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第24章 全てはアルタシャのために?
第1119話 女装皇帝に合おうと思ったところ
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翌朝に目が覚めると、安眠と言うにはほど遠いが、それでも久しぶりにまともに眠れた気がする。
もちろん見た夢はいつも通り『男としとねを共にする』というロクでもないものだったけど、その正体が分かってみれば覚悟を固める事が出来たと言う事だな。
「アルタシャ様。ご機嫌はいかがですか?」
「僕が一緒にいるのだから、悪いはずがないだろう」
「お前には聞いていないぞ」
朝っぱらからテセルとミツリーンはさや当てをしているな。
たった一晩で仲良くなるとは思っていないので、そこはオレも気長に付き合うしかないな。
朝食を片付けると、改めてオレ達はイオの背に乗って飛ぶ。
例によってテセルとミツリーンは必死で張り付いている状態だ。
イオにはなるだけ急いで飛んで欲しいが、それでテセル達が振り落とされたらたまったものではないので、ここは安全最優先とならざるを得ない。
夢に悩まされる度合いも減ってきたので、少しばかり時間がかかってもいいと考えることにしよう。
今のところオレ達は大陸中央部にまで到達しているところだ。
ここで聖女教会に見つかった事でオレは女の身に変えられてしまって、今の『アルタシャ』となってしまったわけだ。
今では遥か昔の事に思えるけど、それからまだ一年余りしか経っていないのだな。
そんな事を考えていると、遠い先には大きな町が見えてきた。
あれは間違い無くマニリア帝国首都のノチェットだ。
以前にオレが後宮に入っていた場所だから見間違うわけがない。
少なくともオレが誰かの『妻』になった唯一の場所であり、ファーストキスを奪われたところでもある。
あの女装皇帝ウァリウスは今どうしているだろうか?
もしもオレの化身がいるならば、喜んで毎晩愛し合っているのかもしれない。
今さらそれをとがめる気は無いし、あえて止めようとも思っていなかったが、ノチェットが目に入ってしまった以上、気にならざるを得ない。
「イオ。すみませんがあの町から離れた、人目のつかないところに降りてくれますか?」
「分かった」
イオはひとまずノチェットと離れた山中に降りる。
「さっきの町に行って様子を見てきます」
かつては暮らしていた宮殿に忍び込むのは、簡単とは言わないがどうにかなるだろう。
ウァリウスがオレの化身と付き合っていたら――その時は化身を消すしかないな。
ただ悪い方に考えると、その場合ウァリウスがオレを拘束して無理矢理にでも妻にしようとする可能性も否定出来ない。
過去の経験からすればウァリウスがそこまで無茶をするとは思えないけど、一応は最悪の事態を想定しておくとしよう。
万が一、そんな事態となったら、聖女教会を通じてマニリア帝国を攻撃させるとハッタリをかますべきだろう――本当に戦争など引き起こすわけにはいかないのだけどな。
「それでは私も同行させて下さい」
ミツリーンはいつも通りの態度だが、テセルは不愉快そうに眉をひそめている。
「この国の皇帝は『僕のアルタシャ』を妻だと言い張っているのだよな。わざわざその皇帝に会いに行くと言う事は……」
「その心配だけは無用ですよ」
ここでオレはイオに頼む。
「すみませんがイオはしばらくここで待っていてくれますか?」
「ちょっと待ってよ。僕をここに置いて行くのかい?」
イオは文句を言いつつオレの前に立ちはだかる。
おいおい。それじゃあまるで『親に取り残されるのに文句を言う子供』だぞ。
いや。オレより遥かに大きくとも、中身は子供だからな。これが当たり前の反応なのか。
しかしドラゴンを連れて町に行けば、間違い無く大騒動だ。
向かう先は首都だから軍隊がやってきて流血の惨事となりかねない。
暴力的活動を抑止する『調和』も魔法をかけた時点でオレの視界内にいる相手にしか効果は無い。
後から来た相手が暴力的な行動に出たら、魔法が破れてしまうのでこういうところでは意味が無いのだ。
どう考えてもイオが同行するのは無謀だ。
それに今後の事もあるし、今は『我慢』を覚えてもらうしかないな。
「申し訳無いですけど、人間が大勢いるところにイオが姿を見せたら、それだけ大きな事件を引き起こしてみんなが迷惑するのですよ」
「アルタシャも困るというのかい?」
「もちろんですよ。わたしもすごく困ります」
「そうか……僕が一緒だとアルタシャに迷惑なのか……分かったよ。確かに言うとおりだ。ドラゴンが共にいたら困るのは当然だよね」
どうやらイオは納得してくれたらしい。思っていたよりも聞き分けがよくて少しはホッとしたところだ。
同じようにウァリウス皇帝もこちらの言う事を聞いてくれたらいいのだけどな。
「だけどそいつらは一緒でもいいのだよね?」
イオはテセルたちに目を向ける。
「ええ。二人は人間ですからね」
オレの言葉に対し、イオは思わぬ反応に出る。
「それなら僕も人間になればいいのだろう!」
「え? いまなんといいました?!」
不吉な予感を抱いた瞬間、眼前でイオの身体から魔力の波動がほとばしった。
もちろん見た夢はいつも通り『男としとねを共にする』というロクでもないものだったけど、その正体が分かってみれば覚悟を固める事が出来たと言う事だな。
「アルタシャ様。ご機嫌はいかがですか?」
「僕が一緒にいるのだから、悪いはずがないだろう」
「お前には聞いていないぞ」
朝っぱらからテセルとミツリーンはさや当てをしているな。
たった一晩で仲良くなるとは思っていないので、そこはオレも気長に付き合うしかないな。
朝食を片付けると、改めてオレ達はイオの背に乗って飛ぶ。
例によってテセルとミツリーンは必死で張り付いている状態だ。
イオにはなるだけ急いで飛んで欲しいが、それでテセル達が振り落とされたらたまったものではないので、ここは安全最優先とならざるを得ない。
夢に悩まされる度合いも減ってきたので、少しばかり時間がかかってもいいと考えることにしよう。
今のところオレ達は大陸中央部にまで到達しているところだ。
ここで聖女教会に見つかった事でオレは女の身に変えられてしまって、今の『アルタシャ』となってしまったわけだ。
今では遥か昔の事に思えるけど、それからまだ一年余りしか経っていないのだな。
そんな事を考えていると、遠い先には大きな町が見えてきた。
あれは間違い無くマニリア帝国首都のノチェットだ。
以前にオレが後宮に入っていた場所だから見間違うわけがない。
少なくともオレが誰かの『妻』になった唯一の場所であり、ファーストキスを奪われたところでもある。
あの女装皇帝ウァリウスは今どうしているだろうか?
もしもオレの化身がいるならば、喜んで毎晩愛し合っているのかもしれない。
今さらそれをとがめる気は無いし、あえて止めようとも思っていなかったが、ノチェットが目に入ってしまった以上、気にならざるを得ない。
「イオ。すみませんがあの町から離れた、人目のつかないところに降りてくれますか?」
「分かった」
イオはひとまずノチェットと離れた山中に降りる。
「さっきの町に行って様子を見てきます」
かつては暮らしていた宮殿に忍び込むのは、簡単とは言わないがどうにかなるだろう。
ウァリウスがオレの化身と付き合っていたら――その時は化身を消すしかないな。
ただ悪い方に考えると、その場合ウァリウスがオレを拘束して無理矢理にでも妻にしようとする可能性も否定出来ない。
過去の経験からすればウァリウスがそこまで無茶をするとは思えないけど、一応は最悪の事態を想定しておくとしよう。
万が一、そんな事態となったら、聖女教会を通じてマニリア帝国を攻撃させるとハッタリをかますべきだろう――本当に戦争など引き起こすわけにはいかないのだけどな。
「それでは私も同行させて下さい」
ミツリーンはいつも通りの態度だが、テセルは不愉快そうに眉をひそめている。
「この国の皇帝は『僕のアルタシャ』を妻だと言い張っているのだよな。わざわざその皇帝に会いに行くと言う事は……」
「その心配だけは無用ですよ」
ここでオレはイオに頼む。
「すみませんがイオはしばらくここで待っていてくれますか?」
「ちょっと待ってよ。僕をここに置いて行くのかい?」
イオは文句を言いつつオレの前に立ちはだかる。
おいおい。それじゃあまるで『親に取り残されるのに文句を言う子供』だぞ。
いや。オレより遥かに大きくとも、中身は子供だからな。これが当たり前の反応なのか。
しかしドラゴンを連れて町に行けば、間違い無く大騒動だ。
向かう先は首都だから軍隊がやってきて流血の惨事となりかねない。
暴力的活動を抑止する『調和』も魔法をかけた時点でオレの視界内にいる相手にしか効果は無い。
後から来た相手が暴力的な行動に出たら、魔法が破れてしまうのでこういうところでは意味が無いのだ。
どう考えてもイオが同行するのは無謀だ。
それに今後の事もあるし、今は『我慢』を覚えてもらうしかないな。
「申し訳無いですけど、人間が大勢いるところにイオが姿を見せたら、それだけ大きな事件を引き起こしてみんなが迷惑するのですよ」
「アルタシャも困るというのかい?」
「もちろんですよ。わたしもすごく困ります」
「そうか……僕が一緒だとアルタシャに迷惑なのか……分かったよ。確かに言うとおりだ。ドラゴンが共にいたら困るのは当然だよね」
どうやらイオは納得してくれたらしい。思っていたよりも聞き分けがよくて少しはホッとしたところだ。
同じようにウァリウス皇帝もこちらの言う事を聞いてくれたらいいのだけどな。
「だけどそいつらは一緒でもいいのだよね?」
イオはテセルたちに目を向ける。
「ええ。二人は人間ですからね」
オレの言葉に対し、イオは思わぬ反応に出る。
「それなら僕も人間になればいいのだろう!」
「え? いまなんといいました?!」
不吉な予感を抱いた瞬間、眼前でイオの身体から魔力の波動がほとばしった。
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