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1章

43 オオエド探索③米と醤油との3年ぶりの再会

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食事処を求めて歩いていると

「何?このにおい!初めて嗅ぐわね」

「このにおい嗅いでるとお腹がすくね、翔お兄ちゃん!」

「ああ、この懐かしいにおいは間違いない」

「醤油と」

「味噌ね」

ヴィジョン組には初めて匂う香りで、転移組にとっては懐かしい香りが正面のお店から漂ってきた。



店名は「カンナ食堂」、のれんをくぐり中に入ると店員の女性が迎えてくれた。

「いらっしゃいませ。何名様でしょうか?」

「8名だけど大丈夫?」

「大丈夫ですよ。奥の席にどうど。」



翔達は案内されるまま奥の席に座ると

「こちら、お冷とおしぼり、お品書きとなります。注文決まりましたらお呼びください。」

店員がお冷(お水)とおしぼり、メニューを持ってきてくれた。

「ここではお水の事お冷っていうんだ。あと濡れたタオル?たしかおしぼりって言ってたけど」

「これは食事の前に手を拭いて汚れを落とすんだ」

と翔、真保、聖はおしぼりを広げてヴィジョン組にわかるように手を拭いた。ヴィジョン組も見よう見まねでおしぼりで手を拭き始めた。そしてお品書きに手をかけた。



「お品書きってメニューの事なのね。えーと、うどん?てんぷら?みそしる?よくわからないわね」

「じゃあ、俺と真保、聖で選ぶよ、レオナ。みんなもいいよね?」

翔、真保、聖は少し相談したのち、店員を呼び注文した。10分後テーブルに様々な料理が並んだ。



「翔。ひーちゃん。夢みたいだよ」

「ええ、本当に」

「夢なら消える前に食べないとね。アリシア達、ごめん、先に一口食べたら説明するから」

「大丈夫よ、おさきにどうど」

翔、真保、聖はお椀に入っている白いものを2本の棒状の食器はしを用いて、一口、口にくわえた。何回か口内かみしめていると3人は目から一筋の涙を流した。

「この触感、この味」

「間違いなくお米だよ」



少しの間久しぶりのお米との再会を楽しんだのち翔はアリシア達に料理の説明をし始めた。

「この手に収まる食器お茶碗っていうんだけど、この中に入っている白い食べ物を食べてみて。はしが使いにくかったらスプーンとフォークも用意してもらっているから」

翔の説明にしたがって、アリシア達は一口食べてみた。

「不思議な食感」

「最初は味がないけど、噛んでいくうちにほのかな甘みが出てくるね」

「うん、わるくないね~」

と気に入ってもらえたようだ。



「それはお米っていって、この大陸の主食、メルトホルンでいうパンみたいなものかな。今度はこの肉の料理を一口食べた後、さらにお米を食べてみて、こんな感じに」

と翔ははしで目の前にある肉の料理を食べた後お米をたべて、満足そうに微笑んだ。アリシアも同じようにスプーンで食べると、めを大きく開け驚いたのち、2、3口食べた後

「なに、このお肉、初めて食べる味。塩味に近いけど何かが違う」

「それにこの米っていう食べ物と一緒に食べたらすごくおいしい」

「スプーンが止まらないよ~」

「おいし~」



「その味は醤油味っていうんだ。オオエドの基本的な味付けの一つで、今食べてもらったお肉の料理は豚の生姜焼きっていって、薄く切った豚肉にいくつかの調味料と生姜と醤油で味付けしてるんだ」

「次にこれ、刺身。様々な生の魚の身を一口大に切って、さっきいった醤油に少しつけて食べるんだ。今回はミズマグロン、突撃ハマチを頼んだよ」



【鑑定】



ミズマグロン・・・ヒノクニ大陸近くの深い海域で泳ぐ全長1m以上の魚。その身の味はみずみずしく、地球のマグロに近い味である。醤油とわさびで食べると絶品



突撃ハマチ・・・ヒノクニ大陸近くの深い海域で泳ぐ全長1mぐらいの魚。普段はゆっくり泳いでいるが一度攻撃されると全身を魔法で強化し突撃してくる。その身の味は引くしまっており、地球のはまちに近い味である。成長するごとに名前が変わり直線ツバス→突撃ハマチ→突貫メジロ→魚雷ブリとなる。近似種に突撃イナダなどもいる



「魚を生で食べるの?大丈夫?」

「生で食べると危険な魚もいるけどこの魚は大丈夫。まあ一口食べてみなよ」

 生魚を食べることが無かったヴィジョン組が恐る恐る口に入れる。するとしっとりとした食感に軽く香る潮の香、そして口いっぱいに広がる魚の味、そして魚の味を引き立てる醤油の味。さらにお米を口に含むと、米の甘みと魚の味、塩の風味、醤油の味が口いっぱいに美味しさのハーモニーを奏でた。



「すごくおいしい。生の魚がこんなにおいしいなんて知らなかった」

「この醤油っていうのがいい味だしてるね~」

「んっ?この緑のはなんだ?」

「あっ、ミゼルちょっとまって!」

 とミゼルは小皿に入った緑色の物体を口にくわえた。翔も注意しようとしたがすでに遅かった。

 ミゼルは少し味わった後、口に広がる初めて味わう辛みに涙を流しながら鼻を抑えた。

「!!!!!」

「ほら、お水」

とミゼルは翔から差し出されたコップの水を一気に飲み干し、鼻にくる不思議な辛みが通り過ぎるのを待った。やっと辛みがなくなり息を整えた後、涙目で翔に詰め寄った。



「今の名に?翔!鼻になんか変な感じがして久々に涙が出たんだけど」

「だから待ってって言ったのに。アレはわさびっていって、薬味って言われる調味料の一つで少量醤油に溶かして食べるとまた別の味わいになるんだ。ミゼルみたいに大量に食べると鼻にツーンときて独特な辛みが襲うんだよ。地球では他の辛さとわけて「わさびの辛さ」っていってたけど」

 と翔の説明を聞いて、ミゼルは言われた通り醤油を入れた小皿にわさびを少量加えて溶かし、フォークを使ってミズマグロンの刺身を食べてみた。先ほどの涙が出る辛さではなく、適度のわさび独特の鼻を抜ける辛みと醤油の味が混ざり、醤油だけでは味わえなかった別の味を楽しめた。



ちなみに真保と聖は説明を翔に任せ、久々の故郷の味に浸っていた。
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