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第8章 ライバンス・魔法学院編
第185話 そして『ちょっとはマシ』な別れ
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そして惨劇から数日が経った。
その間にはそれなりに盛大だが、あんまり心のこもらない守護精霊の代替わり儀式とか、犠牲者の追悼式典とかいろいろとあったけどオレの方は一応、平穏だった。
ホン・イールが先達を大勢飛び越して守護精霊になった事について、いろいろとあるんじゃないかと思っていたが、殆どはどうでもいいと思っていたらしい。
まあオレだって自分の身を捨て、精霊として学園に呪縛されるなんて真っ平だから、そういう意味ではホン・イールが継いでくれたのでホッとしているのかもしれない。
あとあの実験に付き合った結果、死亡した教授が何人もいたので、その後釜として昇進したのも多くて、その人事を巡って必死で派閥抗争をしたり後始末でてんやわんやだったりで、そこまで手が回らなかった事もあるだろう。
約束通りオレは何が起きたのかホン・イールから色々と問われたが、その内容は捕まっている間に何をされたのかとか、ガランディアと何があったのかとか、このあたりは人間だったときとあんまり変わってなかった。
本人は『清い身体のまま逝けた』などと言っていたが、自分の方は色事に疎いくせに、他人の時は妄想をたくましくするとは ―― ちょっとばかり親近感が湧く出来事だった。
事情聴取が終わったところでオレはここを出て行く事に決めていたが、そんなわけでその日はあっという間に訪れた。
オレはこの学園に来た時と同じ、旅装束をまとったオレに対して、ガランディアは残念そうな表情を浮かべる。
「本当に行ってしまうのかい?」
「ええ。ここにいつまでもいるわけにはいきませんからね」
ホン・イールがどうにか庇ってくれたらしいが、どうやらこの数日の間だけでもオレを『研究』したいという要望は多数あったらしい。
ビューゼリアンがやらかしたせいであの惨事を招いた事は、オレが助言したように表向き隠蔽されているのだが、それでも大方の教授達はその真相に薄々気づいているようだ。
あきれた事にそれを承知で、オレを研究したいと言ってくる連中が少なくないそうなのだから本当にここは『廃人』揃いだな。
もしもあの惨事が無かったら、下手をすればピラニアのごとくオレに群がってきたかもしれない。
せめてガランディアはそんな連中に染まらないでいてほしいというのが、オレの切なる願いである。
もちろんだからといって、ここにとどまるつもりはさらさらないけどな。
オレが別れを伝えると、スビーリーとアニーラは安心した様子で頭を下げる。
「せっかく仲良くなれたのに、お別れとは残念ですね」
「お元気で!」
この二人はオレが消える事で安心しているらしいな。
まあさすがにガランディアもオレに同行するつもりは無いらしいので、ここは一安心だ ―― 万一にもオレについてくるなどと言い出したら、以前と同様に股間を蹴り上げてそのまま立ち去ったところである。
とりあえずここ数日の間、ホン・イールに事情聴取されつつ、約束通りこの学園にあった秘蔵の書物には目を通しまくった上で、賢者系魔法でその内容はストックしまくった。
早い話が内容を魔法でコピーし、後でジックリ読むことにしたのだ。
何しろこの手の秘蔵の書物は一冊を全て読破するだけで、一日では片付かないのも多いのだ。
追われる身のオレが全てに目を通し内容を精査していられる状況では無い。
ネットで検索すれば無数に全世界の情報が得られた元の世界だが、それでも歴史的文書に目を通すのは難しかったわけで、そう考えると我ながら、結構大した事をしているという自負はあるな。
それにホン・イールはオレの魔法を詳しく知らないから、ちょっと目を通しただけの資料を魔力でコピーして後でじっくりと内容を調べる事が出来るとは思っていないはず。
それだからこそ、けっこう気軽に秘蔵の資料をオレに解放してくれたのだろうけど、この機会はたっぷりと利用させてもらうことした。
「ところでここを出て、いったいどこに行くんだい?」
正直に言えば行き先は決まっていない。
とりあえずここからとっとと逃走したいだけというのが本音なのだ。
しかしそんな事を口にしたら『次に行くところが決まるまで留まって欲しい』などと言われそうなのでここは適当にごまかそう。
舌先で他人を煙に巻くのが習い性になってしまった気がするなあ。
「とりあえずガーランドの足跡をたどりたいと思っています。そのための資料もいろいろと調べさせてもらいました」
一応、これも嘘じゃない。ガーランドがオレと同じ『宗教的無節操』形の人間だったら、なにかオレがこの世界に来た事と何かしらつながりがあるかもしれない、などと勝手に妄想してみたのだ。
「それでは失礼します」
「もし機会があればいつでもここを訪れて欲しい。僕は研究者としてこの学園にとどまるつもりだから、何年後でもいるはずだよ」
おいおい。マジであのマッドな連中の後に続くつもりかよ。
それともオレの『成長した姿』に見とれていたから、その時を期待しているのか?
「僕はこれからも自分も能力を磨くよ。そうすればきっと君の魔法も使えるようになると思う。だから何年かしたらもう一度ここに来て君の魔法を見せて欲しいんだ」
「申し訳ないですけど約束は出来ませんよ」
「構わないさ。僕は待っているよ」
「「……」」
覚悟のこもったガランディアの言葉にハーレム要員コンビはそろって険しい顔をするが、オレが立ち去ろうとしてるときに敢えて余計な事を言う気はないようだ。
「みなさんお元気で」
オレはひとまず一礼すると、ガランディア達と別れて学園の門に向かう。
そして門をくぐり際、オレの脳裏に響くものがあった。
『つれないですね~ もっととどまってくれたらよかったのに~』
「また実験体になれとでも?」
『そんなことは考えていませんと言ったはずですよ。ちょっと異教の不死者に関する見本になってもらえたら十分ですよ~』
「そっちもお断りです」
ホン・イールはまだ研究者根性を出してオレを誘うが、もちろん受ける気はないし、名残惜しくもない。
『それでは最後に例の事件に関する報告を見ていただけますか~』
そこでオレの返答を聞きもせず、脳裏に浮かぶものがあった。この学園の守護精霊にはどうやら思念で報告書のたぐいを相手の頭脳に送り込む事が出来るらしい。
そしてその内容を確認したとき、オレは思わず愕然となった。
「ええ? どういうことですか?」
『真実しか書いていないと思いますけど~ 何かご不満でもありますか~』
中身はビューゼリアンがオレやガランディアを使って実験を行い、その結果ガランディアが怨霊に乗り移られて暴走した事、それをオレが食い止めたという大枠がそのままになっていた。
細かいところではオレとガランディアがいろいろと言葉に出来ない関係だとか、ツッコミどころは沢山あるけど大筋は事実の通りだった。
「いいんですか? ビューゼリアンがこの事件を引き起こしたなんて、困った事になりますよ」
そうなのだ。オレとしては『これが公式見解』とされるのは納得出来ないが、それでも『脚色』の域に留まっていて、大筋はほぼ事実通りになっている。
『わたしは研究者ですよ~ 真実をそのまま記録するのは当たり前です』
あんたのいう『真実』の中身がいかに怪しいか、オレはずっと思い知らされているんだけど、それでも驚きだよ。
『もちろんあなたの助言に従わなかった事でお怒りなのは分かります~』
そうじゃねえよ! まさかビューゼリアンを持ち上げてごまかすのではなく、正面突破をはかるとは想像もしなかっただけだよ!
何にせよ、これだとまたオレが無駄に注目されるのは間違いないな。
『ただあなたをこれ以上、こちらの事情に巻き込むのは本意ではないので、この学園を出るまで公表は控えておいたのです~』
「それはどうもありがとうございます」
ミツリーンの時もそうだが、最近周囲の人間がオレに優しくなってくれたような気が ―― いやいや。前が悪すぎただけだろ!
落ち着けオレ。状況は何一つ良くなってなんかいないんだぞ。
「とにかく今さらあなたの決めた事に口を挟む気はありません。それでは失礼します」
『そうですか~ それではまたお会いしましょうね~』
少なくとも命を捨ててオレをかばってくれた恩人なんだから、あえて逆らおうとは思わないけどまさかここまで頑固な一面があろうとは。
もしもそんな事を貫くなら、これから先もえらく苦労しそうだが、またここに来てどうなったか見てみたい気もするな。
そのときは男に戻っている ―― はずだ。
そのつもりだ。
きっとそうなっていると思いたい。
そんなもやもやした気持ちを抱きつつ、オレは僅か数日の滞在ながら忘れられない思い出のこもった学園を後にした。
それからそれまでの守護精霊とは方針をがらりと変えたホン・イールのため、学園ではしばし混乱が続くものの、いつの間にか皆もそれに慣れていった。
そしてガランディアが自らの能力を磨いて、魔法研究で名を馳せるようになるのかは、この時点では誰にも分からない事だった。
【後書き】
これでライバンス編は完結です。
その間にはそれなりに盛大だが、あんまり心のこもらない守護精霊の代替わり儀式とか、犠牲者の追悼式典とかいろいろとあったけどオレの方は一応、平穏だった。
ホン・イールが先達を大勢飛び越して守護精霊になった事について、いろいろとあるんじゃないかと思っていたが、殆どはどうでもいいと思っていたらしい。
まあオレだって自分の身を捨て、精霊として学園に呪縛されるなんて真っ平だから、そういう意味ではホン・イールが継いでくれたのでホッとしているのかもしれない。
あとあの実験に付き合った結果、死亡した教授が何人もいたので、その後釜として昇進したのも多くて、その人事を巡って必死で派閥抗争をしたり後始末でてんやわんやだったりで、そこまで手が回らなかった事もあるだろう。
約束通りオレは何が起きたのかホン・イールから色々と問われたが、その内容は捕まっている間に何をされたのかとか、ガランディアと何があったのかとか、このあたりは人間だったときとあんまり変わってなかった。
本人は『清い身体のまま逝けた』などと言っていたが、自分の方は色事に疎いくせに、他人の時は妄想をたくましくするとは ―― ちょっとばかり親近感が湧く出来事だった。
事情聴取が終わったところでオレはここを出て行く事に決めていたが、そんなわけでその日はあっという間に訪れた。
オレはこの学園に来た時と同じ、旅装束をまとったオレに対して、ガランディアは残念そうな表情を浮かべる。
「本当に行ってしまうのかい?」
「ええ。ここにいつまでもいるわけにはいきませんからね」
ホン・イールがどうにか庇ってくれたらしいが、どうやらこの数日の間だけでもオレを『研究』したいという要望は多数あったらしい。
ビューゼリアンがやらかしたせいであの惨事を招いた事は、オレが助言したように表向き隠蔽されているのだが、それでも大方の教授達はその真相に薄々気づいているようだ。
あきれた事にそれを承知で、オレを研究したいと言ってくる連中が少なくないそうなのだから本当にここは『廃人』揃いだな。
もしもあの惨事が無かったら、下手をすればピラニアのごとくオレに群がってきたかもしれない。
せめてガランディアはそんな連中に染まらないでいてほしいというのが、オレの切なる願いである。
もちろんだからといって、ここにとどまるつもりはさらさらないけどな。
オレが別れを伝えると、スビーリーとアニーラは安心した様子で頭を下げる。
「せっかく仲良くなれたのに、お別れとは残念ですね」
「お元気で!」
この二人はオレが消える事で安心しているらしいな。
まあさすがにガランディアもオレに同行するつもりは無いらしいので、ここは一安心だ ―― 万一にもオレについてくるなどと言い出したら、以前と同様に股間を蹴り上げてそのまま立ち去ったところである。
とりあえずここ数日の間、ホン・イールに事情聴取されつつ、約束通りこの学園にあった秘蔵の書物には目を通しまくった上で、賢者系魔法でその内容はストックしまくった。
早い話が内容を魔法でコピーし、後でジックリ読むことにしたのだ。
何しろこの手の秘蔵の書物は一冊を全て読破するだけで、一日では片付かないのも多いのだ。
追われる身のオレが全てに目を通し内容を精査していられる状況では無い。
ネットで検索すれば無数に全世界の情報が得られた元の世界だが、それでも歴史的文書に目を通すのは難しかったわけで、そう考えると我ながら、結構大した事をしているという自負はあるな。
それにホン・イールはオレの魔法を詳しく知らないから、ちょっと目を通しただけの資料を魔力でコピーして後でじっくりと内容を調べる事が出来るとは思っていないはず。
それだからこそ、けっこう気軽に秘蔵の資料をオレに解放してくれたのだろうけど、この機会はたっぷりと利用させてもらうことした。
「ところでここを出て、いったいどこに行くんだい?」
正直に言えば行き先は決まっていない。
とりあえずここからとっとと逃走したいだけというのが本音なのだ。
しかしそんな事を口にしたら『次に行くところが決まるまで留まって欲しい』などと言われそうなのでここは適当にごまかそう。
舌先で他人を煙に巻くのが習い性になってしまった気がするなあ。
「とりあえずガーランドの足跡をたどりたいと思っています。そのための資料もいろいろと調べさせてもらいました」
一応、これも嘘じゃない。ガーランドがオレと同じ『宗教的無節操』形の人間だったら、なにかオレがこの世界に来た事と何かしらつながりがあるかもしれない、などと勝手に妄想してみたのだ。
「それでは失礼します」
「もし機会があればいつでもここを訪れて欲しい。僕は研究者としてこの学園にとどまるつもりだから、何年後でもいるはずだよ」
おいおい。マジであのマッドな連中の後に続くつもりかよ。
それともオレの『成長した姿』に見とれていたから、その時を期待しているのか?
「僕はこれからも自分も能力を磨くよ。そうすればきっと君の魔法も使えるようになると思う。だから何年かしたらもう一度ここに来て君の魔法を見せて欲しいんだ」
「申し訳ないですけど約束は出来ませんよ」
「構わないさ。僕は待っているよ」
「「……」」
覚悟のこもったガランディアの言葉にハーレム要員コンビはそろって険しい顔をするが、オレが立ち去ろうとしてるときに敢えて余計な事を言う気はないようだ。
「みなさんお元気で」
オレはひとまず一礼すると、ガランディア達と別れて学園の門に向かう。
そして門をくぐり際、オレの脳裏に響くものがあった。
『つれないですね~ もっととどまってくれたらよかったのに~』
「また実験体になれとでも?」
『そんなことは考えていませんと言ったはずですよ。ちょっと異教の不死者に関する見本になってもらえたら十分ですよ~』
「そっちもお断りです」
ホン・イールはまだ研究者根性を出してオレを誘うが、もちろん受ける気はないし、名残惜しくもない。
『それでは最後に例の事件に関する報告を見ていただけますか~』
そこでオレの返答を聞きもせず、脳裏に浮かぶものがあった。この学園の守護精霊にはどうやら思念で報告書のたぐいを相手の頭脳に送り込む事が出来るらしい。
そしてその内容を確認したとき、オレは思わず愕然となった。
「ええ? どういうことですか?」
『真実しか書いていないと思いますけど~ 何かご不満でもありますか~』
中身はビューゼリアンがオレやガランディアを使って実験を行い、その結果ガランディアが怨霊に乗り移られて暴走した事、それをオレが食い止めたという大枠がそのままになっていた。
細かいところではオレとガランディアがいろいろと言葉に出来ない関係だとか、ツッコミどころは沢山あるけど大筋は事実の通りだった。
「いいんですか? ビューゼリアンがこの事件を引き起こしたなんて、困った事になりますよ」
そうなのだ。オレとしては『これが公式見解』とされるのは納得出来ないが、それでも『脚色』の域に留まっていて、大筋はほぼ事実通りになっている。
『わたしは研究者ですよ~ 真実をそのまま記録するのは当たり前です』
あんたのいう『真実』の中身がいかに怪しいか、オレはずっと思い知らされているんだけど、それでも驚きだよ。
『もちろんあなたの助言に従わなかった事でお怒りなのは分かります~』
そうじゃねえよ! まさかビューゼリアンを持ち上げてごまかすのではなく、正面突破をはかるとは想像もしなかっただけだよ!
何にせよ、これだとまたオレが無駄に注目されるのは間違いないな。
『ただあなたをこれ以上、こちらの事情に巻き込むのは本意ではないので、この学園を出るまで公表は控えておいたのです~』
「それはどうもありがとうございます」
ミツリーンの時もそうだが、最近周囲の人間がオレに優しくなってくれたような気が ―― いやいや。前が悪すぎただけだろ!
落ち着けオレ。状況は何一つ良くなってなんかいないんだぞ。
「とにかく今さらあなたの決めた事に口を挟む気はありません。それでは失礼します」
『そうですか~ それではまたお会いしましょうね~』
少なくとも命を捨ててオレをかばってくれた恩人なんだから、あえて逆らおうとは思わないけどまさかここまで頑固な一面があろうとは。
もしもそんな事を貫くなら、これから先もえらく苦労しそうだが、またここに来てどうなったか見てみたい気もするな。
そのときは男に戻っている ―― はずだ。
そのつもりだ。
きっとそうなっていると思いたい。
そんなもやもやした気持ちを抱きつつ、オレは僅か数日の滞在ながら忘れられない思い出のこもった学園を後にした。
それからそれまでの守護精霊とは方針をがらりと変えたホン・イールのため、学園ではしばし混乱が続くものの、いつの間にか皆もそれに慣れていった。
そしてガランディアが自らの能力を磨いて、魔法研究で名を馳せるようになるのかは、この時点では誰にも分からない事だった。
【後書き】
これでライバンス編は完結です。
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