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第2章 異世界と交易しよう
第50話 カラオケに行こう
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僕は駅の駐輪場に自転車を置いて、吉田くんたちと一緒に電車に乗った。この駅周辺にはカラオケスナックはあっても、高校生が入れるようなカラオケ屋は無い。大和八木駅まで移動して、駅前のカラオケ屋に入る。ドリンクバー付きの3時間コースだ。
7人でちょっと手狭感のある部屋に入ると、手慣れた様子で永井さんと今村さんがタブレット型の端末を操作する。僕はどこに座っていいのか分からずにちょっと立ち尽くした。
「あはは、柊っち、なにやってんの。ここ座りなよ」
僕の様子に気が付いた今村さんが自分の席の隣をポンポンと叩いた。え、女子の隣なんて座っちゃっていいのかな? でも躊躇したら今村さんに悪いし、ええい。
「じゃ、お邪魔します」
「お邪魔しますだって。職員室に入るときかよ」
今村さんがケラケラと笑う。
「えー、じゃああたしたち先生?」
「沙喜が教師ってガラかよ。ウケる」
そんな間にも曲の受け付けは終わって、僕でも聞いたことのある有名曲のイントロが流れ出す。永井さんが素早くマイクを手に取って歌い出す。上手い。歌い慣れているのだろう。
永井さんが歌っている間にもタブレットは皆の間を一回りして僕のところにやってきた。タブレットの端末はスマホと同じような操作で大丈夫のようだ。画面をタッチしたら反応する。うーん、歌うのか。で、誰でも知ってる曲となると……。
僕はちょっと前の流行曲を入力する。最新曲は正直、ちょっと抑えていない。サビくらいは分かるが、それ以外のところを歌える自信が無い。いや、この曲にしたってカラオケで歌ったことは無いんだけど。
永井さんの曲が終わって、今村さんが歌い出す。彼女も上手い。このままでは僕はさらし者になるのではないだろうかと思っていたが、森本くんの順番になって、有名曲を勢いだけで音を外しながら歌う彼を見て少し安心する。
「柊クンさあ、変わったよね」
森本くんが歌っているのに今村さんが話しかけてくる。別に歌っている間に話をするのはルール違反では無いようだ。まあ、そうでもなきゃ3時間歌ってるか、聞いているだけになるもんな。
しかし声を届けるためだろうが、今村さんは僕に身を寄せていていて、その距離感に僕の心臓が跳ねる。メルほどではないが、今村さんも十分可愛い女の子だ。明るくした髪色と、ウェーブした髪に着崩した制服の着こなしでギャルっぽい見た目だから僕には苦手意識があるけれど。
「そうかな?」
「前はめっちゃオドオドしてたのに、今はオドくらいになってんじゃん」
「オドはしてるんだ」
まあ、人間そう簡単に変わったりはしない。僕には簡単ではない出来事があったけれど、根っから変わるというわけではないだろう。
「してるしてる。でも檜山たちから絡まれたとき、堂々と受け答えしてたじゃん。それどころか煽るようなことまで言ってさ、すごく印象に残ってるんだよね」
「聞こえてたんだ。まあ、あそこで殴ってくれたら話は早いのにな、とは思ったよ」
「そこが不思議なんだよね。柊クン、別に強くなったワケじゃないじゃん。ダンジョンでミミックに食べられて、クソーッてなったのは分かるよ。でも勝てるワケじゃないじゃん」
「勝てる勝てないじゃなくて、こいつに手出しすると痛い目を見るって思わせたかっただけだしね。そしたらもう絡んでこないだろうし」
「実際、絡まれなくなったもんね。時々、凄い顔で柊クンのこと睨んでるけど」
「結構クラスの様子を見てるんだね」
カーストトップの彼女たちは雲の上の存在で、下界のことになど興味がないのかと思っていた。
「そりゃね。クラスがどうなってるかって把握しとかなきゃ怖いし」
「怖い?」
「あたしの今の注目株は柊クンだよ。ううん。あたしだけじゃないかな。クラス中が柊クンに注目してる」
「僕に? どうして?」
「檜山グループはクラスをまとめていたわけじゃないけど、発言力があった。多分クラスの中では一番レベルも高いしね。その檜山グループがぼっちの柊クンと揉めて、一方的に叩きのめしたならいいけど、痛み分けみたいな感じになったワケじゃん。とーぜん、檜山グループの発言力は下がって、柊クンは注目されるワケ。つまり柊クンがグループを作れば檜山グループの上に行くかも知れないって」
「そんなこと考えたこともなかったよ」
「檜山グループの下にいたグループでは柊クンを入れたいって考えてるし、その下剋上を怖がってる上のグループだってそう。うちのクラスは絶賛柊ブーム中なんだよ」
「じゃあ、今日のこれは僕をグループに入れたいってことなの?」
「うーん、期待させちゃってたら悪いんだけど、うちらはそうでもないかな。でも柊クンがどんな人かは興味があったんだよ。今日のはそういうお誘い」
「なるほど」
7人でちょっと手狭感のある部屋に入ると、手慣れた様子で永井さんと今村さんがタブレット型の端末を操作する。僕はどこに座っていいのか分からずにちょっと立ち尽くした。
「あはは、柊っち、なにやってんの。ここ座りなよ」
僕の様子に気が付いた今村さんが自分の席の隣をポンポンと叩いた。え、女子の隣なんて座っちゃっていいのかな? でも躊躇したら今村さんに悪いし、ええい。
「じゃ、お邪魔します」
「お邪魔しますだって。職員室に入るときかよ」
今村さんがケラケラと笑う。
「えー、じゃああたしたち先生?」
「沙喜が教師ってガラかよ。ウケる」
そんな間にも曲の受け付けは終わって、僕でも聞いたことのある有名曲のイントロが流れ出す。永井さんが素早くマイクを手に取って歌い出す。上手い。歌い慣れているのだろう。
永井さんが歌っている間にもタブレットは皆の間を一回りして僕のところにやってきた。タブレットの端末はスマホと同じような操作で大丈夫のようだ。画面をタッチしたら反応する。うーん、歌うのか。で、誰でも知ってる曲となると……。
僕はちょっと前の流行曲を入力する。最新曲は正直、ちょっと抑えていない。サビくらいは分かるが、それ以外のところを歌える自信が無い。いや、この曲にしたってカラオケで歌ったことは無いんだけど。
永井さんの曲が終わって、今村さんが歌い出す。彼女も上手い。このままでは僕はさらし者になるのではないだろうかと思っていたが、森本くんの順番になって、有名曲を勢いだけで音を外しながら歌う彼を見て少し安心する。
「柊クンさあ、変わったよね」
森本くんが歌っているのに今村さんが話しかけてくる。別に歌っている間に話をするのはルール違反では無いようだ。まあ、そうでもなきゃ3時間歌ってるか、聞いているだけになるもんな。
しかし声を届けるためだろうが、今村さんは僕に身を寄せていていて、その距離感に僕の心臓が跳ねる。メルほどではないが、今村さんも十分可愛い女の子だ。明るくした髪色と、ウェーブした髪に着崩した制服の着こなしでギャルっぽい見た目だから僕には苦手意識があるけれど。
「そうかな?」
「前はめっちゃオドオドしてたのに、今はオドくらいになってんじゃん」
「オドはしてるんだ」
まあ、人間そう簡単に変わったりはしない。僕には簡単ではない出来事があったけれど、根っから変わるというわけではないだろう。
「してるしてる。でも檜山たちから絡まれたとき、堂々と受け答えしてたじゃん。それどころか煽るようなことまで言ってさ、すごく印象に残ってるんだよね」
「聞こえてたんだ。まあ、あそこで殴ってくれたら話は早いのにな、とは思ったよ」
「そこが不思議なんだよね。柊クン、別に強くなったワケじゃないじゃん。ダンジョンでミミックに食べられて、クソーッてなったのは分かるよ。でも勝てるワケじゃないじゃん」
「勝てる勝てないじゃなくて、こいつに手出しすると痛い目を見るって思わせたかっただけだしね。そしたらもう絡んでこないだろうし」
「実際、絡まれなくなったもんね。時々、凄い顔で柊クンのこと睨んでるけど」
「結構クラスの様子を見てるんだね」
カーストトップの彼女たちは雲の上の存在で、下界のことになど興味がないのかと思っていた。
「そりゃね。クラスがどうなってるかって把握しとかなきゃ怖いし」
「怖い?」
「あたしの今の注目株は柊クンだよ。ううん。あたしだけじゃないかな。クラス中が柊クンに注目してる」
「僕に? どうして?」
「檜山グループはクラスをまとめていたわけじゃないけど、発言力があった。多分クラスの中では一番レベルも高いしね。その檜山グループがぼっちの柊クンと揉めて、一方的に叩きのめしたならいいけど、痛み分けみたいな感じになったワケじゃん。とーぜん、檜山グループの発言力は下がって、柊クンは注目されるワケ。つまり柊クンがグループを作れば檜山グループの上に行くかも知れないって」
「そんなこと考えたこともなかったよ」
「檜山グループの下にいたグループでは柊クンを入れたいって考えてるし、その下剋上を怖がってる上のグループだってそう。うちのクラスは絶賛柊ブーム中なんだよ」
「じゃあ、今日のこれは僕をグループに入れたいってことなの?」
「うーん、期待させちゃってたら悪いんだけど、うちらはそうでもないかな。でも柊クンがどんな人かは興味があったんだよ。今日のはそういうお誘い」
「なるほど」
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