40 / 1,316
第4章 マニリア帝国編
第40話 宿舎に戻って そこでついに怪異と出会う
しおりを挟む
オントールと別れた後、オレは後宮の中をあちこち見て回っていたが、とりあえず異変のたぐいは感じられなかった。
まあ怪異が宮女を襲うのは、これまでのところ月に一件程度ということなので、何も無い方が普通なのだ。
一日も早くこんな後宮など出ていきたいオレとしては、さっさと怪異が姿を見せて、スピード解決したいところだが、それは要するに宮女が襲撃されるわけなので、さすがにそんな事を願うのは不謹慎に過ぎるだろう。
まあ正直なところ、怪異が出たところでオレに何が出来るのか、不安も多いのでいろいろと内心では複雑だ。
やっぱりこういう場合、お約束のパターンだと過去に不慮の死を遂げた宮女だの、内戦や権力闘争で犠牲になった貴族だのの遺骸が、この後宮のどこかに葬られていてそれが呪いをかけているとか、いにしえの悪霊が封じられていたが庭園の工事によって封印が解かれてしまったとかが、ありがちな展開だろうか。
正直、そのいずれのパターンでも自分から関わり合いになんぞなりたくもないのだが、事情を知ってしまったからには仕方ない。
オレに出来る事をやるしかないのだ――なんで基本、回復・支援役のオレがひとりで出張らないといけないんだという不満は胸中に渦巻いているけどな!
せめて近接戦闘要員と、魔術師、隠密役あたりを加えたバランスのとれたパーティ構成にしてくれよ!
いくら回復役は基本的に多芸で、いろいろな役目につぶしがきくといっても、程度問題だろうが!
ひとりで前に出るなんて、パーティ全滅寸前の状況じゃないか。
そもそもオレは能力・立場的には後方から指揮する役目で、ハーレムの面々の長所を生かした編成を組み、時には励まし、時には傷を治し、時には肩を並べて戦って信頼を築いていくものじゃないのか!
などと内心で喚いたところで現実はどうしようもない。
今のオレの身体が女であるのと同じく、不都合な事から目を背けてもいいことは何もないのである。
とりあえずこの晩はオントール長官との出会い以外には特筆すべきことは何も無かったわけで、そろそろ自分の部屋に戻ろうと宮女の宿舎区画に足を踏み入れた。
例によって視界の中で動いているのは、あちこちの鏡に映るオレの姿だけという状況だ。
魔術で夜目を強化して、暗がりでもちゃんと見えるようにしていなかったらさぞかし恐ろしい光景だろう。
とりあえず約束ではこの後、ユリフィラスの話し相手を務めることになる。
会話をすると一枚も二枚も彼女が上手で、さんざん手玉にとられているのだが、それでもどこか彼女とあって話をすることに期待している自分が心の片隅にいた。
敢えて言えば『惹かれるものを感じる』というところだろうか。
まあ『夜中に女の子の個室を訪れ、手玉に取られつつも会話を楽しむ』というのは、それなりに男らしい行為だと思っておこう。
そんな事を考えつつ、宮女の宿舎の廊下を歩いているオレの耳に、くぐもった声が聞こえてきた。
なんだ? まさか?!
もちろんこの世界の建物は、防音設備などついていないが、それでも部屋の中の声が外から素通しということは無い。
魔術で聴覚を強化した、オレの耳だからこそ聞こえてきているのだ。
(た、たすけて……)
これは女の悲鳴?
いや。まあ元の世界でもアニメや漫画で星の数ほど出会ってきたが、まさか自分自身が直接耳にするとは思っていなかった。
ありふれた助けを呼ぶ声が、まるではじめて聞いたかのように耳に響いたよ――じゃなくて!
いったいどこからだ?!
オレはくぐもった悲鳴の挙がっている部屋に向けて、全力で駆けつけた。
たどり着いたその部屋は、記憶では以前に風呂場で自称『次期皇后』だと言って、オレやデレンダにひれ伏すことを要求したきたエジーラの部屋だったはずだ。
(誰か……来て……お願い)
中から挙がる苦しげな声は、明らかに一刻を争う事態を示していた。
ドアに手を伸ばしかけて、オレは一瞬だが躊躇する。
デレンダやユリフィラスならともかく、ぶっちゃけ他の宮女を命がけで助ける義理はないし、何より怪異はオレだって怖いのだ。
だがここで見て見ぬふりなんか出来るわけがない!
オレの血潮は胸中で沸き立ち、体内の魔力を扉にたたきつける。《植物歪曲(ワープ・ウッド)》でドアをねじ曲げて鍵を無効化して、オレは歪み半ば開いたドアの隙間に手を突っ込んで強引に引っぺがし、中に飛び込んだ。
--------------------------------------------------
飛び込んだ部屋の中の光景は、オレの目を奪うに値する恐るべきものだった。
「こ、これはいったい……」
部屋の中にいたエジーラの身体は『漆黒の雲』とでも言うべきものに覆われ、その身体の殆どが埋め尽くされつつあった。
現在では外から見えるのは、ほぼ突き出た腕と、頭部ぐらいでしかない。
これが宮女を襲っていた『怪異』なのか?
正体は一体何だ?!
いや。これが怪異であろうがなかろうが、こんな事になっているのを放っておくわけにはいかないじゃないか!
「お願い……助けて……」
エジーラはオレに対して、すがるような視線と共に手を差し出してくる。
今のオレが男だったら、これでフラグが立ったと喜べる場面だろうか。
もっともさすがにそこまで楽観的にはなれそうにない!
とりあえず今のオレに出来る事はなんだ?
オレの《霊視》で見る限り、この『漆黒の雲』は少なくとも生きている存在ではない。そして何らかの意志があることも分る。
だが正直に言ってオレに分るのはそこまでだ。
残念ながらシャーマンやドルイド系魔術が使えるということと、オレがその魔術を使う職業の知識を有しているかは別問題なのだから仕方ない。
そもそも魔術の能力だけでなく、職業の知識まであったら、オレだって聖女教会に女にされる前に逃げ出していたよ!
ええい! 今はそんな愚痴をこぼしている場合ではない!
とにかく思いつく限りの事を試してみるしかない!
オレは思い切って接近すると、伸ばされたエジーラの手をつかんだ。
ここはひとまず【除霊】をかけて、エジーラがこれ以上この相手に侵食されるのを防ぐ!
そうすると『漆黒の雲』はまるで驚いたかのように、ビクリと反射的にエジーラから引き下がる。
これはチャンス!
オレはエジーラの手をつかんで、引っ張り出そうとするものの、やっぱり『乙女の細腕』では無理があるのか、ビクともしない。
そしてオレが力を込めたところで『漆黒の雲』はいきなりエジーラの手を伝わって、オレに腕にからみつく。
しまった! エジーラには【除霊】をかけたが、自分にかけておくのを忘れてた!
そしてその瞬間、オレの腕を伝わって『何か』がこちらの意識に入り込んできた。
そのときオレの脳裏に浮かんだのは、無数の人々が苦悶の表情で声なき悲鳴を挙げている、そんな光景だった。
黒い雲――敢えて相応しい表現をするなら『瘴気』――が次から次へと人の顔となって苦しんでは消え、また次の顔が生み出されては苦しみを見せて消える。
それはそんな風に感じられるものだった。
なんだよこれ?
そりゃこんな瘴気に取り込まれたら、正気を失って当然だ!
しかしそれならそれでなぜこんな瘴気が、この後宮に集まっているんだ?
いったいどうして?
オレが驚愕していると、腕を伝わって瘴気はどんどんこちらの身体を昇ってくる。
どうやらコイツは標的をエジーラではなく、こちらに切り替えたらしい。
それはいいけど獲物の見切りが早すぎるぞ!
もうちょっとがんばれよ!
せめてこっちが迎え撃つ準備を整える時間ぐらい与えてくれ!
オレが動揺していると、あっという間にこちらの身体を覆い尽くすように瘴気の大部分が巻き付いてきた。
ただ幸いにもエジーラの身体からは大部分が離れてくれた。これなら。彼女は大丈夫だろう。
もっともオレは全然、大丈夫じゃないけどな!
「……」
瘴気から解放された様子のエジーラは一瞬、こちらの方に視線を向け、そしてそのまま駆け出すと部屋から飛び出ていく。
もちろん後には瘴気にまとわりつかれたオレが一人取り残される。
いや。いいんだよ。エジーラがいても何の役にも立たないんだから、さっさと逃げ出すのは正しい選択だ。
たぶんオレが彼女でも同じ事をしただろう。だからオレは落胆していないぞ。落胆なんかしていないって――
いや。これはどう考えてもまずいだろ!
思考がマイナス方向に行っているのも、きっとオレが既に瘴気に取り込まれつつあるからではないのか。
だがエジーラがいなくなった以上、もはや誰かに見られる事を恐れる必要は無い!
そうだ。これでいける!
オレは全力で魔力を解放して、この瘴気を迎え撃つことにした。
まあ怪異が宮女を襲うのは、これまでのところ月に一件程度ということなので、何も無い方が普通なのだ。
一日も早くこんな後宮など出ていきたいオレとしては、さっさと怪異が姿を見せて、スピード解決したいところだが、それは要するに宮女が襲撃されるわけなので、さすがにそんな事を願うのは不謹慎に過ぎるだろう。
まあ正直なところ、怪異が出たところでオレに何が出来るのか、不安も多いのでいろいろと内心では複雑だ。
やっぱりこういう場合、お約束のパターンだと過去に不慮の死を遂げた宮女だの、内戦や権力闘争で犠牲になった貴族だのの遺骸が、この後宮のどこかに葬られていてそれが呪いをかけているとか、いにしえの悪霊が封じられていたが庭園の工事によって封印が解かれてしまったとかが、ありがちな展開だろうか。
正直、そのいずれのパターンでも自分から関わり合いになんぞなりたくもないのだが、事情を知ってしまったからには仕方ない。
オレに出来る事をやるしかないのだ――なんで基本、回復・支援役のオレがひとりで出張らないといけないんだという不満は胸中に渦巻いているけどな!
せめて近接戦闘要員と、魔術師、隠密役あたりを加えたバランスのとれたパーティ構成にしてくれよ!
いくら回復役は基本的に多芸で、いろいろな役目につぶしがきくといっても、程度問題だろうが!
ひとりで前に出るなんて、パーティ全滅寸前の状況じゃないか。
そもそもオレは能力・立場的には後方から指揮する役目で、ハーレムの面々の長所を生かした編成を組み、時には励まし、時には傷を治し、時には肩を並べて戦って信頼を築いていくものじゃないのか!
などと内心で喚いたところで現実はどうしようもない。
今のオレの身体が女であるのと同じく、不都合な事から目を背けてもいいことは何もないのである。
とりあえずこの晩はオントール長官との出会い以外には特筆すべきことは何も無かったわけで、そろそろ自分の部屋に戻ろうと宮女の宿舎区画に足を踏み入れた。
例によって視界の中で動いているのは、あちこちの鏡に映るオレの姿だけという状況だ。
魔術で夜目を強化して、暗がりでもちゃんと見えるようにしていなかったらさぞかし恐ろしい光景だろう。
とりあえず約束ではこの後、ユリフィラスの話し相手を務めることになる。
会話をすると一枚も二枚も彼女が上手で、さんざん手玉にとられているのだが、それでもどこか彼女とあって話をすることに期待している自分が心の片隅にいた。
敢えて言えば『惹かれるものを感じる』というところだろうか。
まあ『夜中に女の子の個室を訪れ、手玉に取られつつも会話を楽しむ』というのは、それなりに男らしい行為だと思っておこう。
そんな事を考えつつ、宮女の宿舎の廊下を歩いているオレの耳に、くぐもった声が聞こえてきた。
なんだ? まさか?!
もちろんこの世界の建物は、防音設備などついていないが、それでも部屋の中の声が外から素通しということは無い。
魔術で聴覚を強化した、オレの耳だからこそ聞こえてきているのだ。
(た、たすけて……)
これは女の悲鳴?
いや。まあ元の世界でもアニメや漫画で星の数ほど出会ってきたが、まさか自分自身が直接耳にするとは思っていなかった。
ありふれた助けを呼ぶ声が、まるではじめて聞いたかのように耳に響いたよ――じゃなくて!
いったいどこからだ?!
オレはくぐもった悲鳴の挙がっている部屋に向けて、全力で駆けつけた。
たどり着いたその部屋は、記憶では以前に風呂場で自称『次期皇后』だと言って、オレやデレンダにひれ伏すことを要求したきたエジーラの部屋だったはずだ。
(誰か……来て……お願い)
中から挙がる苦しげな声は、明らかに一刻を争う事態を示していた。
ドアに手を伸ばしかけて、オレは一瞬だが躊躇する。
デレンダやユリフィラスならともかく、ぶっちゃけ他の宮女を命がけで助ける義理はないし、何より怪異はオレだって怖いのだ。
だがここで見て見ぬふりなんか出来るわけがない!
オレの血潮は胸中で沸き立ち、体内の魔力を扉にたたきつける。《植物歪曲(ワープ・ウッド)》でドアをねじ曲げて鍵を無効化して、オレは歪み半ば開いたドアの隙間に手を突っ込んで強引に引っぺがし、中に飛び込んだ。
--------------------------------------------------
飛び込んだ部屋の中の光景は、オレの目を奪うに値する恐るべきものだった。
「こ、これはいったい……」
部屋の中にいたエジーラの身体は『漆黒の雲』とでも言うべきものに覆われ、その身体の殆どが埋め尽くされつつあった。
現在では外から見えるのは、ほぼ突き出た腕と、頭部ぐらいでしかない。
これが宮女を襲っていた『怪異』なのか?
正体は一体何だ?!
いや。これが怪異であろうがなかろうが、こんな事になっているのを放っておくわけにはいかないじゃないか!
「お願い……助けて……」
エジーラはオレに対して、すがるような視線と共に手を差し出してくる。
今のオレが男だったら、これでフラグが立ったと喜べる場面だろうか。
もっともさすがにそこまで楽観的にはなれそうにない!
とりあえず今のオレに出来る事はなんだ?
オレの《霊視》で見る限り、この『漆黒の雲』は少なくとも生きている存在ではない。そして何らかの意志があることも分る。
だが正直に言ってオレに分るのはそこまでだ。
残念ながらシャーマンやドルイド系魔術が使えるということと、オレがその魔術を使う職業の知識を有しているかは別問題なのだから仕方ない。
そもそも魔術の能力だけでなく、職業の知識まであったら、オレだって聖女教会に女にされる前に逃げ出していたよ!
ええい! 今はそんな愚痴をこぼしている場合ではない!
とにかく思いつく限りの事を試してみるしかない!
オレは思い切って接近すると、伸ばされたエジーラの手をつかんだ。
ここはひとまず【除霊】をかけて、エジーラがこれ以上この相手に侵食されるのを防ぐ!
そうすると『漆黒の雲』はまるで驚いたかのように、ビクリと反射的にエジーラから引き下がる。
これはチャンス!
オレはエジーラの手をつかんで、引っ張り出そうとするものの、やっぱり『乙女の細腕』では無理があるのか、ビクともしない。
そしてオレが力を込めたところで『漆黒の雲』はいきなりエジーラの手を伝わって、オレに腕にからみつく。
しまった! エジーラには【除霊】をかけたが、自分にかけておくのを忘れてた!
そしてその瞬間、オレの腕を伝わって『何か』がこちらの意識に入り込んできた。
そのときオレの脳裏に浮かんだのは、無数の人々が苦悶の表情で声なき悲鳴を挙げている、そんな光景だった。
黒い雲――敢えて相応しい表現をするなら『瘴気』――が次から次へと人の顔となって苦しんでは消え、また次の顔が生み出されては苦しみを見せて消える。
それはそんな風に感じられるものだった。
なんだよこれ?
そりゃこんな瘴気に取り込まれたら、正気を失って当然だ!
しかしそれならそれでなぜこんな瘴気が、この後宮に集まっているんだ?
いったいどうして?
オレが驚愕していると、腕を伝わって瘴気はどんどんこちらの身体を昇ってくる。
どうやらコイツは標的をエジーラではなく、こちらに切り替えたらしい。
それはいいけど獲物の見切りが早すぎるぞ!
もうちょっとがんばれよ!
せめてこっちが迎え撃つ準備を整える時間ぐらい与えてくれ!
オレが動揺していると、あっという間にこちらの身体を覆い尽くすように瘴気の大部分が巻き付いてきた。
ただ幸いにもエジーラの身体からは大部分が離れてくれた。これなら。彼女は大丈夫だろう。
もっともオレは全然、大丈夫じゃないけどな!
「……」
瘴気から解放された様子のエジーラは一瞬、こちらの方に視線を向け、そしてそのまま駆け出すと部屋から飛び出ていく。
もちろん後には瘴気にまとわりつかれたオレが一人取り残される。
いや。いいんだよ。エジーラがいても何の役にも立たないんだから、さっさと逃げ出すのは正しい選択だ。
たぶんオレが彼女でも同じ事をしただろう。だからオレは落胆していないぞ。落胆なんかしていないって――
いや。これはどう考えてもまずいだろ!
思考がマイナス方向に行っているのも、きっとオレが既に瘴気に取り込まれつつあるからではないのか。
だがエジーラがいなくなった以上、もはや誰かに見られる事を恐れる必要は無い!
そうだ。これでいける!
オレは全力で魔力を解放して、この瘴気を迎え撃つことにした。
3
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる