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第10章 神造者とカミツクリ
第236話 テセルと同行する事となって
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アンブラール神に襲われるのを避けるため、緊急避難的にテセルに同行する羽目となったオレは改めて問いかける。
「ところでいつまでテセルと一緒にいればいいんですか?」
「今のところアンブラール神はアルタシャにかなり注目しているだろうけど、天候の神様は移り気だからね。しばらくすれば関心が失せるだろう」
これからは一生共にいなければダメだ、などと言わないという事は一応、正直には答えているらしいな。
「しかし神造者だとわたしが尋常で無いことが分かるのですよね? テセルと同行したらいろいろと問題があるのではないでしょうか」
なにしろテセルは一目でオレが本来ならば神界に身を置く存在だと見抜いたのだ。
テセルほどでないとしても、他の神造者ならそれに近い事が出来るはずだろう。
何しろオレは『レアもの』らしいから、他の神造者に存在を察知されたら以前の魔法学院の時にように実験材料にされかねない。
「それなら心配はいらない。相手の神格を見抜く魔法もあれば、まったく逆に神格をあざむく魔法もあるからな」
「何のためにそんな術があるんですか?」
「我らが異界で行動するに当たって、人の身だからとちょっかいを出されないためだ。神造者はいろいろなクエストを行うけど、異界ではやはり侵入者ということでいい顔をしない相手が多いのさ」
神話や昔話ではお年寄りや子供が力では無く知恵と機転で、屈強な戦士でも歯が立たない精霊、魔物のたぐいを手玉に取ることはしばしばあるけど、こっちの世界ではそんなに甘くないのだな。
まあオレが『普通の人間』に見えるとして、テセルの権限で職員に任命した事になったら、かなりあからさまな『愛人』ということになりそうだが、そっち方面で誤解された方がまだマシか。
それでテセルの出世に響こうが、自業自得というものだろう。
「ところで赴任地というのはどこなんですか?」
「ここからしばらく先に進んだところにある街だよ。まあ詳しい事は現地についてから話をしよう」
「それだけですか? こっちに何か隠している事があるでしょう」
「当たり前だ。それともお前は僕に隠し事を一切していないとでも言うのか?」
堂々と開き直りやがって。
立場上、こっちが不利だから我慢せざるを得ないか。
「まあ今この場で一切隠し事をせず、僕の前に全てさらけ出してくれるなら、僕も知っている事は全部教えてやってもいいぞ」
「美貌のニンフのたぐいをまともに見ると目がつぶれるらしいですけど、テセルもそうなりたいとおっしゃるのですかね」
いい加減にしないとこっちの我慢も限界だぞ。
「もしもかなうならそういう機会も得たいところだが、目がつぶれたらいろいろと困るからここはやめておこうか」
テセルは困った様子で肩をすくめると歩き出す。こっちの質問をはぐらかされたのは分かっていたが、仕方なく同行せざるをえなかった。
しばらくしてテセルとオレは揃って馬車の荷台に揺られつつ、周囲に広がる黄金色の畑を見つめている。
オレとテセルは通りがかった農民の馬車に乗せてもらっていたのだ。
「兄ちゃん。姉ちゃん。乗り心地はどうだい?」
「快適ですよ。いろいろとありがとうございます」
テセルは農夫に対して丁重に頭を下げて礼を述べる。親切な相手に対してはネコをかぶる事を知っているらしい。
「いいってこった。ワシらの暮らしを守ってくださっている、ありがたい神造者様には親切にしておかねえとな」
農夫はテセルの胸元にある銀のオクタゴンを見ながら笑う。
これが相当なエリートの地位を示すものであることなど知るよしも無いはずだが、帝国の一般市民であれば神造者というだけで特別な存在だということぐらいはオレにも見当はつくよ。
「ところでお前さん達は夫婦かい?」
「そんなわけありません」
こんな事を問われるだろうとは分かっていたので、オレも一応は冷静に応じる。
どう見てもオレ達は両方、十代半ばにしか見えないはずだが、こっちの世界ではその年齢で結婚していても何の不思議もないのだ。
しかしオレの否定を聞きつつ、テセルは堂々と答える。
「ええ。まだ婚約者ですから」
「そうか。それでもうあんたはらやったのかい?」
農夫はかなりあけすけに問いかけてくる。大神様があれだけ女好きで、それが是とされるなら、一般人でもそういう話を好んでいる事は容易に想像がつくが、オレとしてはいろいろと納得しがたい。
「いいえ。それもまだなんです」
「それはまた。姉ちゃんの方は慎み深いんだな」
「いえいえ。これからいろいろと教えてやるつもりですから」
「ほう。二人一緒に寝床の上でかい? うらやましいねえ」
こいつら二人一緒に殴ってやりたいところだが、今は我慢するしかないか。
まったくこの国に来てから、セクハラされる機会がやたらと増えた気がするな ―― いや。それは先日までこの身が幼女だったからセクハラされてなかっただけで、前々からセクハラはしょっちゅうだったか。
とにかくこのスケベ男共の話は聞き流して、オレは周囲の景色を再確認することにした。
しかしどこまでも延々と農地が続いている。これは凄い穀倉地帯だな。
「ここも数年前までは殆ど荒れ地だったのに変われば変わるもんだよ」
見たところ豊かな農地にしか見えないけど、本当にたった数年でこんなに開拓したとすれば大したもんだ。
この世界にはもちろん農作業用の機械なんぞないから、せいぜい人力とあとは家畜を使うぐらいしかないはずだ。
だがここでオレの脳裏にかつてリバージョインにて投降した傭兵団の連中が、農地の開拓に投じられたという話が思い浮かぶ。
たった数年で荒野をこれだけ大規模に農地化したとしたら、多大な犠牲が出ているんじゃなかろうか?
他人事とは言えオレが自分の想像に背筋を少しばかり冷やしている時にもテセルは農夫に対して愛想よく応じている。
「いえいえ。大した事ではありませんよ」
なんでテセルが自分の功績みたいに誇っているんだよ。
開拓したのは地元の人達だろう。しかしここでテセルはオレのジト目に気付いたらしくオレの耳に口を寄せてくる。
「断っておくがこの近辺の大地の精霊を神造者がすげ替えたから、わずか数年で荒野がこれだけ豊かな農地となったのだぞ。つまり神造者に最大の功績があるということだ」
つまり開拓の手を拒む厳しい自然の土地では、その自然を司る精霊を取り替えることで、自然そのものを変えてしまうのが、神造者のやり口らしい。
だけどそれがそんなに都合よくいくものだろうか。
胸の中に生じた新たな疑念。それがこれから何を引き起こすのかは、今のオレには分からなかった。
「ところでいつまでテセルと一緒にいればいいんですか?」
「今のところアンブラール神はアルタシャにかなり注目しているだろうけど、天候の神様は移り気だからね。しばらくすれば関心が失せるだろう」
これからは一生共にいなければダメだ、などと言わないという事は一応、正直には答えているらしいな。
「しかし神造者だとわたしが尋常で無いことが分かるのですよね? テセルと同行したらいろいろと問題があるのではないでしょうか」
なにしろテセルは一目でオレが本来ならば神界に身を置く存在だと見抜いたのだ。
テセルほどでないとしても、他の神造者ならそれに近い事が出来るはずだろう。
何しろオレは『レアもの』らしいから、他の神造者に存在を察知されたら以前の魔法学院の時にように実験材料にされかねない。
「それなら心配はいらない。相手の神格を見抜く魔法もあれば、まったく逆に神格をあざむく魔法もあるからな」
「何のためにそんな術があるんですか?」
「我らが異界で行動するに当たって、人の身だからとちょっかいを出されないためだ。神造者はいろいろなクエストを行うけど、異界ではやはり侵入者ということでいい顔をしない相手が多いのさ」
神話や昔話ではお年寄りや子供が力では無く知恵と機転で、屈強な戦士でも歯が立たない精霊、魔物のたぐいを手玉に取ることはしばしばあるけど、こっちの世界ではそんなに甘くないのだな。
まあオレが『普通の人間』に見えるとして、テセルの権限で職員に任命した事になったら、かなりあからさまな『愛人』ということになりそうだが、そっち方面で誤解された方がまだマシか。
それでテセルの出世に響こうが、自業自得というものだろう。
「ところで赴任地というのはどこなんですか?」
「ここからしばらく先に進んだところにある街だよ。まあ詳しい事は現地についてから話をしよう」
「それだけですか? こっちに何か隠している事があるでしょう」
「当たり前だ。それともお前は僕に隠し事を一切していないとでも言うのか?」
堂々と開き直りやがって。
立場上、こっちが不利だから我慢せざるを得ないか。
「まあ今この場で一切隠し事をせず、僕の前に全てさらけ出してくれるなら、僕も知っている事は全部教えてやってもいいぞ」
「美貌のニンフのたぐいをまともに見ると目がつぶれるらしいですけど、テセルもそうなりたいとおっしゃるのですかね」
いい加減にしないとこっちの我慢も限界だぞ。
「もしもかなうならそういう機会も得たいところだが、目がつぶれたらいろいろと困るからここはやめておこうか」
テセルは困った様子で肩をすくめると歩き出す。こっちの質問をはぐらかされたのは分かっていたが、仕方なく同行せざるをえなかった。
しばらくしてテセルとオレは揃って馬車の荷台に揺られつつ、周囲に広がる黄金色の畑を見つめている。
オレとテセルは通りがかった農民の馬車に乗せてもらっていたのだ。
「兄ちゃん。姉ちゃん。乗り心地はどうだい?」
「快適ですよ。いろいろとありがとうございます」
テセルは農夫に対して丁重に頭を下げて礼を述べる。親切な相手に対してはネコをかぶる事を知っているらしい。
「いいってこった。ワシらの暮らしを守ってくださっている、ありがたい神造者様には親切にしておかねえとな」
農夫はテセルの胸元にある銀のオクタゴンを見ながら笑う。
これが相当なエリートの地位を示すものであることなど知るよしも無いはずだが、帝国の一般市民であれば神造者というだけで特別な存在だということぐらいはオレにも見当はつくよ。
「ところでお前さん達は夫婦かい?」
「そんなわけありません」
こんな事を問われるだろうとは分かっていたので、オレも一応は冷静に応じる。
どう見てもオレ達は両方、十代半ばにしか見えないはずだが、こっちの世界ではその年齢で結婚していても何の不思議もないのだ。
しかしオレの否定を聞きつつ、テセルは堂々と答える。
「ええ。まだ婚約者ですから」
「そうか。それでもうあんたはらやったのかい?」
農夫はかなりあけすけに問いかけてくる。大神様があれだけ女好きで、それが是とされるなら、一般人でもそういう話を好んでいる事は容易に想像がつくが、オレとしてはいろいろと納得しがたい。
「いいえ。それもまだなんです」
「それはまた。姉ちゃんの方は慎み深いんだな」
「いえいえ。これからいろいろと教えてやるつもりですから」
「ほう。二人一緒に寝床の上でかい? うらやましいねえ」
こいつら二人一緒に殴ってやりたいところだが、今は我慢するしかないか。
まったくこの国に来てから、セクハラされる機会がやたらと増えた気がするな ―― いや。それは先日までこの身が幼女だったからセクハラされてなかっただけで、前々からセクハラはしょっちゅうだったか。
とにかくこのスケベ男共の話は聞き流して、オレは周囲の景色を再確認することにした。
しかしどこまでも延々と農地が続いている。これは凄い穀倉地帯だな。
「ここも数年前までは殆ど荒れ地だったのに変われば変わるもんだよ」
見たところ豊かな農地にしか見えないけど、本当にたった数年でこんなに開拓したとすれば大したもんだ。
この世界にはもちろん農作業用の機械なんぞないから、せいぜい人力とあとは家畜を使うぐらいしかないはずだ。
だがここでオレの脳裏にかつてリバージョインにて投降した傭兵団の連中が、農地の開拓に投じられたという話が思い浮かぶ。
たった数年で荒野をこれだけ大規模に農地化したとしたら、多大な犠牲が出ているんじゃなかろうか?
他人事とは言えオレが自分の想像に背筋を少しばかり冷やしている時にもテセルは農夫に対して愛想よく応じている。
「いえいえ。大した事ではありませんよ」
なんでテセルが自分の功績みたいに誇っているんだよ。
開拓したのは地元の人達だろう。しかしここでテセルはオレのジト目に気付いたらしくオレの耳に口を寄せてくる。
「断っておくがこの近辺の大地の精霊を神造者がすげ替えたから、わずか数年で荒野がこれだけ豊かな農地となったのだぞ。つまり神造者に最大の功績があるということだ」
つまり開拓の手を拒む厳しい自然の土地では、その自然を司る精霊を取り替えることで、自然そのものを変えてしまうのが、神造者のやり口らしい。
だけどそれがそんなに都合よくいくものだろうか。
胸の中に生じた新たな疑念。それがこれから何を引き起こすのかは、今のオレには分からなかった。
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