異世界デパート"コレクト・スター"へようこそ~異世界救ったので地球の商品売ってのんびり生活したいと思います~

アマテン

文字の大きさ
69 / 117
2章

69 キツネミミ初心冒険者 ローラ

しおりを挟む
今翔はメルトホルンの近くの森にいた。なぜかというと・・・



 翌日翔はガルズたち職人に大量のプラスチック粘土を渡し使い方を教えた後食器などの作成を頼んだ後(ちなみに新しい素材に職人は狂喜乱舞していた)、久々に冒険者ギルドに向かった。他のメンバーは別行動中である。



 翔が冒険者にギルドに入ると



「よう、久しぶりだな、翔」

「久しぶりですね、翔君」

「元気にしてた?」

「いろいろ噂は聞いてるわよ」



 1つのグループが声を掛けに来た。彼らはAランクパーティー『紅白の銀狼』。メンバーはリーダーである赤い狼クリムゾンブラッドウルフの鎧をきた戦士職のレイブ、白いローブに白銀の髪を持つ魔法使い職のマリー、スカウト職のシド、魔族の僧侶ライラ。翔に冒険者としてのいろいろなことを教えたり、一緒に冒険したこともある冒険者仲間である。



「帝国から美少女を連れて帰って来たんだって?やるじゃないか」

「あれか、邪神を仕留めるついでに美少女も仕留めたていうわけか」

「違うわ!全員仲間、どっからそんな噂が」



 レイブとシドはニヤニヤしながら翔に絡み、翔は突っ込みを入れる。そこにマリーとライラがため息をつきつつ止めに入る。



「いい加減にしなさいよ、レイブ、シド。翔君元気にしてた?心配したわよ」

「ええ、元気な顔が見れて安心しました」

「わりぃわりぃ、久しぶりに会ったからな、ついからんじまった」

「今度紹介してくれよ、仲間の事を」

「今度紹介するよ。皆は今日どうしたの?クエストの報告?」

「ああ、今朝帝国からメルトホルンまでの護衛クエストが終わったから、勘力報告にな。翔は?」

「時間に余裕ができたから何かクエストで儲けようかなと思って」

「そうか、じゃまた今度」

「またね」



 レイブたちと別れた翔は冒険者ギルドの掲示板から何枚か用紙を取り、クエストカウンターへ向かった。



「すみません。このクエスト受けたいんですけど」

「あら、翔さんじゃないですか、どれどれ・・えっこのクエストですか?」



 と受付嬢は困惑した顔で再度翔に訪ねた。翔が選んだクエストは

・森の墓地にスケルトンが発生!スケルトンを討伐せよ

・新鮮な薬草、毒消し草をそれぞれ50個納品せよ

・キリキリ蝶の羽が欲しい



「これ全部ゼロクエストですよ、いいんですか?」



 ゼロクエストとは依頼を発注したが報酬が低い、めんどくさいなど誰も受けてくれず依頼者もギルドも扱いに困ってるクエストである。本来なら低ランクの冒険者がランク昇格のノルマをクリアするためにしょうがなく受けるクエストで高ランク冒険者は受けることがない。



「いいよ。これぐらいなら今日で終わりそうだし、最後のキリキリ蝶のクエストは依頼者の子とても困ってるだろ?」

「さすが翔さん。そうなんです、この子は友達が明後日別の町にいくのでアクセサリーを送りたいそうなんですけど、そのアクセサリーの素材に病気体制のあるキリキリ蝶の羽が欲しいらしいのです。しかしキリキリ蝶は発見しにくく依頼料も低いため今日まで残っていたんです」



「じゃあ、手続きお願い」

「わかりました」



そして冒頭に戻る。



 翔の収納空間にはすでに依頼のアイテムは揃っていた。現在は帰り道の途中である。そこに戦闘音が聞こえてきた。翔が索敵魔法【サーチ】を使い近づくとフードをかぶった魔法使いとデカバッタが戦っていた。



 デカバッタが大口を開けて魔法使いにとびかかった。魔法使いは大きく横に飛び詠唱を始めた。



「放て火球【ファイアボール】」



 魔法使いのファイアボールはデカバッタの横っ腹に直撃した。ただし表面を焦がすだけであまりダメージを与えられていないようだ。デカバッタは魔法使いの方へ向け頭を振り頭突きをかました。



「くっ」



 魔法使いは杖を盾に防御したが体勢を崩し尻餅をついてしまう。そこへデカバッタが大口を開けて襲い掛かる。



 (戦い方が悪いな。初心者かな。森を探索中運悪くはぐれデカバッタにあちゃったのかな)



 デカバッタのランクはC、依頼のランクはC、B。本来森の奥で生息しており、滅多に出てこない。羽で飛ぶことは無いが動きも早く体も固く、噛みつき攻撃が強力。F、Dランクの依頼を受ける初級冒険者では手が出ないだろう。



 翔はそう考えながらデカバッタと魔法使いの間に立ち



「【アースバインド】」



 デカバッタを土で固めて拘束した。



「大丈夫?」



 翔はデカバッタが動けなくなったことを確認して突然の事態に呆然としている魔法使いの冒険者に起き上がるために手を差し出し話しかけた。尻餅をついたときローブが頭からはずれ、キツネミミがピョコンと現れた。よく見たらどうやら女の子みたいだ。



「はい、ありがとうございます」



 魔法使いの女の子は翔の手を借りて起き上がった後、服に着いた土を払いつつお礼を言った。

詳しい話を着てみると魔法使いの女の子の名はローラ。半年前に冒険者登録をしたEランク冒険者で今日は薬草採取で森へ来たところ、デカバッタに遭遇、逃げることができずに戦っていたということらしい。



 翔はローラを少し観察してある提案をした。



「まだ戦える?」



 と聞くと悔しそうな顔をしながらローラは答えた。



「戦えますけど魔法が効かないんです」

「さっきのファイアーボールより強い魔法ある?」

「ありますけど、詠唱が長くて使えないんです」

「うーん、土魔法は使える」

「はい、一応」

「だったら今から言うように動いてみて。そうすればデカバッタぐらいなら倒せるから」



 と少し説明するとデカバッタの拘束を解いた。デカバッタは拘束した翔に襲い掛かったが、透明な壁に阻まれた。翔は【フィールドバリア】でデカバッタとローラを囲った。



(まずは避けることに集中して隙ができたら体全体にマッドショットを当てる)



 ローラは翔に攻撃を続けるデカバッタに向けて魔法を放った。



「放て泥球【マッドショット】」



 デカバッタにマッドショットが当たる。デカバッタは標的を変えローラへ襲い掛かる。ローラは躱しつつマッドショットを当て続けた。1分後急激にデカバッタの動きは落ちた。



(すごい。本当に動きが落ちた。マッドショットにこんな効果があったなんて)



 理由は簡単。体中の泥が時間が立ち渇き重りとなってデカバッタの動きを鈍くしたのだ。



(でもまだ安心しちゃダメ。次は後ろ脚に魔法を集中して)



「放て火球【ファイアボール】」



 ローラは十分に距離を取りつつ、ファイアボールを今度は後ろ脚に集中的に攻撃した。デカバッタも今度は避けようとしているが動きが遅くファイアーボールは直撃する。5発あてると



「ギャシャ――」



 後ろ足が一本吹き飛んだ。ローラはもう一本の後ろ脚にもファイアーボールで集中的に攻撃さした。そして・・



「ギャシャ―ーー」



 もう一本も吹き飛んだ。デカバッタはがむしゃらに暴れ始めた。しかしローラは



(やった。後は距離をとって正面に回って口に向けて弱点の火属性魔法を)



 十分距離を取り詠唱を開始していた。



「苛烈なる火柱よ、敵を焼き尽くす槍と化せ【フレイムジャベリン】」



 ローラの頭上に大きな火の槍が出現し、デカバッタの口を貫いた。口から体内に炎が侵入しもがき苦しむデカバッタ。デカバッタは最後の攻撃を切り出した。デカバッタは前足でローラに向かって突進し、噛みつこうとした。しかしそこにはフレイムジャベリンを構え、デカバッタの口へ向かって放った。



どてっ



デカバッタは口に2発目の直撃でとうとう倒れた。



「やったー」

「うん。うまく戦えてた」



 翔は【フィールドバリア】を解除しローラに近づきほめた。



「ありがとうございます。アドバイス通り戦ったら倒せました。翔さん」

「もともとローラに倒せるだけの実力があったんだよ。じゃあさっさとデカバッタ解体しようか?仕方わかる?」

「いえ、わかりません。解体はギルドに頼んでるので?」

「覚えてみる?」

「はい」



 そして2人で解体を始めた。解体しながらローラといろいろ話した。ローラはメルトホルン共和国の北部にある獣人の町アズール出身で冒険者になろうとメルトホルンに来たそうだ。戦い方は自己流で本などを見て学んだらしい。そこでローラは翔にいろいろ戦い方を教えてほしいと頼んできた。



「いいよ。じゃあギルドに報告したら教えるよ」

「ありがとうございます、師匠」



 翔に弟子ができた瞬間である

しおりを挟む
感想 26

あなたにおすすめの小説

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~

甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって? そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。

異世界で貧乏神を守護神に選ぶのは間違っているのだろうか?

石のやっさん
ファンタジー
異世界への転移、僕にはもう祝福を受けた女神様が居ます! 主人公の黒木翼はクラスでは浮いた存在だった。 黒木はある理由から人との関りを最小限に押さえ生活していた。 そんなある日の事、クラス全員が異世界召喚に巻き込まれる。 全員が女神からジョブやチートを貰うなか、黒木はあえて断り、何も貰わずに異世界に行く事にした。 その理由は、彼にはもう『貧乏神』の守護神が居たからだ。 この物語は、貧乏神に恋する少年と少年を愛する貧乏神が異世界で暮す物語。 貧乏神の解釈が独自解釈ですので、その辺りはお許し下さい。

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-

ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。 困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。 この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。 はい、ご注文は? 調味料、それとも武器ですか? カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。 村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。 いずれは世界へ通じる道を繋げるために。 ※本作はカクヨム様にも掲載しております。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

処理中です...