうかしましたか?」
ロマノフ公子は空を仰ぐ
「ここの空はとても美しいですね。ロマノフの空はいつもどんよりと曇っているんです。」
私もつられて空を見上げる。
「知ってますか?
どんなに空が曇って見えていても、その雲の向こう側は青い空が広がっているんですよ。」
私の言葉に
「曇り空の向こう側なんて考えたことがありませんでした。」
空を見上げたまま
ロマノフ公子が応える。
私はロマノフ公子を見つめたずねる。
「私に何かお手伝いできますか?」と、
数ヶ月前の義兄と同じ顔をしているロマノフ公子を見て見ぬふり等できなかったのだ。
「もし、リオン公女の世界が暗闇に包まれてしまったらどうしますか?」
この場合の暗闇は何を意図しているのだろうか?
物理的な暗闇なのか
それとも……
どちらにしろ答えは一つだ。
「そうですね。暗闇に負けないくらいの光を探しますね。どんな闇もしょせん闇でしかありません。
暗ければ灯りをともせばいいのです。」
私は自分の右手に万年筆を持って太陽の光を反射させながら聖なる光で
ロマノフ公子を照らしてみる。
「光はこうやって自由に形を変えることが出来ます。まずは暗闇を照らしてくれるものを探せばいいのです。」
これはおじ様案件だわ。
ダンテ公子には、形容しがたい気味の悪い闇が広がっている。
私はもう一度、ダンテ公子の瞳を見つめ右手を差しのべる。
「暗闇の世界から抜け出すために、私に何かお手伝いさせてもらえませんか?」と、
私を見つめた後
おずおずと
右手の指をつかむ
ロマノフ公子の手は震えている。
指先から伝わる気味の悪い闇に身の毛がよだつ。
この感覚に一人で堪え忍んでいるのかと思うと、
私はロマノフ公子を強く抱きしめる。
「よく一人で頑張りましたね。大丈夫ここには私達がいますよ。」
咽び泣くロマノフ公子の背中をさすりながら、少しでも楽になれるよう祈ることしか今の私には出来なかった。
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