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3、愛し合えない夫婦は互いに強く想い合う
夫婦喧嘩
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「どうして泣いていたのです?」
大きく、質の良い寝台。横になると、どっと疲れが湧いてきた。吹っ切れた、と言えば良いのか、少しばかり楽になった。
それなのに、優しくするセルザイト殿下は酷ではないだろうか。
「いえ・・・・」
セルザイト殿下を困らせてしまったのかもしれないと、少しばかり反省する。
優しい人だからこそ、泣いていたりする人を放っておけないだろう。
「・・・・・以前の恋人が・・・・・恋しくなったのですか?・・・・・」
小さく、切なげな声。そんな声音は胸の鼓動を早く煩くさせる。
都合の良い、聞き間違いではないかと、返事のしようがない。
「私との結婚、後悔していますか?」
「そんなことはありません!」
たとえ、愛されていなくても好きな人と結婚できる。それは良いことである。それに王宮にいる人達の話によれば、セルザイト殿下は魔力がないことでたくさん辛い思いをしているそうだ。
「ディオルガのことはまだ想っていらっしゃるのですか?」
ディオルガのこと、もちろん好きだ。だけど、そういう意味の好きではない。初めから恋情など無い。だから寂しさはあっても、辛く感じたりしない。ディオルガも同じだろう。
「もう、終わったことですから、そんなことありません。」
こんな話終わらせてしまいたい、これが今の本心だ。セルザイト殿下と話せることはとても嬉しいが、なんだかリネアの話を聞くはめになりそうで嫌だ。
いくら吹っ切れたと言っても、リネアの話をセルザイト殿下の口から聞くのは辛い。
「だったらなぜディオルガとあそこまで、親しくするのです?私といるより、ディオルガの側にいたいからなのではないですか?」
くるりと背を向けて言う。
怒っている・・・のだろうか。噂の立ちやすい王宮内で、新婚早々に異性と会うのはあまり良くなかったのだろうか。
それに、ディオルガと一緒にいるのは安心するし楽しいけれど、セルザイト殿下と一緒にいた方がずっと幸福だ。
「私は、セルザイト殿下のお側に・・・」
「あなたのその優しさは、今の私にとったら私を苦しめるだけですっ!こんな婚姻、忘れてしまってください!」
初めて、セルザイト殿下が声を荒げるところを見て、驚く。
そしてその発言に、傷ついた。苦しくて、視界が揺らぐ。
ひどく動揺して、焦って、心の中がかき乱される。
「セルザイト殿下?」
「アーシャ殿は、リネアのことどう思いますか?」
静けさを帯びた声。分からないセルザイト殿下の心情。
「良いと思います。私もあんな風に上品な女性になりたいと思います。」
大嘘だ。本当は大嫌いで、いなくなってしまえばいいと思う。
自分でもどれほど性格が悪いのかと思ってしまうが、セルザイト殿下に愛されたい。そんな気持ちが、どんどん悪い方に傾いているような気がする。
「っ、私はディオルガは嫌いです。アーシャ殿はあぁいう男性が好きなのかもしませんが、私は好きになれません。アーシャ殿がご存知ないだけで、愛人がいたり、遊び人のような気がします。
この機に距離をとったらどうです?」
なぜセルザイト殿下はディオルガの話ばかりするのだろう、という疑問が湧く。セルザイト殿下のことが好きなこちらからすれば、リネアの話なんてどうでもいいが、セルザイト殿下はディオルガのことも多少気になるのだろうか。
想ってもらえていない証拠である。
「ディオルガはそんな悪い人じゃないですよ。少しばかり疎いところもありますが、優しいですし、交際している間に他の方を想ったりするようなことも無かったと思います。」
真面目なセルザイト殿下はディオルガが軽率なように見えるのかもしれないが、優しいし、面倒見がいい。
やっぱり兄のような、父親のような気がする。
家族であることには違いないのだ。
「どうしてアーシャ殿は私が伝えたいことを分かってくれないのですっ!」
突然怒ったり、静かになったり、今夜のセルザイト殿下は情緒不安定だ。たくさんの人に挨拶をしたりしていたから、疲れているのだろうか。
だったら早く寝れば良いのに・・・・
「セルザイト殿下だって私の気持ち、分かってないでしょう?」
つい本音を漏らしてしまった。セルザイト殿下が伝えたいことなんて分からない。もしかしたら、セルザイト殿下はリネアが好きだから、ディオルガとの関係を続けても良いと言いたいのだろうか。
そんなこと知りたくも、聞きたくもない。
「知りたくないので、知ろうとしないのです!もういいです。
・・・どうせ、アーシャ殿はいつになっても私のことなんて・・・・・・・・・・・・・想ってくださらない・・・・・・・・・・」
どんどん小さくなる声も、こんな距離では聞こえる。
「セルザイト殿下、今なんておっしゃいましたか?」
今度こそちゃんと聞きたかった。意思が分からないまま、これから先生活していくのは良くないと思う。
「私はアーシャ殿のことが好きなんです。」
ぎゅっと抱きしめられ、心臓が飛び跳ねる。
「だから・・・・ディオルガと親しげにしているアーシャ殿はとても楽しそう見えて、嫌で嫌で仕方がないのです。」
耳元で切なげに囁かれる甘すぎる言葉。
嬉しくて、それでも信じられないことがもどかしい。
「私もセルザイト殿下のことを・・・」
「無理してそんなことを言わないでください。」
それならその腕を緩めればいいのに、離さない。
「セルザイト殿下のことを心の底からお慕いしております。殿下のお側にいさせてください。」
ゆっくりと近づき、唇と唇が甘く交わる。
幸せとは何か、そんなものを掴んだような気がする。
大きく、質の良い寝台。横になると、どっと疲れが湧いてきた。吹っ切れた、と言えば良いのか、少しばかり楽になった。
それなのに、優しくするセルザイト殿下は酷ではないだろうか。
「いえ・・・・」
セルザイト殿下を困らせてしまったのかもしれないと、少しばかり反省する。
優しい人だからこそ、泣いていたりする人を放っておけないだろう。
「・・・・・以前の恋人が・・・・・恋しくなったのですか?・・・・・」
小さく、切なげな声。そんな声音は胸の鼓動を早く煩くさせる。
都合の良い、聞き間違いではないかと、返事のしようがない。
「私との結婚、後悔していますか?」
「そんなことはありません!」
たとえ、愛されていなくても好きな人と結婚できる。それは良いことである。それに王宮にいる人達の話によれば、セルザイト殿下は魔力がないことでたくさん辛い思いをしているそうだ。
「ディオルガのことはまだ想っていらっしゃるのですか?」
ディオルガのこと、もちろん好きだ。だけど、そういう意味の好きではない。初めから恋情など無い。だから寂しさはあっても、辛く感じたりしない。ディオルガも同じだろう。
「もう、終わったことですから、そんなことありません。」
こんな話終わらせてしまいたい、これが今の本心だ。セルザイト殿下と話せることはとても嬉しいが、なんだかリネアの話を聞くはめになりそうで嫌だ。
いくら吹っ切れたと言っても、リネアの話をセルザイト殿下の口から聞くのは辛い。
「だったらなぜディオルガとあそこまで、親しくするのです?私といるより、ディオルガの側にいたいからなのではないですか?」
くるりと背を向けて言う。
怒っている・・・のだろうか。噂の立ちやすい王宮内で、新婚早々に異性と会うのはあまり良くなかったのだろうか。
それに、ディオルガと一緒にいるのは安心するし楽しいけれど、セルザイト殿下と一緒にいた方がずっと幸福だ。
「私は、セルザイト殿下のお側に・・・」
「あなたのその優しさは、今の私にとったら私を苦しめるだけですっ!こんな婚姻、忘れてしまってください!」
初めて、セルザイト殿下が声を荒げるところを見て、驚く。
そしてその発言に、傷ついた。苦しくて、視界が揺らぐ。
ひどく動揺して、焦って、心の中がかき乱される。
「セルザイト殿下?」
「アーシャ殿は、リネアのことどう思いますか?」
静けさを帯びた声。分からないセルザイト殿下の心情。
「良いと思います。私もあんな風に上品な女性になりたいと思います。」
大嘘だ。本当は大嫌いで、いなくなってしまえばいいと思う。
自分でもどれほど性格が悪いのかと思ってしまうが、セルザイト殿下に愛されたい。そんな気持ちが、どんどん悪い方に傾いているような気がする。
「っ、私はディオルガは嫌いです。アーシャ殿はあぁいう男性が好きなのかもしませんが、私は好きになれません。アーシャ殿がご存知ないだけで、愛人がいたり、遊び人のような気がします。
この機に距離をとったらどうです?」
なぜセルザイト殿下はディオルガの話ばかりするのだろう、という疑問が湧く。セルザイト殿下のことが好きなこちらからすれば、リネアの話なんてどうでもいいが、セルザイト殿下はディオルガのことも多少気になるのだろうか。
想ってもらえていない証拠である。
「ディオルガはそんな悪い人じゃないですよ。少しばかり疎いところもありますが、優しいですし、交際している間に他の方を想ったりするようなことも無かったと思います。」
真面目なセルザイト殿下はディオルガが軽率なように見えるのかもしれないが、優しいし、面倒見がいい。
やっぱり兄のような、父親のような気がする。
家族であることには違いないのだ。
「どうしてアーシャ殿は私が伝えたいことを分かってくれないのですっ!」
突然怒ったり、静かになったり、今夜のセルザイト殿下は情緒不安定だ。たくさんの人に挨拶をしたりしていたから、疲れているのだろうか。
だったら早く寝れば良いのに・・・・
「セルザイト殿下だって私の気持ち、分かってないでしょう?」
つい本音を漏らしてしまった。セルザイト殿下が伝えたいことなんて分からない。もしかしたら、セルザイト殿下はリネアが好きだから、ディオルガとの関係を続けても良いと言いたいのだろうか。
そんなこと知りたくも、聞きたくもない。
「知りたくないので、知ろうとしないのです!もういいです。
・・・どうせ、アーシャ殿はいつになっても私のことなんて・・・・・・・・・・・・・想ってくださらない・・・・・・・・・・」
どんどん小さくなる声も、こんな距離では聞こえる。
「セルザイト殿下、今なんておっしゃいましたか?」
今度こそちゃんと聞きたかった。意思が分からないまま、これから先生活していくのは良くないと思う。
「私はアーシャ殿のことが好きなんです。」
ぎゅっと抱きしめられ、心臓が飛び跳ねる。
「だから・・・・ディオルガと親しげにしているアーシャ殿はとても楽しそう見えて、嫌で嫌で仕方がないのです。」
耳元で切なげに囁かれる甘すぎる言葉。
嬉しくて、それでも信じられないことがもどかしい。
「私もセルザイト殿下のことを・・・」
「無理してそんなことを言わないでください。」
それならその腕を緩めればいいのに、離さない。
「セルザイト殿下のことを心の底からお慕いしております。殿下のお側にいさせてください。」
ゆっくりと近づき、唇と唇が甘く交わる。
幸せとは何か、そんなものを掴んだような気がする。
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