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第5章 辺境の地にて
第62話 一神教徒と多神教徒
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オスリラはズイと顔を近づけつつオレに問いかけてくる。
「一神教徒にお会いになったのですか?」
「ええ……ちょっとだけですけど」
フレストルと一緒にいた時間は、半日ほども無かったのだから、これはウソでは無い。
「よろしいですか。一神教徒の連中は自分たちこそが唯一至高の存在に仕えていると信じ、我らの女神イロールすら存在を否定するような愚かで偏狭な連中です」
表向きは常に慈愛に満ちた表情を絶やさなかったオスリラが、これほど悪し様に罵るとは、本当に宗教対立というものは深刻なんだな。
オレは信仰心の欠片も無い人間でよかったと胸をなで下ろすところだ。
「おおかた困っている人々を救済するフリをして、支持を獲得しようとしているのでしょう。まったく浅ましい連中です」
う~ん。確かにフレストルの行動は支持を獲得し、布教活動に役立たせようとしているのは間違いないが、少なくとも本人はそれに命をかけているのでありオレは『浅ましい』とまでは思わない。
だがオスリラの敵視は止まらない。
「証拠はありませんが、くだんの病気も一神教徒がこの地にはびこっているからだという話もあります」
「それは……いくら何でも言い過ぎでしょう」
元の世界でも過去には伝染病が流行ったときに、その地におけるマイノリティの責任だというデマが流れ、少数派の民族や宗派が虐殺された事があるという話を聞いた覚えがある。
そして実際に神様が存在し、信徒に恩恵を与えているこの世界ではそんな対立はもっと深刻なものとなり得るだろう。
オレの目にはフレストルもオスリラも『貧しく病気に苦しむ人々を救うためにその人生をかけて、この辺境の地にやってきた』という点で共通していて、どちらもそのために喜んで己の身を捧げようとしているにも関わらず、どうしてここまで相容れないのだろうか。
お互いに協力すれば、もっと大勢の人間を助けられるはずなのに、双方ともそんな事はまるで考えていないどころか、どちらも相手を蔑みあっている。
それは二一世紀の日本人の感覚を未だに有するオレには本当に理解の出来ない事だった。
「おっしゃるとおり、一神教徒に対して迂闊に手を出せば、戦争になりかねませんからね。私たちとしても慎重にならざるをえません」
「そういう意味ではないのですけど……」
確かにこの地は一神教の勢力と、多神教の勢力の境目であり、交易や布教に訪れている一神教徒に対して下手な圧力をかければ、それが宗教圏同士の血で血を洗う宗教戦争へと発展する危険性がある。
当然、その場合、真っ先にこのファーゼスト近辺が戦場になるのだ。
常識ある人間ならそんな事は真っ平である。
オレの伝えたかった事とは違うが、オスリラも積極的に一神教徒と事を起こすつもりはないようなので、ここはそれで納得するしかない。
「とにかく一神教徒はあなた様が関わるべき相手ではありません。今後は十分に注意してくださいませ」
「え?」
オレは少々、面食らう。
オスリラの今の言葉は、オレがまたこの聖女協会の建物を出て、オレの意思で自由に活動することを前提としているように聞こえたからだ。
「どうしました?」
「いえ。ここから出て行って、こちらの好きに行動していいんですか?」
「私にそれを止める理由がどこにあるのでしょう」
オスリラは少しばかり首をかしげつつ問いかけてくる。
「いえ……てっきりこの後でネステントスさんに縛り上げられて、地下室にでも放り込まれるのかと思っていたのですけど」
まあそうなったら今度こそオレも魔力を駆使して、全力で抵抗させてもらったところだ。
だがオスリラは僅かに眉をひそめ、オレを見据えてくる。
あれ? どこか怒っている?
「いくらあなたが『選ばれし者』であることを知らないと言え、我が夫が罪人でもない女の子を縛り上げ、地下室に監禁するような行為を平然と行うような男だとあなたは思っているのですか?」
いや。確かにネステントスはそんなことするようには見えなかったけど、オスリラの方はやりかねないと思ってましたよ。
「そのような人の道に外れた行為をやれと言われて、止めもせず、唯々諾々と従うようなら、そんな情けない男は私の伴侶ではありません。即刻、離婚ですよ」
「さっきは無理矢理、ここに連れ込まれた気がしますけど……」
「確かに先ほどは少しばかり無理を言って、この客間に来ていただきましたけど――」
ああ。『ものは言いよう』とはこのことだ。
「お話をするぐらいならともかく、監禁などする気は最初からありません」
「それでいいんですか? 聖女教会から何か言われているのでしょう」
「あなた様の行動がイロールの御心に沿っているのであれば、私ごときがそれをみだりに妨げるわけにはまいりません」
う~ん。オスリラが嘘を言っているようには見えないが、やっぱり鵜呑みにも出来ないな。
「それともう一つ。お伝えしたい事があります」
「なんですか?」
「さきほど私がなかなか、あなた様に気付かず、そのお顔をうかがった時にも驚いていた事はご存じですね」
「それは当たり前でしょう」
こっちは男装し、長い髪も黒く染めた上で目深くかぶった帽子に隠していたから、オレにすぐに気付かないのが当然だし、こんなところで再開すれば驚いたのも当然だ。
だがオレの返答に対しオスリラは小さく首を振る。
「確かにあなた様の装いや髪が黒かった事も理由です。しかしそれよりもっと驚いた事があるのです」
「それは……なんですか?」
「あなた様の振るまい……いえ。その身の発する雰囲気が、グラマーにおられた時とではまるで別人だったのです。優しげで柔らかく。文字通り女神の現し身のような。そんな空気を、今のあなた様はまとっておられます」
「う……」
そう言ってオスリラは柔らかい頬笑みをオレに注ぎ、一方でオレはその言葉の意味するところを悟って息を呑んだ。
オスリラはジックリとオレを値踏みするように見つめつつ、感嘆するように言葉を吐く。
「グラマーにおられたときとは、身だしなみも身のこなしもまるで違います。今なら誰の目にも生まれついての『聖女』と写るでしょう」
ああ。そうだよ。
マニリア帝国の宮廷にいたとき、身だしなみには常時チェックが入っていたからね。
たった一ヶ月やそこらだったけど、お陰で立ち振る舞いがすっかり『女らしく』なってしまった事は十分自覚しているよ。
「そして何より、あなた様の発しておられる『力』は人を惹き付け魅了するものです。ご自身でも自覚しておられませんか?」
これまで王位継承者だの皇帝だのにプロポーズされましたけど、それはオレが人並み外れた美少女だったからだと思っていたんだが ―― それだけじゃないわけ?
「いずれにせよ、あなた様がこれからどこに向かわれようが、私ごときが口を挟む問題ではありません」
そうはいっても仮にオレがフレストルと親しくしようとしたら、たぶん目をむいて反対するのは間違いないだろうな。
それはともかく少なくとも、オスリラがオレを拘束するつもりが無いのは分ったので、それは一安心だ。
もっともこれはあくまでもオスリラがそう判断したというだけで、聖女教会そのものが何を考えているかは分らない。
現実にオレは聖女教会の嘘を暴くための証拠を探して回っているわけで、教会の指導部がそれを知るよしなど無いとしても、こちらの行動を怪しんで捕まえようと考えるのは何の不思議もないだろう。
そしてオスリラだってこっちが聖女教会をひっくり返そうとしている事を知れば、前言を瞬時に撤回しオレを拘束するのもごく自然な反応というものだ。
やはり警戒を怠るべきではないな。
「それではそろそろ日も暮れてきましたね。よろしければ遠慮無く泊まっていって下さい」
いったいどうする?
いや。ちょっとだけ確かめたい事もあるし、ここは泊まっていくとしよう。
「分りました。ご厚意に感謝します」
オレはひとまずオスリラに従うことにした。
「一神教徒にお会いになったのですか?」
「ええ……ちょっとだけですけど」
フレストルと一緒にいた時間は、半日ほども無かったのだから、これはウソでは無い。
「よろしいですか。一神教徒の連中は自分たちこそが唯一至高の存在に仕えていると信じ、我らの女神イロールすら存在を否定するような愚かで偏狭な連中です」
表向きは常に慈愛に満ちた表情を絶やさなかったオスリラが、これほど悪し様に罵るとは、本当に宗教対立というものは深刻なんだな。
オレは信仰心の欠片も無い人間でよかったと胸をなで下ろすところだ。
「おおかた困っている人々を救済するフリをして、支持を獲得しようとしているのでしょう。まったく浅ましい連中です」
う~ん。確かにフレストルの行動は支持を獲得し、布教活動に役立たせようとしているのは間違いないが、少なくとも本人はそれに命をかけているのでありオレは『浅ましい』とまでは思わない。
だがオスリラの敵視は止まらない。
「証拠はありませんが、くだんの病気も一神教徒がこの地にはびこっているからだという話もあります」
「それは……いくら何でも言い過ぎでしょう」
元の世界でも過去には伝染病が流行ったときに、その地におけるマイノリティの責任だというデマが流れ、少数派の民族や宗派が虐殺された事があるという話を聞いた覚えがある。
そして実際に神様が存在し、信徒に恩恵を与えているこの世界ではそんな対立はもっと深刻なものとなり得るだろう。
オレの目にはフレストルもオスリラも『貧しく病気に苦しむ人々を救うためにその人生をかけて、この辺境の地にやってきた』という点で共通していて、どちらもそのために喜んで己の身を捧げようとしているにも関わらず、どうしてここまで相容れないのだろうか。
お互いに協力すれば、もっと大勢の人間を助けられるはずなのに、双方ともそんな事はまるで考えていないどころか、どちらも相手を蔑みあっている。
それは二一世紀の日本人の感覚を未だに有するオレには本当に理解の出来ない事だった。
「おっしゃるとおり、一神教徒に対して迂闊に手を出せば、戦争になりかねませんからね。私たちとしても慎重にならざるをえません」
「そういう意味ではないのですけど……」
確かにこの地は一神教の勢力と、多神教の勢力の境目であり、交易や布教に訪れている一神教徒に対して下手な圧力をかければ、それが宗教圏同士の血で血を洗う宗教戦争へと発展する危険性がある。
当然、その場合、真っ先にこのファーゼスト近辺が戦場になるのだ。
常識ある人間ならそんな事は真っ平である。
オレの伝えたかった事とは違うが、オスリラも積極的に一神教徒と事を起こすつもりはないようなので、ここはそれで納得するしかない。
「とにかく一神教徒はあなた様が関わるべき相手ではありません。今後は十分に注意してくださいませ」
「え?」
オレは少々、面食らう。
オスリラの今の言葉は、オレがまたこの聖女協会の建物を出て、オレの意思で自由に活動することを前提としているように聞こえたからだ。
「どうしました?」
「いえ。ここから出て行って、こちらの好きに行動していいんですか?」
「私にそれを止める理由がどこにあるのでしょう」
オスリラは少しばかり首をかしげつつ問いかけてくる。
「いえ……てっきりこの後でネステントスさんに縛り上げられて、地下室にでも放り込まれるのかと思っていたのですけど」
まあそうなったら今度こそオレも魔力を駆使して、全力で抵抗させてもらったところだ。
だがオスリラは僅かに眉をひそめ、オレを見据えてくる。
あれ? どこか怒っている?
「いくらあなたが『選ばれし者』であることを知らないと言え、我が夫が罪人でもない女の子を縛り上げ、地下室に監禁するような行為を平然と行うような男だとあなたは思っているのですか?」
いや。確かにネステントスはそんなことするようには見えなかったけど、オスリラの方はやりかねないと思ってましたよ。
「そのような人の道に外れた行為をやれと言われて、止めもせず、唯々諾々と従うようなら、そんな情けない男は私の伴侶ではありません。即刻、離婚ですよ」
「さっきは無理矢理、ここに連れ込まれた気がしますけど……」
「確かに先ほどは少しばかり無理を言って、この客間に来ていただきましたけど――」
ああ。『ものは言いよう』とはこのことだ。
「お話をするぐらいならともかく、監禁などする気は最初からありません」
「それでいいんですか? 聖女教会から何か言われているのでしょう」
「あなた様の行動がイロールの御心に沿っているのであれば、私ごときがそれをみだりに妨げるわけにはまいりません」
う~ん。オスリラが嘘を言っているようには見えないが、やっぱり鵜呑みにも出来ないな。
「それともう一つ。お伝えしたい事があります」
「なんですか?」
「さきほど私がなかなか、あなた様に気付かず、そのお顔をうかがった時にも驚いていた事はご存じですね」
「それは当たり前でしょう」
こっちは男装し、長い髪も黒く染めた上で目深くかぶった帽子に隠していたから、オレにすぐに気付かないのが当然だし、こんなところで再開すれば驚いたのも当然だ。
だがオレの返答に対しオスリラは小さく首を振る。
「確かにあなた様の装いや髪が黒かった事も理由です。しかしそれよりもっと驚いた事があるのです」
「それは……なんですか?」
「あなた様の振るまい……いえ。その身の発する雰囲気が、グラマーにおられた時とではまるで別人だったのです。優しげで柔らかく。文字通り女神の現し身のような。そんな空気を、今のあなた様はまとっておられます」
「う……」
そう言ってオスリラは柔らかい頬笑みをオレに注ぎ、一方でオレはその言葉の意味するところを悟って息を呑んだ。
オスリラはジックリとオレを値踏みするように見つめつつ、感嘆するように言葉を吐く。
「グラマーにおられたときとは、身だしなみも身のこなしもまるで違います。今なら誰の目にも生まれついての『聖女』と写るでしょう」
ああ。そうだよ。
マニリア帝国の宮廷にいたとき、身だしなみには常時チェックが入っていたからね。
たった一ヶ月やそこらだったけど、お陰で立ち振る舞いがすっかり『女らしく』なってしまった事は十分自覚しているよ。
「そして何より、あなた様の発しておられる『力』は人を惹き付け魅了するものです。ご自身でも自覚しておられませんか?」
これまで王位継承者だの皇帝だのにプロポーズされましたけど、それはオレが人並み外れた美少女だったからだと思っていたんだが ―― それだけじゃないわけ?
「いずれにせよ、あなた様がこれからどこに向かわれようが、私ごときが口を挟む問題ではありません」
そうはいっても仮にオレがフレストルと親しくしようとしたら、たぶん目をむいて反対するのは間違いないだろうな。
それはともかく少なくとも、オスリラがオレを拘束するつもりが無いのは分ったので、それは一安心だ。
もっともこれはあくまでもオスリラがそう判断したというだけで、聖女教会そのものが何を考えているかは分らない。
現実にオレは聖女教会の嘘を暴くための証拠を探して回っているわけで、教会の指導部がそれを知るよしなど無いとしても、こちらの行動を怪しんで捕まえようと考えるのは何の不思議もないだろう。
そしてオスリラだってこっちが聖女教会をひっくり返そうとしている事を知れば、前言を瞬時に撤回しオレを拘束するのもごく自然な反応というものだ。
やはり警戒を怠るべきではないな。
「それではそろそろ日も暮れてきましたね。よろしければ遠慮無く泊まっていって下さい」
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