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第21章 神の試練と預言者
第945話 危機を乗り切ったところで男共は
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山腹を駆け上がってくるサロールとテセルを見て、ひとまず安堵したところで、今さらながらオレは全身が痛む事に気がついた。
自分の身体を見下ろすと、いつの間にやら散弾銃でも打ち込まれたかのように、全身が傷だらけだ。
もちろん致命傷になるような負傷はないが、傍目にはさぞかし酷い有様だろう。
先ほどまでは傷の痛みなど意識している状態ではなかったが、緊張が途切れた事で痛みを実感するようになったんだ。
ひとまずサロールやテセルに対面する前に、オレは自分の傷を治しておく。
そんなわけでこちらも落ち着くと、近づいてきた二人の様子を確認する。
見たところテセルは興味深そうな好奇心あふれる表情を浮かべている。
神造者として何があったのか、オレから聞き出したいのだろう。
その一方でサロールはあからさまに安堵したと言わんばかりだ。
恐れていた『嵐の亡霊』がいなくなったので、一気に元気になったらしいな。
意地を張る事はあるけど、何とも分かりやすい。
だがサロールはオレの前まで来ると、何かに気づいたかのような様子でいきなり複雑な表情を浮かべ、視線が脇に飛ぶ。
いったいどうかしたのだろうか?
「アル……お前は本当に凄いのだな……正直に言って驚いた」
サロールも自分が恐怖していた『嵐の亡霊』を追い払ったので、一応はオレの事を認めてくれたらしい。
もっともその表情からすると、やっぱりイル=フェロ神の教義と相容れない事を唱えるオレを素直に認めるわけにはいかないのだろう。
まあそこは仕方ない。
一歩、前進と考えるしかないな。
あとあとの事を考えるとサロールが恐れている亡霊について、死後の世界に導く事で彼らがこの世を騒がせないようにするように教えたいところだ。
だがここでテセルがいきなりオレの手を握って引っ張りつつ怒鳴る。
「おい! アルタシャ! 気をつけろよ!」
おや。テセルもオレの事を心配してくれていたのか。
当たり前の話だが、コイツにもまともな人間の意識があったのだな。
しかしその次に発した言葉は、オレの意表をつくものだった。
「なんだその格好は! 僕の婚約者でありながら、そんなあられもない姿を他の男の前でさらすんじゃない!」
そういってテセルは羽織っていた外套を外してオレにかけてくる。
「あ?!」
そうだ。オレの全身くまなく傷がつくほどの攻撃を受けていたせいで、これまで被っていたフードはボロボロになっていたんだ。
おかげで改めて見下ろすとかなりエロい姿になっていた。
え?! もしかして?
さっきからサロールがいろいろと複雑な表情とよそよそしい態度で視線をそらしているのは、オレの姿を見たからなのか。
そういえばサロールとは初対面からずっとフード被っていたからな。
サロールがオレの姿をもろに見るのはこれが初めてだったと言う事か。
改めて確認すると、サロールはチラチラと横目でオレの姿を見ている様子だ。
やっぱりコイツも『男』だったのか。
まあ『弱肉強食』を掲げているサロールにも人間らしい感情があるのは分かったから、安心すべき事かもしれない。
少なくとも乙女の柔肌など一切、意にも介さず熾烈な攻撃を加えてボロボロにしてくれたさっきの『嵐の亡霊』よりも遥かにまともだよ。
しかしそうするとイル=フェロ信徒は異性を巡って、決闘をするのだったな。
サロールがオレをモノにしたいなどと考えると、これまた面倒な事になるのは間違いない。
困った事にテセルの方もまたオレを婚約者だと言い張っているからな。
コイツらがオレの事など無視して、争いを始める事も当然考えられるのだ。
ただサロールはこれから命がけで試練を乗り越え、神の意思に触れてシャンサの事を確かめねばならないという状況で『堕落した存在』と見なしているよそ者に心を奪われるような事があってはならないと思っているらしく、それが今の複雑な表情の撃沈する事だろう。
「まあ何だ。お前も命がけで、僕のために働いたわけだからな……心配したのだぞ」
テセルは自分なりに優しく接しているつもりらしいが、その横柄な口調で全部台なしだぞ。
いや。ひょっとしたらこれも照れ隠しなのかもしれん。
ついさっきまで命の危険にさらされていたのをどうにか乗り切ったと思ったら、男共は二人ともオレの半裸に動揺しているのだ。
毎度の事ではあるが何とも面倒だ。
ここは当面の目的を果たす事を優先させよう。
「それでは先に進みましょう」
天候は一応、回復しているけど、この先にもあちこちから火山性のガスが吹き出しているところは変わらないし、他にもアンデッドだの何だのいるのは間違いない。
「ああそうだな……急ごう」
そう言ってサロールは必要以上に力強く地面を踏みしめて先を急ぐ。
命がけである事に変わりは無いが、相手が武器でどうにか出来るのならサロールは克服出来るつもりらしい。
あと何でもいいから行動していればオレの事で頭を悩ませないで済むとか、そういう意識もあるかもしれないな。
まあいいや。こうなったら色仕掛けでも何でもいいから、サロールをオレの考える方向に誘導出来ればいいさ。
我ながらいつも通り見切り発車が過ぎるけど、そんなのいちいち考えてはいられないのだ。
自分の身体を見下ろすと、いつの間にやら散弾銃でも打ち込まれたかのように、全身が傷だらけだ。
もちろん致命傷になるような負傷はないが、傍目にはさぞかし酷い有様だろう。
先ほどまでは傷の痛みなど意識している状態ではなかったが、緊張が途切れた事で痛みを実感するようになったんだ。
ひとまずサロールやテセルに対面する前に、オレは自分の傷を治しておく。
そんなわけでこちらも落ち着くと、近づいてきた二人の様子を確認する。
見たところテセルは興味深そうな好奇心あふれる表情を浮かべている。
神造者として何があったのか、オレから聞き出したいのだろう。
その一方でサロールはあからさまに安堵したと言わんばかりだ。
恐れていた『嵐の亡霊』がいなくなったので、一気に元気になったらしいな。
意地を張る事はあるけど、何とも分かりやすい。
だがサロールはオレの前まで来ると、何かに気づいたかのような様子でいきなり複雑な表情を浮かべ、視線が脇に飛ぶ。
いったいどうかしたのだろうか?
「アル……お前は本当に凄いのだな……正直に言って驚いた」
サロールも自分が恐怖していた『嵐の亡霊』を追い払ったので、一応はオレの事を認めてくれたらしい。
もっともその表情からすると、やっぱりイル=フェロ神の教義と相容れない事を唱えるオレを素直に認めるわけにはいかないのだろう。
まあそこは仕方ない。
一歩、前進と考えるしかないな。
あとあとの事を考えるとサロールが恐れている亡霊について、死後の世界に導く事で彼らがこの世を騒がせないようにするように教えたいところだ。
だがここでテセルがいきなりオレの手を握って引っ張りつつ怒鳴る。
「おい! アルタシャ! 気をつけろよ!」
おや。テセルもオレの事を心配してくれていたのか。
当たり前の話だが、コイツにもまともな人間の意識があったのだな。
しかしその次に発した言葉は、オレの意表をつくものだった。
「なんだその格好は! 僕の婚約者でありながら、そんなあられもない姿を他の男の前でさらすんじゃない!」
そういってテセルは羽織っていた外套を外してオレにかけてくる。
「あ?!」
そうだ。オレの全身くまなく傷がつくほどの攻撃を受けていたせいで、これまで被っていたフードはボロボロになっていたんだ。
おかげで改めて見下ろすとかなりエロい姿になっていた。
え?! もしかして?
さっきからサロールがいろいろと複雑な表情とよそよそしい態度で視線をそらしているのは、オレの姿を見たからなのか。
そういえばサロールとは初対面からずっとフード被っていたからな。
サロールがオレの姿をもろに見るのはこれが初めてだったと言う事か。
改めて確認すると、サロールはチラチラと横目でオレの姿を見ている様子だ。
やっぱりコイツも『男』だったのか。
まあ『弱肉強食』を掲げているサロールにも人間らしい感情があるのは分かったから、安心すべき事かもしれない。
少なくとも乙女の柔肌など一切、意にも介さず熾烈な攻撃を加えてボロボロにしてくれたさっきの『嵐の亡霊』よりも遥かにまともだよ。
しかしそうするとイル=フェロ信徒は異性を巡って、決闘をするのだったな。
サロールがオレをモノにしたいなどと考えると、これまた面倒な事になるのは間違いない。
困った事にテセルの方もまたオレを婚約者だと言い張っているからな。
コイツらがオレの事など無視して、争いを始める事も当然考えられるのだ。
ただサロールはこれから命がけで試練を乗り越え、神の意思に触れてシャンサの事を確かめねばならないという状況で『堕落した存在』と見なしているよそ者に心を奪われるような事があってはならないと思っているらしく、それが今の複雑な表情の撃沈する事だろう。
「まあ何だ。お前も命がけで、僕のために働いたわけだからな……心配したのだぞ」
テセルは自分なりに優しく接しているつもりらしいが、その横柄な口調で全部台なしだぞ。
いや。ひょっとしたらこれも照れ隠しなのかもしれん。
ついさっきまで命の危険にさらされていたのをどうにか乗り切ったと思ったら、男共は二人ともオレの半裸に動揺しているのだ。
毎度の事ではあるが何とも面倒だ。
ここは当面の目的を果たす事を優先させよう。
「それでは先に進みましょう」
天候は一応、回復しているけど、この先にもあちこちから火山性のガスが吹き出しているところは変わらないし、他にもアンデッドだの何だのいるのは間違いない。
「ああそうだな……急ごう」
そう言ってサロールは必要以上に力強く地面を踏みしめて先を急ぐ。
命がけである事に変わりは無いが、相手が武器でどうにか出来るのならサロールは克服出来るつもりらしい。
あと何でもいいから行動していればオレの事で頭を悩ませないで済むとか、そういう意識もあるかもしれないな。
まあいいや。こうなったら色仕掛けでも何でもいいから、サロールをオレの考える方向に誘導出来ればいいさ。
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