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遅かれ早かれ(side美夜飛)
遅かれ早かれ
しおりを挟む兼嗣を避けてから一週間が経とうとしている。
その間俺はなんの行動も答えも出せていなかった。
そろそろ“忙しい”とか“タイミングが合わなくて”なんて言い訳では誤魔化しきれないのは、自分が一番よく分かっている。
「美夜飛ー、メシ行くべ」
「……あぁ」
はあー……。盛大にため息をして、見ていたスマホをスウェットの尻ポケットに突っ込み、同室の男──廣瀬(ひろせ)と寮内の食堂に向かった。
大体いつも決まった時間にみんな来るせいで、食堂のフロアは人でごった返していた。
しかし食堂と言っても自分で食べるものを選べるわけじゃない。
工業系の専門学校で食べ盛りの男ばかりだからか、栄養バランスの考えられた献立が日替わりで決まっていて、どちらかと言えば給食に近い。白ご飯と汁物はセルフだ。
朝は出ないから各々ご自由にって感じで、昼は校舎にも食堂や売店があるのでそこで済ませることが大半。
後ろのやつにぶつからないよう、おかずの乗ったトレイを持って廣瀬と空いていた席に座る。
今日の晩飯は大量のでかい唐揚げと卵焼きとグリーンサラダ。具沢山の豚汁。
ついでに唐揚げはおかわり自由だった。
「腹へったー。唐揚げ久しぶり」
「お前いつも結構食うよな」
「そうか? あの授業やってたら飯食わねーともたねぇだろ。美夜飛は差激しいんだよ。食うときと全然食わねぇときの差が」
「今日は好きなのばっかだから食うよ」
「サラダもな」
「えー……。お前のそういうとこオカンくさくてやだ……」
何だと?と廣瀬は般若みたいに顔をしかめたが、すぐに行儀よく両手を合わせて箸を持った。
それを見て、俺も同じようにしてから唐揚げを頬張る。
以前は兼嗣と晩飯を食べることが多かった。
兼嗣は俺の好き嫌いに口出ししないし、あいつはいつも好きなものを最後にとっておくから、そういう癖のある食べ方をするのはむしろ兼嗣のほうだったりする。
今は逆に俺のほうが突っ込まれるのが新鮮だった。
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