彼女ができたら義理の兄にめちゃくちゃにされた

おみなしづき

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忘れてた? **

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 涼は、大学の友達二人と来たようだった。
 席に案内される途中で、俺に気付いて立ち止まった。
 無意識に体が一歩引いてしまったのはどうしてだろう。

「ハル。見に来たよ。服、似合ってるね。かっこいい」
「あ、ありがとう」

 こちらをジッーと見ていた瑠花に気付いたようで、ニッコリ笑顔で話し掛けた。

「ハルの友達?」
「あ、はい。瑠花っていいます」
「へぇ……」

 目を細めたのは一瞬で、ニッコリ笑顔だった。

「僕は、ハルのお兄さんだよ。ハルと仲良くしてあげてね」
「はい」
「ハル、休憩はあるの?」
「うん……もう少ししたら交代になる」
「じゃあ、校内の案内してくれる?」
「わかった……」

 涼は、そのまま友達の方へ歩いて行った。
 良かった。普通だった……ホッとした。

「じゃあ、瑠花、楽しんで」
「あ、はい……」

 長居は無用とばかりにその場から離れた。
 タイミングが悪すぎる……。
 涼が何も気にしていないといい。
 そんな事ばかりが気になって仕方がなかった。

     ◆◇◆

 交代の時間になって、涼のところへ行った。
 廊下で待っていてくれたようだけれど一人だった。

「あれ? 友達と一緒じゃなかった?」
「二人とも女の人と一緒にどこかに行っちゃった」
「いいのか?」
「別でいいって言ったから大丈夫」
「そっか。えっと……どこから回りたい?」
「服……着替えちゃったの?」

 残念そうな涼に苦笑いする。

「着て回れないだろ?」
「もう一回着てみてよ」
「え? 嫌だよ」
「もう一度ちゃんと着たところみたい」

 これは……引き下がらないパターンだ。

「着るだけだからな……」
「いいよ。その代わり、着替えてるところも見せて」
「は? なんで?」
「嫌なの?」

 スッと細められた目が有無を言わせない。
 夏祭りの時に人混みで迫られた時のような嫌な予感がして、仕方なく従った。
 執事服を持ってきて、文化祭の間は閉鎖されている誰も来ないであろう教室へ涼と二人で行く。
 涼に見られながら着替えてるところなんて誰にも見られたくなかった。
 教室に入れば、涼はジッとこちらを見ていた。

 自分の高校で涼の目の前で着替えるなんてあり得ない事に変に緊張する。
 制服のネクタイを外し、ベストを脱いで、前開きのシャツのボタンを外す。
 涼の目が自分の手を視姦しているようで手が震えた。
 なんでこんな風に着替えなきゃいけないんだ……。
 何個目かのボタンがうまく外せない。

「手伝ってあげる」

 涼は、背後から抱きこむように手を伸ばしてボタンに手をかけた。

「い、いいよ。自分でできる」

 涼から離れようとすれば、それは許されなかった。
 シャツのボタンを全部外し、耳元で囁かれた。

「瑠花って名前──聞いた事あるなぁ。──僕の目の前で元カノと楽しそうだったね」

 冷や汗が吹き出した。

「もしかして──まだ関係があったりする?」
「違う! たまたまだよ! 涼のタイミングが悪かっただけだ!」
「へぇ──じゃあ、証明してよ」
「何を……?」
「僕から逃げないで──」

 そのままシャツの間から素肌に手を入れられた。
 首筋に口付けられて、ゾクゾクとした感触に体を震わせる。
 胸の頂を何度も引っ掻かれる。

「んっ……」

 段々と与えられる快感に思わず声が出てしまう。

「ハル……」

 シャツをずらして肩に何度も口付けてくる。
 その間も涼の手は何度も素肌を撫でまわす。
 文化祭の賑わいを遠くに聞きながら、こんな事をされて感じてしまう自分が嫌だった。

「涼……学校じゃ……やめよう……ここには着替えに来たんだ……」
「証明……してくれるんでしょ?」

 逃げてはいけないんだろう。
 涼を拒否することは許されなかった。
 仕方なく涼の愛撫を受け入れる。

「……ふっ……ぁ……ん……」
「こっち向いて……」

 言われた通りに振り返るように後ろを向けば、そのままキスされる。
 ねっとりとした涼のキス。
 しばらくすると、チュッと音を立てて離れた。
 間近で見つめ合う。目を逸らすことも許されない。

「ハル──文化祭で、はしゃいじゃってた? 友達と楽しかった? 元カノと話せて嬉しかった? 学校だと僕のこと──忘れてた?」

 何も答えられなくて息を呑む。
 家の中は、涼でいっぱいでどこにいても涼の事を思い出す。
 そんな中で、学校は涼の立ち入れない場所だと思っていた。
 実際に文化祭の準備や久嗣と彰人とふざけ合っている間は、涼のことを考えない時間は多かった。
 それを見透かされていたんだろうか。
 怖くなって身震いすれば、涼の手が何度も肌を撫でて自分を忘れるなと言うようだった。

「はっ……んっ……」
「ハル……学校でも……しないとね……」

 まさか……?

「りょ、涼……冗談だよな……?」

 涼は、ニッコリ笑って唇を重ねてくる。
 このままではいけない気がして顔を正面に逸らした。

「逃げないでって言ったはずだよ」

 そのままズボンを脱がされそうになって、慌てて手を重ねて止める。

「待てって! 学校はさ……本当に……やめないか……?」
「なんで?」
「だって……」

 唯一涼を忘れていられた場所……。
 涼は、そんな時間ですら、俺に与えてくれないつもりなのか……?

 言葉に詰まっていたら、そのままベルトを外されてトランクスごとズボンがストンと足首まで滑り落ちてしまった。
 勃ち上がり始めていたモノを強めにギュッと握られて、体が萎縮した。

「いたっ!」

 痛みに顔を歪ませる。

「ほら、嫌がるから加減を間違えたじゃないか」

 そのまま先程の痛みを慰めるようにゆっくり上下に扱かれる。
 乳首の先を摘んでコリコリと弄られる。

「あっ……はっ……りょう! ……まって!」

 どうしたらこの行為をやめてもらえるのかと必死で考えた。
 けれど、快楽を引き摺り出すような感覚に邪魔されて何も思い付かない。
 そこにあった机の上に手をつくようにされた。
 そのまま背中を強く押されて机に体を押し付けられた。
 尻を突き出すような格好にされて慌てて体を起こそうとしても、背中にある手に体重をかけられてグッと力を込められる。

「涼! 待って! お願いだから!」

 涼の指が容赦なく尻の蕾に侵入した。

「っ! ──痛いって! 涼!」

 濡れてもいないソコをかき混ぜられて、痛みと快感の両方に耐える。

「ローション持ってるけど、バッグから出してるうちに逃げられたら困る。唾液でも濡れるかな?」

 俺の背中を押し付けたまま、指を唾液で濡らしてまた入れてくる。
 先程よりも、痛みはない。
 それでも、学校でやられるのは嫌だった。

「やめろって……!」

 痛みなのか、気持ちよさなのか、羞恥なのか、悔しさなのか、その全てなのか……目が潤んでいく。
 それでも涼は、容赦なかった。
 何度も指を唾液で濡らしては、ソコを丹念に攻める。
 快楽を知っている自分の体はすぐに赤く染まって行った。

「……っあ! ……ぁんっ……はっ……んんっ」
 
 しばらくして、抵抗する力が入らなくなれば、一度指を抜かれてすぐにいつものローションの冷たい感触がした。
 グチュグチュといやらしい音を立てて更にかき混ぜられる。
 もう痛みはなく、気持ちよさに喘ぐ。
 涼は、何度も俺の良いところを攻めてくる。

「あっ……はっ……ああっ!」

 もう快楽以外なかった。
 俺は涼のものだ……。

 涼は、俺が全く抵抗しなくなったのがわかると、背中を押さえていた手を離した。
 無意識に机の端を掴んでいた俺の手の上に、その涼の手を重ねてくる。
 覆い被さって首筋やはだけたままのシャツから覗く肩や背中に口付ける。
 チュッチュッと音を立てて何度も吸われた。

「……良い子だね……ほら、僕を受け入れてね」

 涼は、そのまま自分のモノを俺の中に突き入れた。
 思わず背中がのけぞった。

「──んああぁっ!」
「ハル……愛してる……学校でも……僕を思い出してね」

 涼は背中に覆い被さりながら耳元で囁き、何度も突き上げた。
 今まで涼の気配がなかった学校が、涼との快楽の記憶に焼き付けられていく。
 学校という場所で、段々と昇り詰めて行く感覚に怖くなってくる。

「りょう……っ! いやだっ……はっ! もう……あっ! ……いやだっ!」
「ハルッ──嘘ばっかり! ──ほらっ! もうすぐ、イクでしょ──!」
「あっ! ……あんっ! あっ! ──ンンンッ、あああぁぁっ──!」

 中でイク時の全身を突き抜ける快感に身悶えて苦しむ。
 涼は、そのまま腰の動きを止めない。
 射精とは違う頭が真っ白になるような気持ちよさが、終わることなくずっと続く。
 机にしがみついて喘ぐ事しかできない。

「あっ! はっ! ぅンっ! ……あぁはっ! ぁンっ!」 
「ハルっ──ここっ、ハルの学校だよ? そんなにっ、気持ち良くなっちゃって、いいのっ?」

 ここが学校であるということを忘れそうになれば、何度も思い出させようとする。
 文化祭で賑わう音が遠くで聞こえた。

 学校で気持ちいい場所を突き上げられて喘ぐ自分なんて最悪だ。
 心が壊れてしまいそうだ……。
 自然と流れるこの涙はなんの涙だ……。

「──ンンッ! はぁっ! はっ! ぁ、あんっ! あ、あ、ンああっ!」
「ほらっ、誰がっ、ハルを気持ち良くしてるのっ?」
「あぁっ! はんっ……りょう! ……ぁんっ!」
「ハルはっ──誰のものなのっ?」
「ぁん! あっ、んっ! はっ……りょうだよっ! ああっ! おれはっ……りょうのものだよっ!」

 学校ですらそれを忘れてはいけなかった。

「ハルッ! あぁ──愛してるよっ!」

 涼が俺の顔に唇を寄せてくれば、頭を上げて自分からキスをして舌を絡めた。
 涼のものである俺は、最初からそうして涼を受け入れなければいけなかったんだ。

 終わらない快楽の中で、涼が囁く。

「ハルは学校で僕に突かれて気持ち良くなってるんだよ」
「忘れないで──ほら、ハルの中にいるのは僕だよ」
「僕を忘れるなんて許さないからね」

 涼は、最初から学校で俺を犯すつもりだったんだろう。
 一時も涼を忘れてはいけないと何度も刻まれる。
 最初の時と同じように、胸の奥が痛い。
 愛しているというより、憎まれているんじゃないかとすら思える。
 それでも快楽の中で時々見る涼の顔は、辛そうに歪んで泣き出しそうだった──。

 どうしてここまでするんだろう──。

 涼は、どこまでもどこまでも、俺を快楽に堕として行った。
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