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怪しい江戸者
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「……まだ何かあるのか。今度は何だ?」
「まあ、そう怒らずとも……。お役人殿、真の凶器――留吉を殺めた道具が分かりましたぞ」
呆れ顔で肩をすくめながら振り返った捕吏の言葉に対し、怪しい江戸者が澄み切った青空のような笑顔で答えた。
「ほほう……道具が分かっただと? ならば、申してみよ」
「それは――弓矢だと思われる」
「弓矢?」
まるでお祭り騒ぎのように散々騒いでいた聴衆も、瞬時、黙りこくった。
が、再びがやがやと盛り上がって楽し気に話し出す。
「どういうことなのか、詳しく話されよ」
「つまるところ、昨晩の出来事はこうだったのだ――。
暗い宵闇の中、留吉は提灯の明かりを頼りに、仕事を終えたエカシハユイの借金の取り立てにここまでやって来た。しかし、その阿漕な商売で人から恨まれることの多い留吉を、川岸辺りで待ち受ける者が居たのだ。今のところは誰とは言えぬ。だがその者は、普段から運搬人足の元締めの留吉の近くに居る者で、留吉が昨晩ここにやって来ることを知っていた者であることは間違いない。
――さて、いよいよ近づいて来る留吉を確認したその者は、川の流れに流されないよう予め杭か何かに紐で結びつけておいた丸太に乗りながら、弓矢を放って留吉のこめかみ辺りに見事当てたのだ。後々、使った武器が弓矢とは気付かれないよう、矢尻には尖っていない平石を使ったのであろう。そうすることで、留吉の額に残った傷は鋭い矢傷ではなく、棒で打たれたかのような傷跡になったのだ」
「ふむ……。だが、弓矢を使うなら何も川に潜むまでもなく、少し離れた陸地からでも良かったのではあるまいか?」
「そのとおり、弓矢を使うなら少し離れた陸地からでも放つことはできたであろう。だが平石の矢尻ではあまり遠くまで飛ばないであろうし軌道もずれ易いから、確実に命を奪うなら至近距離であることが重要だったのだ。弓矢を使わないエカシハユイに罪を擦り付け、万が一にもその様子を誰かに見られないためにも、明かりのほとんどない川からの方が都合が良かったのだと思われる。
そして、提灯の明かりを頼りに至近距離から勢いよく放たれた石の矢尻は留吉の額に見事当り、大声を上げる間もなく、留吉はその場に倒れて絶命した。その後、真の下手人は丸太に結んであった紐を切り、そのまま丸太に乗って川の河口辺りまで移動して何食わぬ顔で岸に上がった――というわけだ。
こうして下手人は、留吉から首尾よく命を奪うとともにエカシハユイに疑いを掛けさせ、自分に関する痕跡も残すことなくこの場から逃れることができたのであろう」
――へええ、それもありだな。
――そんなことができるものか?
――あの旅の男、一体何者なのだ。
増々盛り上がる野次馬たちに、当のエカシハユイと捕吏たちがとり残された形になる。
はっ、と思い出したように、捕吏の一人が我を取り戻した。痩せ形の方だ。
「だが、それも正しいとまでは言いきれぬな。今まで見たところ、この川辺には一本の矢も落ちていない。お主、その話が正しいというならば、下手人が使ったというその矢を、ここに出してみよ」
「いや、それは無理というものだ」
「何故に?」
「それは――その姑息な下手人が、恐らくだが矢に細工をしたからだ。矢羽のところに凧糸のような紐をつけ、留吉を亡き者にした後、その糸を手繰り寄せて回収したのであろうよ。まったく……小賢しい奴だ」
「ほほう……なるほどな。それなら、確かに矢が無くても話は合う」
「お主、なかなかやるな」
遂に捕吏の二人も感心して、男の話に相槌を打った。
しかし、ひとりだけそれに納得しなかった者がいた。その話で一番助けられているはずのエカシハユイが、異を唱えたのだ。
「ちょっと待て! それが正しいことだとして、オレがやってないということにはならんだろ!」
自らは望んでもいない助け舟が気に入らないのだろうか。そんな同情など要らぬとばかり、全身の筋肉を震わせ、顔を真っ赤にして立っている。
その姿を見た旅人が、薄っすらと笑いながら言った。
「残念ではあるが、エカシハユイよ……。そのことが、下手人がそなたではないことを指し示すのだ」
「どういう事だ?」
「では私が、下手人の名前までは言えぬが、これからその人物について語るとしよう。そうすればきっと、お主の疑いは晴れる」
「……?」
江戸者らしき旅人は首を頻りに傾げる若者を一瞥した後、くるりと振り返って、大勢の野次馬を舐めるようにゆっくりと見渡した。そして、胸に息を大きく吸って、こう切り出した。
「留吉を殺めた下手人――その者は、置き去りにすると目立ってしまう船ではなく河口ではごくありふれている丸太に立ち乗りしながら弓矢を放ち、的確に石の矢尻の付いた矢を留吉の額に当てたのだ。そんな芸当ができる者で、かつ、留吉を殺める動機がある者――それは、自ずと限られてくる。
つまり下手人は、留吉からかなりの借金をしていて、元は奥州辺りでマタギをしていたので弓矢が使え、そして事情あって元の地を追われてしまったが、今ではこのアッサブ川で木材運搬の人夫をしている者――だ」
少しの間、しんと静まった聴衆。
そのとき、先程、旅の男に色々と教えてくれた人夫の男が叫んだ。
「それなら……五平太、あいつがその条件にぴったりだ!」
その声に他の誰かが呼応した。
「おう、そのとおりだ。あいつ、昔は津軽で弓矢を使うマタギしてたって話だしな」
「借金も、留吉から相当してるって噂だし」
「そういや、昼間は留吉にこき使われて、だいぶ怒ってたこともあったな」
湧き上がる声の中、大勢の聴衆の中でその場から抜け出そうとしていた男が一人いた。
抜き足差し足、そろそろと音の立たないように足を運びながら、後ろ向きに進んでいこうとする小男。
勿論、その姿を旅の男は見逃さない。
「お役人殿、本当の下手人はきっとあやつだ! ほら、あそこから逃げようとしている、あの人足の男!」
「こら、そこの者。藩の役人として訊きたい話がある、立ち止まられよ!」
大勢の聴衆が五平太の存在に気付くのは遅かった。
彼等が気付いたときには、既に五平太が着物の裾をまくりあげ、江差の湊方向に走り出していたのだ。
「ええい、完璧だと思ってたのに、どうして分かっちまったんだ。こうなりゃ、逃げてやる!」
逃げる五平太が、鼬の最後っ屁のように叫んだ。
それを聞いた二人の捕吏が、勢いよく駆けだして行く。
「五平太とやら、おとなしく捕まれ!」
「へへん、いやなこった!」
だが、威勢のいい言葉とは裏腹に、緊張からか五平太の足が盛大につんのめった。その隙に、聴衆の中の強者が五平太の行く手を塞いだ。
「くそっ、てめえらそこをどきやがれ!」
そうこうしているうちに捕吏の二人が五平太に追い着き、取り押さえた。厳つい六尺棒が遂に役に立つ時が来たのだ。
あっさりと終わった捕物劇。
それを見たた江戸者が、照れ気味の笑顔でエカシハユイに話しかける。
「なあ、エカシハユイ。言ったとおりであろう? 私が下手人の話をしたら、お主の疑いが晴れる、と」
「すごいな、あんた。どうしてあの中に下手人がいると――」
「ああ、そのことか。下手人というのはな、不安な心持ちからついつい事を起こした場所に戻って来たくなるものなのだ。この件のように、バレない自信があればあるほど、な」
「そんなものか」
「ああ、そんなものだ」
捕らえた五平太に捕吏がお縄を掛けているのを尻目に、二人は大声で笑い合った。
「まあ、そう怒らずとも……。お役人殿、真の凶器――留吉を殺めた道具が分かりましたぞ」
呆れ顔で肩をすくめながら振り返った捕吏の言葉に対し、怪しい江戸者が澄み切った青空のような笑顔で答えた。
「ほほう……道具が分かっただと? ならば、申してみよ」
「それは――弓矢だと思われる」
「弓矢?」
まるでお祭り騒ぎのように散々騒いでいた聴衆も、瞬時、黙りこくった。
が、再びがやがやと盛り上がって楽し気に話し出す。
「どういうことなのか、詳しく話されよ」
「つまるところ、昨晩の出来事はこうだったのだ――。
暗い宵闇の中、留吉は提灯の明かりを頼りに、仕事を終えたエカシハユイの借金の取り立てにここまでやって来た。しかし、その阿漕な商売で人から恨まれることの多い留吉を、川岸辺りで待ち受ける者が居たのだ。今のところは誰とは言えぬ。だがその者は、普段から運搬人足の元締めの留吉の近くに居る者で、留吉が昨晩ここにやって来ることを知っていた者であることは間違いない。
――さて、いよいよ近づいて来る留吉を確認したその者は、川の流れに流されないよう予め杭か何かに紐で結びつけておいた丸太に乗りながら、弓矢を放って留吉のこめかみ辺りに見事当てたのだ。後々、使った武器が弓矢とは気付かれないよう、矢尻には尖っていない平石を使ったのであろう。そうすることで、留吉の額に残った傷は鋭い矢傷ではなく、棒で打たれたかのような傷跡になったのだ」
「ふむ……。だが、弓矢を使うなら何も川に潜むまでもなく、少し離れた陸地からでも良かったのではあるまいか?」
「そのとおり、弓矢を使うなら少し離れた陸地からでも放つことはできたであろう。だが平石の矢尻ではあまり遠くまで飛ばないであろうし軌道もずれ易いから、確実に命を奪うなら至近距離であることが重要だったのだ。弓矢を使わないエカシハユイに罪を擦り付け、万が一にもその様子を誰かに見られないためにも、明かりのほとんどない川からの方が都合が良かったのだと思われる。
そして、提灯の明かりを頼りに至近距離から勢いよく放たれた石の矢尻は留吉の額に見事当り、大声を上げる間もなく、留吉はその場に倒れて絶命した。その後、真の下手人は丸太に結んであった紐を切り、そのまま丸太に乗って川の河口辺りまで移動して何食わぬ顔で岸に上がった――というわけだ。
こうして下手人は、留吉から首尾よく命を奪うとともにエカシハユイに疑いを掛けさせ、自分に関する痕跡も残すことなくこの場から逃れることができたのであろう」
――へええ、それもありだな。
――そんなことができるものか?
――あの旅の男、一体何者なのだ。
増々盛り上がる野次馬たちに、当のエカシハユイと捕吏たちがとり残された形になる。
はっ、と思い出したように、捕吏の一人が我を取り戻した。痩せ形の方だ。
「だが、それも正しいとまでは言いきれぬな。今まで見たところ、この川辺には一本の矢も落ちていない。お主、その話が正しいというならば、下手人が使ったというその矢を、ここに出してみよ」
「いや、それは無理というものだ」
「何故に?」
「それは――その姑息な下手人が、恐らくだが矢に細工をしたからだ。矢羽のところに凧糸のような紐をつけ、留吉を亡き者にした後、その糸を手繰り寄せて回収したのであろうよ。まったく……小賢しい奴だ」
「ほほう……なるほどな。それなら、確かに矢が無くても話は合う」
「お主、なかなかやるな」
遂に捕吏の二人も感心して、男の話に相槌を打った。
しかし、ひとりだけそれに納得しなかった者がいた。その話で一番助けられているはずのエカシハユイが、異を唱えたのだ。
「ちょっと待て! それが正しいことだとして、オレがやってないということにはならんだろ!」
自らは望んでもいない助け舟が気に入らないのだろうか。そんな同情など要らぬとばかり、全身の筋肉を震わせ、顔を真っ赤にして立っている。
その姿を見た旅人が、薄っすらと笑いながら言った。
「残念ではあるが、エカシハユイよ……。そのことが、下手人がそなたではないことを指し示すのだ」
「どういう事だ?」
「では私が、下手人の名前までは言えぬが、これからその人物について語るとしよう。そうすればきっと、お主の疑いは晴れる」
「……?」
江戸者らしき旅人は首を頻りに傾げる若者を一瞥した後、くるりと振り返って、大勢の野次馬を舐めるようにゆっくりと見渡した。そして、胸に息を大きく吸って、こう切り出した。
「留吉を殺めた下手人――その者は、置き去りにすると目立ってしまう船ではなく河口ではごくありふれている丸太に立ち乗りしながら弓矢を放ち、的確に石の矢尻の付いた矢を留吉の額に当てたのだ。そんな芸当ができる者で、かつ、留吉を殺める動機がある者――それは、自ずと限られてくる。
つまり下手人は、留吉からかなりの借金をしていて、元は奥州辺りでマタギをしていたので弓矢が使え、そして事情あって元の地を追われてしまったが、今ではこのアッサブ川で木材運搬の人夫をしている者――だ」
少しの間、しんと静まった聴衆。
そのとき、先程、旅の男に色々と教えてくれた人夫の男が叫んだ。
「それなら……五平太、あいつがその条件にぴったりだ!」
その声に他の誰かが呼応した。
「おう、そのとおりだ。あいつ、昔は津軽で弓矢を使うマタギしてたって話だしな」
「借金も、留吉から相当してるって噂だし」
「そういや、昼間は留吉にこき使われて、だいぶ怒ってたこともあったな」
湧き上がる声の中、大勢の聴衆の中でその場から抜け出そうとしていた男が一人いた。
抜き足差し足、そろそろと音の立たないように足を運びながら、後ろ向きに進んでいこうとする小男。
勿論、その姿を旅の男は見逃さない。
「お役人殿、本当の下手人はきっとあやつだ! ほら、あそこから逃げようとしている、あの人足の男!」
「こら、そこの者。藩の役人として訊きたい話がある、立ち止まられよ!」
大勢の聴衆が五平太の存在に気付くのは遅かった。
彼等が気付いたときには、既に五平太が着物の裾をまくりあげ、江差の湊方向に走り出していたのだ。
「ええい、完璧だと思ってたのに、どうして分かっちまったんだ。こうなりゃ、逃げてやる!」
逃げる五平太が、鼬の最後っ屁のように叫んだ。
それを聞いた二人の捕吏が、勢いよく駆けだして行く。
「五平太とやら、おとなしく捕まれ!」
「へへん、いやなこった!」
だが、威勢のいい言葉とは裏腹に、緊張からか五平太の足が盛大につんのめった。その隙に、聴衆の中の強者が五平太の行く手を塞いだ。
「くそっ、てめえらそこをどきやがれ!」
そうこうしているうちに捕吏の二人が五平太に追い着き、取り押さえた。厳つい六尺棒が遂に役に立つ時が来たのだ。
あっさりと終わった捕物劇。
それを見たた江戸者が、照れ気味の笑顔でエカシハユイに話しかける。
「なあ、エカシハユイ。言ったとおりであろう? 私が下手人の話をしたら、お主の疑いが晴れる、と」
「すごいな、あんた。どうしてあの中に下手人がいると――」
「ああ、そのことか。下手人というのはな、不安な心持ちからついつい事を起こした場所に戻って来たくなるものなのだ。この件のように、バレない自信があればあるほど、な」
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