33 / 36
番外編 ギルバート
ギルバート視点
しおりを挟む
朝、気付いたら自分の部屋にいた。頭がズキズキと痛む。
自分がどうやって部屋に戻ってきたのかわからない。
着替えもしておらず、そのまま寝てしまったようだ。
だるい体を起こしてシャワーを浴びようと部屋を出て、リビングにいた団長とウルさんとラースさんに会った。
「ギルバート、今日はゆっくり休め」
「「俺らは仕事に行く」」
「ほとんどの騎士は二日酔いで出勤できないだろうからな」
ガハハと笑う公爵家のみんなを尊敬する。
みんな酒を浴びるように飲んでいたのに、全く変わった様子がない。
「すごいですね……」
「我らは酒に負けたことはない。お前もそうなれ」
「はい……」
不甲斐ない……。
団長達を見送って、シャワーを浴びて部屋に戻ろうとして、隣の部屋に目が行った。
アデルはまだ寝ているだろうか……。
ふと隣のドアを遠慮がちにノックする。
返事がなければ自分の部屋に戻ろうと思っていた。
「……どうぞ……」
返事があったので、ドアを開けた。
アデルは、まだベッドの中だった。
「起こしてしまったか?」
「いや……」
と言いながら、目が開いていない。
ベッドの端へと腰掛けて、そっとその髪を撫でた。
「昨日は遅かったのか?」
俺は途中からの記憶がない……。
「カラムとレオと話が盛り上がってしまってな……」
なんだと……!?
なんで寝ていたんだ……俺は……。
「二人と……話したのか?」
「ああ……」
どんな話をしたのか……とか……聞いてもいいんだろうか。
聞くべきじゃないのだろう。友人と話すのに、俺がいちいち気にする必要はない……。
悶々と考えていれば、アデルの方から話してくれた。
「ギルの話をした……」
アデルは、横になりながら微笑んでこちらを見る。
「え?」
「ギルは、口下手で言葉で伝えるのが苦手だ。二人はそれを心配していた」
クスクスと笑うアデルになんだか面白くない気持ちになる。
「それなら……心配する事はない……」
屈んでアデルの唇にキスを贈る。
柔らかい感触に胸が高鳴る。
「態度で示す……」
自分でやっておきながら恥ずかしい……。
アデルは、クスリと笑ってから両手を広げてきた。
「婚約者殿、いや、旦那様……でいいよな。態度で示すなら、もっと必要じゃないか?」
旦那様……幸せすぎて困る。
アデルの両手を広げる仕草も可愛い。
「そうだな……」
アデルの上に覆いかぶさるようにすれば、アデルは首の後ろに腕を回す。
鼻先が触れ合う距離でアデルが可愛く笑った。
「ふふっ」
「なんでそんなに楽しそうなんだ?」
「カラムとレオに、ギルに両手を広げてみせれば喜ぶと言われてな。こういう意味だったのかと納得した」
「あいつら……アデルは、もう俺以外の事を考えるな……」
俺だってやる時はやる男なんだと証明してやる。
幸せを噛み締めるようにアデルの感触を楽しんだ。
自分がどうやって部屋に戻ってきたのかわからない。
着替えもしておらず、そのまま寝てしまったようだ。
だるい体を起こしてシャワーを浴びようと部屋を出て、リビングにいた団長とウルさんとラースさんに会った。
「ギルバート、今日はゆっくり休め」
「「俺らは仕事に行く」」
「ほとんどの騎士は二日酔いで出勤できないだろうからな」
ガハハと笑う公爵家のみんなを尊敬する。
みんな酒を浴びるように飲んでいたのに、全く変わった様子がない。
「すごいですね……」
「我らは酒に負けたことはない。お前もそうなれ」
「はい……」
不甲斐ない……。
団長達を見送って、シャワーを浴びて部屋に戻ろうとして、隣の部屋に目が行った。
アデルはまだ寝ているだろうか……。
ふと隣のドアを遠慮がちにノックする。
返事がなければ自分の部屋に戻ろうと思っていた。
「……どうぞ……」
返事があったので、ドアを開けた。
アデルは、まだベッドの中だった。
「起こしてしまったか?」
「いや……」
と言いながら、目が開いていない。
ベッドの端へと腰掛けて、そっとその髪を撫でた。
「昨日は遅かったのか?」
俺は途中からの記憶がない……。
「カラムとレオと話が盛り上がってしまってな……」
なんだと……!?
なんで寝ていたんだ……俺は……。
「二人と……話したのか?」
「ああ……」
どんな話をしたのか……とか……聞いてもいいんだろうか。
聞くべきじゃないのだろう。友人と話すのに、俺がいちいち気にする必要はない……。
悶々と考えていれば、アデルの方から話してくれた。
「ギルの話をした……」
アデルは、横になりながら微笑んでこちらを見る。
「え?」
「ギルは、口下手で言葉で伝えるのが苦手だ。二人はそれを心配していた」
クスクスと笑うアデルになんだか面白くない気持ちになる。
「それなら……心配する事はない……」
屈んでアデルの唇にキスを贈る。
柔らかい感触に胸が高鳴る。
「態度で示す……」
自分でやっておきながら恥ずかしい……。
アデルは、クスリと笑ってから両手を広げてきた。
「婚約者殿、いや、旦那様……でいいよな。態度で示すなら、もっと必要じゃないか?」
旦那様……幸せすぎて困る。
アデルの両手を広げる仕草も可愛い。
「そうだな……」
アデルの上に覆いかぶさるようにすれば、アデルは首の後ろに腕を回す。
鼻先が触れ合う距離でアデルが可愛く笑った。
「ふふっ」
「なんでそんなに楽しそうなんだ?」
「カラムとレオに、ギルに両手を広げてみせれば喜ぶと言われてな。こういう意味だったのかと納得した」
「あいつら……アデルは、もう俺以外の事を考えるな……」
俺だってやる時はやる男なんだと証明してやる。
幸せを噛み締めるようにアデルの感触を楽しんだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,334
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる