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第八章「拓海の嘘、ひとつめ」
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第八章「拓海の嘘、ひとつめ」
十二月に入ると、横川の夜は本格的に冷えるようになった。
バー「ガジャ」は、横川商店街から路地を二本入った場所にある。看板は小さく、知らなければ通り過ぎてしまうような場所だ。木製のドアを開けると、カウンターが八席、テーブルが二つ。マスターの川本は寡黙な六十代の男で、客に余計な話しかけをしない。それが凛のお気に入りの理由だった。
「ここが一番、本音が話せる」と凛はいつも言っていた。
その夜、凛は最初から少し様子がおかしかった。
葵が「ガジャ」に着いたとき、凛はカウンターの端の席で、すでにウイスキーを飲んでいた。珍しかった。凛はビールか日本酒で、ウイスキーを飲むのは相当参っているときだ。
「どうしたの」と葵は隣に座りながら言った。
「別に」と凛は言った。
葵は川本に「同じものを」と頼んで、しばらく黙って並んだ。カウンターの向こうのグラスが光を反射している。低い音楽が流れている。
二杯目になった頃、凛が口を開いた。
「拓海の会社さ」と凛は言った。「実は、やばいかもしれない」
葵は黙って続きを待った。
「先月から、家に帰るのが遅くなってて。以前は遅くても十一時には帰ってたのに、最近は一時、二時。で、疲れた顔してて。聞いたら『大丈夫、うまくいく』って言うんだけど」と凛はグラスを見つめながら言った。「大丈夫、うまくいく、って言葉、最初はすごく頼もしかったんだけど、最近はなんか……呪文みたいに聞こえて」
「呪文?」
「自分に言い聞かせてる感じ。私に言い聞かせてるんじゃなくて、自分に。それって、大丈夫じゃないってことじゃないかなって」
葵はウイスキーを一口飲んだ。
「あのさ」と葵は慎重に言った。「拓海さんの会社、具体的に何をやってるか、知ってる?」
「AIを使ったフードテックのサービスって言ってて。でも詳しいことはあんまり教えてくれなくて。企業秘密とか言って」と凛は苦く笑った。「私、ちゃんと聞いてなかったな。好きだから、信じてたから、あんまり聞かなかった」
凛が酔い潰れる前に、葵はガジャを出て水を買ってきた。凛に飲ませながら、葵は先月「豆と月」で拓海と三人で話した夜のことを思い出していた。事業計画書の甘すぎる数字。何度も着信する電話。伏せた画面。
これらが繋がっているとしたら。
拓海の会社は資金繰りに苦しんでいる。そして拓海は、葵たちの和菓子カフェ計画に積極的に関わろうとしている。なぜか。
葵には、一つの仮説があった。
フードテック。和菓子。レシピ。
二ヶ月前に自分にかかってきた電話のことを、葵は改めて思い起こした。「桐島屋のレシピを提供してほしい」という打診。あれは拓海の「事業」の一部だったのではないか。そして今、葵たちのカフェ計画に乗っかることで、新たな形で和菓子のデータやノウハウを取ろうとしているのではないか。
仮説に過ぎない。確証はない。でも、甘すぎる数字の理由がこれなら、説明がつく。拓海がカフェの事業計画を「甘く」作ったのは、楽観的だからではなく、カフェの利益よりも別の価値を見ているからだ。
葵は自分のノートを開いた。「情報の出所、確認すること」というメモの横に、小さく書き加えた。「拓海の会社、調べる」と。
凛が少し落ち着いた頃、二人はガジャを出た。
夜の横川商店街は静かだった。シャッターが閉まって、街灯の光だけが路地に落ちている。凛は「ありがとう、付き合ってくれて」と言った。葵は「いつでも」と答えた。
凛を見送ってから、葵は一人でしばらく横川の夜道を歩いた。
路地の角を曲がったとき、小さな人影が見えた。
ランドセルを背負ったまま、街灯の下にしゃがんでいる。
葵は足を止めた。
向井蓮だった。
時刻は夜の九時を過ぎていた。十歳の子どもが、こんな時間に一人で。
「蓮くん」と葵は声をかけた。
蓮は振り返った。葵の顔を見て、少し安心したような、でも恥ずかしそうな顔をした。
「こんな時間にどうしたの」と葵は蓮の隣にしゃがんだ。
「……母ちゃんが、まだ帰ってきてないから」と蓮は言った。
「お母さん、お仕事?」
「うん」
「何時に帰ってくる予定なの?」
「わかんない」と蓮は言った。「最近、帰りが遅くて。具合が悪いのに、仕事行ってて」
葵は「具合が悪い?」と聞いた。
「うん、でも大丈夫って言うから」と蓮は言った。その「大丈夫」が、さっき凛が言っていた拓海の「大丈夫、うまくいく」と重なって、葵の胸に刺さった。
大丈夫、という言葉を、大丈夫じゃないから言う人がいる。
「家に入れないの?」と葵は聞いた。
「鍵は持ってる」と蓮は言った。「でも、一人で家にいるの、なんか嫌で」
葵はしばらく考えた。「じゃあ、お母さんが帰ってくるまで、一緒にいようか」
「いいの?」と蓮は言った。その言い方が、子どもらしくなくて、葵は少し胸が痛かった。「いいの?」は「迷惑じゃないの?」という意味だった。この子はいつも、迷惑をかけないように生きているのだろう。
「いいよ」と葵は言った。「コンビニ行こう。温かいもの買う」
蓮は立ち上がって、ランドセルを背負い直した。「ありがとうございます」とはっきり言った。礼儀正しい子だ、と葵は改めて思った。礼儀正しさの裏に、小さな孤独が透けて見えた。
コンビニで葵はホットミルクを、蓮はコーンスープを選んだ。コンビニの前のベンチに並んで座って、温かい缶を持ちながら、しばらく話した。
「学校楽しい?」と葵は聞いた。
「まあ」と蓮は言った。「普通」
「和菓子のワークショップ、どうだった?」
蓮はすこし間を置いた。「おいしかった」
「他には?」
また間を置いた。「……なんか、思い出した」
「何を?」
「おばあちゃん」と蓮は言った。静かな声だった。「死んじゃったんだけど、おばあちゃんがよく和菓子作ってくれてて。似てた、あの味に」
葵は「そっか」とだけ言った。だから泣いたのか、とはあえて言わなかった。
「おばあちゃん、いつ?」と葵は聞いた。
「去年の春」と蓮は言った。「それから、なんか母ちゃんも元気なくなって」
葵は蓮の横顔を見た。十歳の子どもが、これだけのことを一人で抱えているのか。
「母ちゃんも頑張ってるんだよ」と蓮は言った。「俺のために」
「うん」と葵は言った。
「だから俺も、心配させちゃいけないと思って」
葵はその言葉を聞いて、何かが胸の中で静かに崩れた。
心配させちゃいけない。だから言えない。だから一人で抱える。
それは、今の自分と同じだ、と葵は思った。凛に心配させたくない。だから言えない。だから一人で抱える。
十歳の男の子と二十八歳の自分が、同じ構造の中にいる。
午後十時過ぎに、蓮のお母さんから蓮のスマートフォンに電話がかかってきた。蓮が「今から帰る」と答えて、電話を切った。
「帰れる? 一人で」と葵は聞いた。
「うん、近いから」と蓮は言った。「ありがとうございました」
「またね」と葵は言った。「いつでも声かけていいから」
蓮は少し考えてから「はい」と言った。今度は「いいの?」ではなく、「はい」だった。葵にはその違いが、嬉しかった。
蓮の後ろ姿が夜の路地に消えていくのを見送りながら、葵は思った。
この子のことを、凛に話してみよう。そして里佳先生にも。
子ども一人が抱えるには、少し重すぎるものを、蓮は持っている。それをどうにかできるかどうかはわからない。でも、知っている大人が何もしないのは、違う気がした。
つづく
十二月に入ると、横川の夜は本格的に冷えるようになった。
バー「ガジャ」は、横川商店街から路地を二本入った場所にある。看板は小さく、知らなければ通り過ぎてしまうような場所だ。木製のドアを開けると、カウンターが八席、テーブルが二つ。マスターの川本は寡黙な六十代の男で、客に余計な話しかけをしない。それが凛のお気に入りの理由だった。
「ここが一番、本音が話せる」と凛はいつも言っていた。
その夜、凛は最初から少し様子がおかしかった。
葵が「ガジャ」に着いたとき、凛はカウンターの端の席で、すでにウイスキーを飲んでいた。珍しかった。凛はビールか日本酒で、ウイスキーを飲むのは相当参っているときだ。
「どうしたの」と葵は隣に座りながら言った。
「別に」と凛は言った。
葵は川本に「同じものを」と頼んで、しばらく黙って並んだ。カウンターの向こうのグラスが光を反射している。低い音楽が流れている。
二杯目になった頃、凛が口を開いた。
「拓海の会社さ」と凛は言った。「実は、やばいかもしれない」
葵は黙って続きを待った。
「先月から、家に帰るのが遅くなってて。以前は遅くても十一時には帰ってたのに、最近は一時、二時。で、疲れた顔してて。聞いたら『大丈夫、うまくいく』って言うんだけど」と凛はグラスを見つめながら言った。「大丈夫、うまくいく、って言葉、最初はすごく頼もしかったんだけど、最近はなんか……呪文みたいに聞こえて」
「呪文?」
「自分に言い聞かせてる感じ。私に言い聞かせてるんじゃなくて、自分に。それって、大丈夫じゃないってことじゃないかなって」
葵はウイスキーを一口飲んだ。
「あのさ」と葵は慎重に言った。「拓海さんの会社、具体的に何をやってるか、知ってる?」
「AIを使ったフードテックのサービスって言ってて。でも詳しいことはあんまり教えてくれなくて。企業秘密とか言って」と凛は苦く笑った。「私、ちゃんと聞いてなかったな。好きだから、信じてたから、あんまり聞かなかった」
凛が酔い潰れる前に、葵はガジャを出て水を買ってきた。凛に飲ませながら、葵は先月「豆と月」で拓海と三人で話した夜のことを思い出していた。事業計画書の甘すぎる数字。何度も着信する電話。伏せた画面。
これらが繋がっているとしたら。
拓海の会社は資金繰りに苦しんでいる。そして拓海は、葵たちの和菓子カフェ計画に積極的に関わろうとしている。なぜか。
葵には、一つの仮説があった。
フードテック。和菓子。レシピ。
二ヶ月前に自分にかかってきた電話のことを、葵は改めて思い起こした。「桐島屋のレシピを提供してほしい」という打診。あれは拓海の「事業」の一部だったのではないか。そして今、葵たちのカフェ計画に乗っかることで、新たな形で和菓子のデータやノウハウを取ろうとしているのではないか。
仮説に過ぎない。確証はない。でも、甘すぎる数字の理由がこれなら、説明がつく。拓海がカフェの事業計画を「甘く」作ったのは、楽観的だからではなく、カフェの利益よりも別の価値を見ているからだ。
葵は自分のノートを開いた。「情報の出所、確認すること」というメモの横に、小さく書き加えた。「拓海の会社、調べる」と。
凛が少し落ち着いた頃、二人はガジャを出た。
夜の横川商店街は静かだった。シャッターが閉まって、街灯の光だけが路地に落ちている。凛は「ありがとう、付き合ってくれて」と言った。葵は「いつでも」と答えた。
凛を見送ってから、葵は一人でしばらく横川の夜道を歩いた。
路地の角を曲がったとき、小さな人影が見えた。
ランドセルを背負ったまま、街灯の下にしゃがんでいる。
葵は足を止めた。
向井蓮だった。
時刻は夜の九時を過ぎていた。十歳の子どもが、こんな時間に一人で。
「蓮くん」と葵は声をかけた。
蓮は振り返った。葵の顔を見て、少し安心したような、でも恥ずかしそうな顔をした。
「こんな時間にどうしたの」と葵は蓮の隣にしゃがんだ。
「……母ちゃんが、まだ帰ってきてないから」と蓮は言った。
「お母さん、お仕事?」
「うん」
「何時に帰ってくる予定なの?」
「わかんない」と蓮は言った。「最近、帰りが遅くて。具合が悪いのに、仕事行ってて」
葵は「具合が悪い?」と聞いた。
「うん、でも大丈夫って言うから」と蓮は言った。その「大丈夫」が、さっき凛が言っていた拓海の「大丈夫、うまくいく」と重なって、葵の胸に刺さった。
大丈夫、という言葉を、大丈夫じゃないから言う人がいる。
「家に入れないの?」と葵は聞いた。
「鍵は持ってる」と蓮は言った。「でも、一人で家にいるの、なんか嫌で」
葵はしばらく考えた。「じゃあ、お母さんが帰ってくるまで、一緒にいようか」
「いいの?」と蓮は言った。その言い方が、子どもらしくなくて、葵は少し胸が痛かった。「いいの?」は「迷惑じゃないの?」という意味だった。この子はいつも、迷惑をかけないように生きているのだろう。
「いいよ」と葵は言った。「コンビニ行こう。温かいもの買う」
蓮は立ち上がって、ランドセルを背負い直した。「ありがとうございます」とはっきり言った。礼儀正しい子だ、と葵は改めて思った。礼儀正しさの裏に、小さな孤独が透けて見えた。
コンビニで葵はホットミルクを、蓮はコーンスープを選んだ。コンビニの前のベンチに並んで座って、温かい缶を持ちながら、しばらく話した。
「学校楽しい?」と葵は聞いた。
「まあ」と蓮は言った。「普通」
「和菓子のワークショップ、どうだった?」
蓮はすこし間を置いた。「おいしかった」
「他には?」
また間を置いた。「……なんか、思い出した」
「何を?」
「おばあちゃん」と蓮は言った。静かな声だった。「死んじゃったんだけど、おばあちゃんがよく和菓子作ってくれてて。似てた、あの味に」
葵は「そっか」とだけ言った。だから泣いたのか、とはあえて言わなかった。
「おばあちゃん、いつ?」と葵は聞いた。
「去年の春」と蓮は言った。「それから、なんか母ちゃんも元気なくなって」
葵は蓮の横顔を見た。十歳の子どもが、これだけのことを一人で抱えているのか。
「母ちゃんも頑張ってるんだよ」と蓮は言った。「俺のために」
「うん」と葵は言った。
「だから俺も、心配させちゃいけないと思って」
葵はその言葉を聞いて、何かが胸の中で静かに崩れた。
心配させちゃいけない。だから言えない。だから一人で抱える。
それは、今の自分と同じだ、と葵は思った。凛に心配させたくない。だから言えない。だから一人で抱える。
十歳の男の子と二十八歳の自分が、同じ構造の中にいる。
午後十時過ぎに、蓮のお母さんから蓮のスマートフォンに電話がかかってきた。蓮が「今から帰る」と答えて、電話を切った。
「帰れる? 一人で」と葵は聞いた。
「うん、近いから」と蓮は言った。「ありがとうございました」
「またね」と葵は言った。「いつでも声かけていいから」
蓮は少し考えてから「はい」と言った。今度は「いいの?」ではなく、「はい」だった。葵にはその違いが、嬉しかった。
蓮の後ろ姿が夜の路地に消えていくのを見送りながら、葵は思った。
この子のことを、凛に話してみよう。そして里佳先生にも。
子ども一人が抱えるには、少し重すぎるものを、蓮は持っている。それをどうにかできるかどうかはわからない。でも、知っている大人が何もしないのは、違う気がした。
つづく
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