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こんな妻と末長く
一人ぼっちの奥様に、寄り添う俺は子持ちだよん
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「お馬鹿なオディール姫ね・・・・見てみたいよ」
何か考えるように首を傾げながら、たった一人の護衛のベイルは笑った。ギレイベリアに来てから、ベイルに会っていなかった。
オディールはベイルの髪を背後から、ワシャワシャっと崩した。昔からなんとなくこれをやっている。当然オディールに悪意はないし、嫌がる素振りをするベイルも実際は嫌ではない。
「こんなところにいて良いの?」
「え、ダメなの?」
ギレイベリアとフォルゲンカトゥルは、それなりの距離があり、早くても一日弱はかかる。来てくれることは嬉しいが、ベイルはまだ子供が産まれて間もないので、ベイルには家族のことを大事にしてほしい。
「奥さん怒ったりしない?」
オディールは自身が原因で、二人の夫婦間を崩すようなこともしたくなかった。
「それがねぇ・・・サワワが子供のことばっかでね!俺のこと放ったらかしにするんだよ!だからねっ、サワワになんにも言わないでオディールのとこまで来てやった」
サワワとは、ベイルが溺愛している妻で、子供に嫉妬した。よくあるような、ないような話だけれど、要はそれで拗ねて家出して来た。大人気ないにもほどがあるベイルに、オディールは軽蔑の視線をさりげなく送る。
「父親にもなって、良い加減にしなさい!もう、サワリエさんに同情する・・・」
「同情って何!」
「同情は同情。子供っぽい旦那を持つサワリエさんに同情」
「ひっど!オディールなら分かってくれると思ったのにっ!」
そっぽを向くベイルに、毒を吐きながらふっとオディールは微笑んだ。
ベイルは孤児で、ベイルの母親がオディールの母親の従姉妹だった。そのため、王都から離れた場所で一緒に育てられた。だから、親戚でもありつつ、兄妹のようなものである。
互いに家族がいなくて、互いに一人だった。育てられたといえど、定年を迎えたが家でじっとしていられない元メイド。そんな彼女も昨年亡くなり、少ない人数でも葬儀は行った。
「そういうオディールは旦那サンとはどうなの?」
「どうって言われても・・・」
まだ正式に結婚していないので、国王も執務があり忙しいようだ。
避けられているのかもしれないが、仕方がない。
「まぁ、政略とかよく知らないけどさ。結婚しちゃって良かったの?」
「良いも悪いも、ギレイベリアを・・・」
「あの人は?約束したんでしょ?だったら待ってないと会えないよ」
「だって私が覚えていても、彼が覚えていてくれなかったら意味ないじゃない」
自分の声が少しばかり小さくなり、悲しいという気持ちでいっぱいになる。
彼に覚えていてほしいし、今度こそ一緒に幸せになりたいというオディールの願望はちっとも薄まらなかった。
高望みはしない。ただ側に居られれば・・・それだけのことですら今は叶わない。
「ギレイベリアの国王、良い人だと良いね」
静かに微笑みを浮かべただベイルの瞳は意味深に煌めいていた。
何か考えるように首を傾げながら、たった一人の護衛のベイルは笑った。ギレイベリアに来てから、ベイルに会っていなかった。
オディールはベイルの髪を背後から、ワシャワシャっと崩した。昔からなんとなくこれをやっている。当然オディールに悪意はないし、嫌がる素振りをするベイルも実際は嫌ではない。
「こんなところにいて良いの?」
「え、ダメなの?」
ギレイベリアとフォルゲンカトゥルは、それなりの距離があり、早くても一日弱はかかる。来てくれることは嬉しいが、ベイルはまだ子供が産まれて間もないので、ベイルには家族のことを大事にしてほしい。
「奥さん怒ったりしない?」
オディールは自身が原因で、二人の夫婦間を崩すようなこともしたくなかった。
「それがねぇ・・・サワワが子供のことばっかでね!俺のこと放ったらかしにするんだよ!だからねっ、サワワになんにも言わないでオディールのとこまで来てやった」
サワワとは、ベイルが溺愛している妻で、子供に嫉妬した。よくあるような、ないような話だけれど、要はそれで拗ねて家出して来た。大人気ないにもほどがあるベイルに、オディールは軽蔑の視線をさりげなく送る。
「父親にもなって、良い加減にしなさい!もう、サワリエさんに同情する・・・」
「同情って何!」
「同情は同情。子供っぽい旦那を持つサワリエさんに同情」
「ひっど!オディールなら分かってくれると思ったのにっ!」
そっぽを向くベイルに、毒を吐きながらふっとオディールは微笑んだ。
ベイルは孤児で、ベイルの母親がオディールの母親の従姉妹だった。そのため、王都から離れた場所で一緒に育てられた。だから、親戚でもありつつ、兄妹のようなものである。
互いに家族がいなくて、互いに一人だった。育てられたといえど、定年を迎えたが家でじっとしていられない元メイド。そんな彼女も昨年亡くなり、少ない人数でも葬儀は行った。
「そういうオディールは旦那サンとはどうなの?」
「どうって言われても・・・」
まだ正式に結婚していないので、国王も執務があり忙しいようだ。
避けられているのかもしれないが、仕方がない。
「まぁ、政略とかよく知らないけどさ。結婚しちゃって良かったの?」
「良いも悪いも、ギレイベリアを・・・」
「あの人は?約束したんでしょ?だったら待ってないと会えないよ」
「だって私が覚えていても、彼が覚えていてくれなかったら意味ないじゃない」
自分の声が少しばかり小さくなり、悲しいという気持ちでいっぱいになる。
彼に覚えていてほしいし、今度こそ一緒に幸せになりたいというオディールの願望はちっとも薄まらなかった。
高望みはしない。ただ側に居られれば・・・それだけのことですら今は叶わない。
「ギレイベリアの国王、良い人だと良いね」
静かに微笑みを浮かべただベイルの瞳は意味深に煌めいていた。
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