あだ花姫は18禁ジャンルからジャンル替えしたいみたいです。

チョコパイ

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暗闇の向こう側

暗闇の向こう側

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ポッポポポポゥ

「殿下、いつまで鳩でいるのですか?」

私の肩にのりスリスリと頬ずりしてくる。
これは殿下なりの慰めかたなんだろうけど…

「はぁ……」

大きなため息がでる。

エリーゼが泣き叫びながら顔を歪ませる。

「どうせデミアンとやってんだろう?
皇太子や義理の兄ともやってるくせに。
メス犬が、男ならなんだっていいんだろ!!」

裁きの剣で切った結果がこれなのか、はたまた切れていないのか、正直わからなかった。

「おい、聞いてんだろ!!
誰のが一番いいんだよ。
かまととぶってないで、教えろよ。」

鳩殿下が変化を解いて私の耳をふさぐ。

どんなに殿下が耳を塞いでいてくれていても、
エリーゼの声が響きわたる。

「あの卑怯者刺された時、私の顔を見て好きになれなくてごめんなさい。って…最後まで馬鹿にしやがったんだ!!」

はらわたが煮えくり返る。
私は殿下の手を耳から外すと、エリーゼの頬を思いっきり張り倒した。

「はっ、笑わせないで!!
殺したいぐらい愛した男なんでしょ?
それだけ好きになったのに、デミのこと何もわかっていないじゃない。
デミは刺された時でさえ貴方のことを気にかけるくらい、貴方のことを大切に思っていたのに。
貴方はそれさえ理解出来ていなかったのね。」

エリーゼは叩かれた頬を手で押さえながら、ワナワナと震える。

「デミは助かったわ。
良かったわね。
貴方さえ反省して罪さえ償えば、いつの日にかまたデミに会えるかも知れないもの。
殺したいぐらい愛しているデミに…」

エリーゼの泣き叫ぶ声が響く。

後悔の涙なのか、自己憐憫故の涙なのか私にはわからない。
ただ願うだけだ。
エリーゼが自分自身を取り戻してくれることを。

私は守衛に後をお願いすると殿下の手を握ってその場を後にした。

「ティナ…」

殿下は立ち止まると私の腕をひく。

「おいで…」

殿下の腕の中、堪えていた涙がこみあげる。

「私のせいだ。
パンジーもエリーゼも
私のせいで…」

殿下は私をただ抱きしめる。
慰めの言葉も甘い囁きもない。
不器用でシャイな殿下なりの優しさが今は心地よかった。


帰宅すると、すぐにおじ様の所にむかう。
私が裁きの剣を扱えたのかどうかを聞くために。

おじ様は最後まで私の話を聞いて

「これがミカエルの選んだ裁きの結果だよ。
心の闇も個性だとした
ミカエルの下した結果だよ。」

はぁっ…
エリーゼのあの暴言も、エリーゼ自身の言葉だと考えると、闇と個性の違いがわからなくなる。

おじ様が笑う。

「人は自分の感情に名前をつけたがるものだ。
愛、悲しみ、怒り、喜び、嫉妬…
どれも自分自身が生み出すものだ。
それが闇に繋がっていたとしても、元をたどれば自分の産み出したものだ。
それを裁くのは無理だろう。
ミカエルはそれを個性だとしたのだから。」
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