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第13章 広大な平原の中で起きていた事
第437話 思わぬ対面 そして
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閃光がオレの目を灼き、耳には空気を引き裂く音が鳴り響く。
これは何かの攻撃か? まるで稲妻のような――まさか?!
一瞬、絶句したところで、背後でこちらを追いかけてきていた奴らの中で、先頭の相手が急に倒れ伏した。
「これは!」
見ると男の片腕が黒焦げになり倒れて悶絶していた。
やはりさきほどの『稲妻』を受けたらしい。
この威力からして、もしも胴体か頭に命中していたら、即死だったろう。
もちろん本当の稲妻だったら、こんなことにはならないはずだけど、これはやはり魔法によるものか。
閃光が放たれた方向を見ると、湿原のかなり遠くに人影が一つあった。
もちろんこの場合、思い当たる相手は一人だけいるが、そんなに都合のよい展開があるのものなのか?
追ってきた連中にもこれは想定外だったらしく、驚いて足を止めている。
いきなり閃光と雷鳴が轟き、仲間が倒れたのだから当たり前か。
これが剣で切り結んでいたのなら、それほどショックでも無かったろうけど、こんなことはまるで想定外だったのは明らかだ。
もちろん連中だって別に命がけでやり合う気は無いらしく、明らかに怯えた様子がうかがえる。
ただしさすがに素人というワケでも無く、稲妻を避けるべく地面に伏せたり、藪に身を隠したりはしているようだ。
追っ手の動きは止まったけど、もちろん今は落ち着いている状況では無い。
「ロニールとターダは早く逃げて下さい」
「おい! お前は――」
ロニールは少々動揺しているようだが、ターダは何も言わず遠くの人影に向けて一直線に走り出す。
やはりオレと同じ事を考えたか。当たり前だけど。
「話は後です! 連中の目当てはロニールですからとにかく走って!」
「わ、分かった……」
オレは倒れた相手に駆け寄り『応急手当』の魔法をかける。
これで取りあえず命は助かるだろう。
そして稲妻を避けて、隠れていた連中にオレは叫ぶ。
「あなた方はこの人を連れて早く逃げて下さい」
「う……わ、分かった!」
状況が呑み込めていなかったらしい連中だが、先ほどの稲妻の脅威を恐れたのか、ひとまず引き下がっていく。
稲妻の魔法そのものはオレの経験からすれば、もの凄い威力という程でも無いけど、やっぱり閃光と音の威嚇が大きいのだろう。
どうやら元の世界における銃撃に近いものがありそうだな。
そしてオレは連中が引いたのを確認すると、急いでターダ達に合流すべく踵を返す。
思った通り、人影はオレ達には稲妻を放ってはこないようだ。
もっとも本当にアイテムから放ったものならば、そうそう何度も使えるものではないはずだから、ひょっとしたらあの一発こっきりという事もあるだろう。
そして見るとターダはその人影に駆け寄りつつ叫んでいた。
「兄者! カウワイミの兄者なんだろう!」
やっぱりそうか! 昨日、ターダが『雷鳴鳥の卵』の発する雷鳴を感じた事から、この近くにいて弟が追われているのを見て助けたというところか。
いや。本当にそうなのか?
これまでの経験からついつい疑ってしまうな。
そんな事を考えつつ、ターダのところに近寄ると二人の会話が聞こえてきた。
「ターダよ。なぜここに来た……」
「もちろん兄者を迎えに来たんです!」
なに? 本当にターダの兄のカウワイミなの?
これで一件落着してくれたならいいのだが――たぶんそんな楽な事にはならないだろうと考えつつ、オレとロニールも駆け寄ると二人はいったん話を打ち切ってこちらに向き直る。
「そちらの二人は何者だ?」
「こちらは『白き貴婦人』の英雄のアルタシャだ。随分と助けてもらったよ」
ターダはオレの方だけ紹介する。
ロニールの方はターダの友人でも何でもないのだから、敢えて無視しているらしい。
「アルタシャ。こちらが前に言った、俺の兄者のカウワイミだ」
ターダは随分と誇らしげに兄を指し示す。
見た限りではターダから聞いていた通り二十代半ばの精悍な青年だ。
この湿地帯をうろついているためか、かなり汚れてはいるが、それでも鍛えられた体躯は見るだけで分かる。
オレの『霊視』でも特別な様子は見受けられないので、幻影だったりモンスターが化けていたり、何かロクでもない相手に取り憑かれていると言う事でもない。
その一方で『魔法眼』では男の手に握った石から強力な魔力が感じられる。やはり先ほどの稲妻はそこから放ったものなのだろう。
これらを総合して考えると本当にターダの探していた兄のカウワイミで間違いないな。
しかしそれならやはりおかしい。
なぜ無事だったのに一年も部族に帰らず、それでいてこのパップス周辺をうろついているんだ?
「ほう。『白き貴婦人』の英雄か……お前にそんな知り合いがいたとはな」
カウワイミはあまりオレの方には関心がなさそうだな。
まあ一年以上、この湿地とパップス周辺をうろついていたのならオレの事など聞いた事も無いはずだから当然か。
いや。だけど弟に対面したにしては、ちょっと反応が鈍いような気がするぞ。
この湿原でかなり苦労したはずだから、精神的に疲れているかもしれないけど、やっぱりどこかおかしい。
そしてカウワイミは近くで手持ち無沙汰にしている、ロニールへと視線を向ける。
「先ほどお前達が追われていたのは、そいつの持ち物のためか?」
「ああそうだけど、コイツは――」
ターダがそこまで口にしたところで、カウワイミはその石を握った方の手をこちらに突き出してくる。
「動くな。先ほどの稲妻は見ただろう。お前の持ち物を引き渡してもらうぞ」
え? まさかというか、やっぱりというか。
カウワイミもさっきの連中と同じくロニールの『お守り』が目当てなの?
いや。むしろターダよりもロニールの方に注視しているようにすら感じられる。
いったい何がどうなっているんだ?
これは何かの攻撃か? まるで稲妻のような――まさか?!
一瞬、絶句したところで、背後でこちらを追いかけてきていた奴らの中で、先頭の相手が急に倒れ伏した。
「これは!」
見ると男の片腕が黒焦げになり倒れて悶絶していた。
やはりさきほどの『稲妻』を受けたらしい。
この威力からして、もしも胴体か頭に命中していたら、即死だったろう。
もちろん本当の稲妻だったら、こんなことにはならないはずだけど、これはやはり魔法によるものか。
閃光が放たれた方向を見ると、湿原のかなり遠くに人影が一つあった。
もちろんこの場合、思い当たる相手は一人だけいるが、そんなに都合のよい展開があるのものなのか?
追ってきた連中にもこれは想定外だったらしく、驚いて足を止めている。
いきなり閃光と雷鳴が轟き、仲間が倒れたのだから当たり前か。
これが剣で切り結んでいたのなら、それほどショックでも無かったろうけど、こんなことはまるで想定外だったのは明らかだ。
もちろん連中だって別に命がけでやり合う気は無いらしく、明らかに怯えた様子がうかがえる。
ただしさすがに素人というワケでも無く、稲妻を避けるべく地面に伏せたり、藪に身を隠したりはしているようだ。
追っ手の動きは止まったけど、もちろん今は落ち着いている状況では無い。
「ロニールとターダは早く逃げて下さい」
「おい! お前は――」
ロニールは少々動揺しているようだが、ターダは何も言わず遠くの人影に向けて一直線に走り出す。
やはりオレと同じ事を考えたか。当たり前だけど。
「話は後です! 連中の目当てはロニールですからとにかく走って!」
「わ、分かった……」
オレは倒れた相手に駆け寄り『応急手当』の魔法をかける。
これで取りあえず命は助かるだろう。
そして稲妻を避けて、隠れていた連中にオレは叫ぶ。
「あなた方はこの人を連れて早く逃げて下さい」
「う……わ、分かった!」
状況が呑み込めていなかったらしい連中だが、先ほどの稲妻の脅威を恐れたのか、ひとまず引き下がっていく。
稲妻の魔法そのものはオレの経験からすれば、もの凄い威力という程でも無いけど、やっぱり閃光と音の威嚇が大きいのだろう。
どうやら元の世界における銃撃に近いものがありそうだな。
そしてオレは連中が引いたのを確認すると、急いでターダ達に合流すべく踵を返す。
思った通り、人影はオレ達には稲妻を放ってはこないようだ。
もっとも本当にアイテムから放ったものならば、そうそう何度も使えるものではないはずだから、ひょっとしたらあの一発こっきりという事もあるだろう。
そして見るとターダはその人影に駆け寄りつつ叫んでいた。
「兄者! カウワイミの兄者なんだろう!」
やっぱりそうか! 昨日、ターダが『雷鳴鳥の卵』の発する雷鳴を感じた事から、この近くにいて弟が追われているのを見て助けたというところか。
いや。本当にそうなのか?
これまでの経験からついつい疑ってしまうな。
そんな事を考えつつ、ターダのところに近寄ると二人の会話が聞こえてきた。
「ターダよ。なぜここに来た……」
「もちろん兄者を迎えに来たんです!」
なに? 本当にターダの兄のカウワイミなの?
これで一件落着してくれたならいいのだが――たぶんそんな楽な事にはならないだろうと考えつつ、オレとロニールも駆け寄ると二人はいったん話を打ち切ってこちらに向き直る。
「そちらの二人は何者だ?」
「こちらは『白き貴婦人』の英雄のアルタシャだ。随分と助けてもらったよ」
ターダはオレの方だけ紹介する。
ロニールの方はターダの友人でも何でもないのだから、敢えて無視しているらしい。
「アルタシャ。こちらが前に言った、俺の兄者のカウワイミだ」
ターダは随分と誇らしげに兄を指し示す。
見た限りではターダから聞いていた通り二十代半ばの精悍な青年だ。
この湿地帯をうろついているためか、かなり汚れてはいるが、それでも鍛えられた体躯は見るだけで分かる。
オレの『霊視』でも特別な様子は見受けられないので、幻影だったりモンスターが化けていたり、何かロクでもない相手に取り憑かれていると言う事でもない。
その一方で『魔法眼』では男の手に握った石から強力な魔力が感じられる。やはり先ほどの稲妻はそこから放ったものなのだろう。
これらを総合して考えると本当にターダの探していた兄のカウワイミで間違いないな。
しかしそれならやはりおかしい。
なぜ無事だったのに一年も部族に帰らず、それでいてこのパップス周辺をうろついているんだ?
「ほう。『白き貴婦人』の英雄か……お前にそんな知り合いがいたとはな」
カウワイミはあまりオレの方には関心がなさそうだな。
まあ一年以上、この湿地とパップス周辺をうろついていたのならオレの事など聞いた事も無いはずだから当然か。
いや。だけど弟に対面したにしては、ちょっと反応が鈍いような気がするぞ。
この湿原でかなり苦労したはずだから、精神的に疲れているかもしれないけど、やっぱりどこかおかしい。
そしてカウワイミは近くで手持ち無沙汰にしている、ロニールへと視線を向ける。
「先ほどお前達が追われていたのは、そいつの持ち物のためか?」
「ああそうだけど、コイツは――」
ターダがそこまで口にしたところで、カウワイミはその石を握った方の手をこちらに突き出してくる。
「動くな。先ほどの稲妻は見ただろう。お前の持ち物を引き渡してもらうぞ」
え? まさかというか、やっぱりというか。
カウワイミもさっきの連中と同じくロニールの『お守り』が目当てなの?
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