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第24章 全てはアルタシャのために?
第1121話 久しぶりの首都ノチェットにて
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とりあえずオレ達一行はマニリア帝国首都ノチェットの城門をくぐる。
周囲の様子を確認したところ、ひっきりなしに大勢の商人や旅人が出入りしており、かなり賑わっている様子だ。
一年あまり前にオレがここを訪れた時は、皇帝位を巡る内戦の直後であって治安はかなり乱れていたのだが、今はかなり落ち着いているように感じられる。
オレがこの国を離れてからウァリウス皇帝が国を立て直すのに成功しているのか。
それは『女神アルタシャ』を皇帝の権威付けに使い、貴族達を押さえ込んでウァリウスが自分の権力基盤を確立したからなのかもしれない。
傀儡どころか女装して後宮に隠れ、担ぎ出した大公を排除するためにいろいろと策略を弄していたウァリウスは政治家としては有能だったのか。
とにかく今はウァリウスがオレの化身と一緒に生活しているのかどうか、確認すべきだな。
オレのコピーは国を神造者の支配下に置こうとするかもしれないが、贅沢三昧したり、圧政を強いたりするわけでは無いらしいので、そこは僅かながら安堵出来る要素だな。
そのような事を考えていると、大通りの先に神造者の象徴である『八角形』が見えた。
思った通りここにも神造者が手を伸ばしていたか。
これだけでウァリウスが神造者に取り込まれているとは言い切れないが、可能性が高まったのは間違い無いな。
「テセルはあそこの神造者支部で状況を調べてきてもらえますか?」
「アルタシャは僕を神造者を調べるために都合良く利用しているのかい」
テセルはあからさまに不満げだな。
そこにはどうも先ほどからオレにくっついているイオの事があるようだ。
まさかこんな子供――というかドラゴン相手に嫉妬しているのか?
「アルタシャ様のお役に立てるなら、私は何でもさせていただきます」
そう言ってミツリーンはテセルを押しのけつつ、これ見よがしに身を乗り出してくる。
「何でも命じてください。すぐに実行いたします」
以前に来た時は内戦の煽りを受けてこのノチェットの聖女教会の支部は壊滅していたはずだが、この様子なら今では再建されているだろう。
「ミツリーンさん。ここの聖女教会がどうなっているのか調べてもらえますか?」
「かしこまりました」
うやうやしく頭を下げたミツリーンを見ながら、テセルは憮然としている。
「分かったよ。僕がここでの神造者の動向を調べてくればいいんだろ」
「二人ともありがとうございます」
なんだかんだ言いながらテセルとミツリーンが同行してくれているのは、オレにとってもかなりありがたい。
「取りあえずどこかに宿を取りましょう。別れても後はそこで合流すればいいですね」
そんな様子を見て、今度はイオもまた身を乗り出してくる。
「僕はどうすればいいの?」
「イオはわたしと一緒にいてくれたらいいですよ」
残念ながらイオを単独で行動させるのは危なすぎる。常に傍らに置いていなければオレの身が持たないよ。
「それならいいよ!」
うれしげにイオはオレの胸に飛び込んでくる。
はた目には『姉弟の抱擁』みたいなものだろうか。
ひとまずはどこかの宿をとって、そこでテセルとミツリーンが情報収集する間、隠れているべきだろう。
もちろんこの町には『女神アルタシャ』の寺院もあるわけだが、そこを訪れる気はない。
何しろ『皇帝の恋人』として崇拝されている上に、今では神造者たちがどのように取り入っているか分かったものではないからな。
下手をすれば『崇拝されている女神』でありながら身柄を拘束されてしまう可能性すらありうるのだ。
もちろん国を挙げて大歓迎してもらえる場合もありうるけど、英雄ともてはやされることには興味ないし、何より神造者との対立を煽るような真似もしたくない。
いかなる事情があろうとも、オレが原因で戦争が引き起こされるなど真っ平である。
常に可能な限り穏便な解決策を探るのがオレの方針なのだ――普段、上手くいっているかどうかは別として。
そんなわけでオレは適当な宿屋を探すことにしたが、道を行く人々がかなりこちらを注目しているらしい。
今のオレは髪の毛は黒く染め、顔もフードで隠しているので常人が一目で『アルタシャ』とは気づかないだろう。
しかしイオの容姿は『美少年』としてかなり目立っているようだ。
特に通りすがりで多くの女の子がイオを一目見て、あからさまに頬を染めている。
何というか歩くだけで『恋の病』をまき散らしているかのようだ。
ドラゴンが化身した人間体が美形なのは、元の世界におけるファンタジーの定番中の定番だったけど、先ほどからの怒涛の急展開でそこまで気が回っていなかった。
何よりイオに対して『お前の人間体は美形過ぎるので一緒に来るな』というわけにもいかないか。
オレ自身が注目されるのはしょっちゅうだし、だからこそ普段はなるだけ目立たないように振る舞う習慣がついていたが、イオの方はそんな事など丸っきり考えていない。
そもそも『アルタシャ以外の人間』など最初から眼中になく、人化したのもオレに同行するためなのだ。
もちろん自分が『美少年』として目立っている事すら、まるで意識していないからあまりにも堂々と行動しすぎだ。
これはいろいろと誤算だった。
周囲の様子を確認したところ、ひっきりなしに大勢の商人や旅人が出入りしており、かなり賑わっている様子だ。
一年あまり前にオレがここを訪れた時は、皇帝位を巡る内戦の直後であって治安はかなり乱れていたのだが、今はかなり落ち着いているように感じられる。
オレがこの国を離れてからウァリウス皇帝が国を立て直すのに成功しているのか。
それは『女神アルタシャ』を皇帝の権威付けに使い、貴族達を押さえ込んでウァリウスが自分の権力基盤を確立したからなのかもしれない。
傀儡どころか女装して後宮に隠れ、担ぎ出した大公を排除するためにいろいろと策略を弄していたウァリウスは政治家としては有能だったのか。
とにかく今はウァリウスがオレの化身と一緒に生活しているのかどうか、確認すべきだな。
オレのコピーは国を神造者の支配下に置こうとするかもしれないが、贅沢三昧したり、圧政を強いたりするわけでは無いらしいので、そこは僅かながら安堵出来る要素だな。
そのような事を考えていると、大通りの先に神造者の象徴である『八角形』が見えた。
思った通りここにも神造者が手を伸ばしていたか。
これだけでウァリウスが神造者に取り込まれているとは言い切れないが、可能性が高まったのは間違い無いな。
「テセルはあそこの神造者支部で状況を調べてきてもらえますか?」
「アルタシャは僕を神造者を調べるために都合良く利用しているのかい」
テセルはあからさまに不満げだな。
そこにはどうも先ほどからオレにくっついているイオの事があるようだ。
まさかこんな子供――というかドラゴン相手に嫉妬しているのか?
「アルタシャ様のお役に立てるなら、私は何でもさせていただきます」
そう言ってミツリーンはテセルを押しのけつつ、これ見よがしに身を乗り出してくる。
「何でも命じてください。すぐに実行いたします」
以前に来た時は内戦の煽りを受けてこのノチェットの聖女教会の支部は壊滅していたはずだが、この様子なら今では再建されているだろう。
「ミツリーンさん。ここの聖女教会がどうなっているのか調べてもらえますか?」
「かしこまりました」
うやうやしく頭を下げたミツリーンを見ながら、テセルは憮然としている。
「分かったよ。僕がここでの神造者の動向を調べてくればいいんだろ」
「二人ともありがとうございます」
なんだかんだ言いながらテセルとミツリーンが同行してくれているのは、オレにとってもかなりありがたい。
「取りあえずどこかに宿を取りましょう。別れても後はそこで合流すればいいですね」
そんな様子を見て、今度はイオもまた身を乗り出してくる。
「僕はどうすればいいの?」
「イオはわたしと一緒にいてくれたらいいですよ」
残念ながらイオを単独で行動させるのは危なすぎる。常に傍らに置いていなければオレの身が持たないよ。
「それならいいよ!」
うれしげにイオはオレの胸に飛び込んでくる。
はた目には『姉弟の抱擁』みたいなものだろうか。
ひとまずはどこかの宿をとって、そこでテセルとミツリーンが情報収集する間、隠れているべきだろう。
もちろんこの町には『女神アルタシャ』の寺院もあるわけだが、そこを訪れる気はない。
何しろ『皇帝の恋人』として崇拝されている上に、今では神造者たちがどのように取り入っているか分かったものではないからな。
下手をすれば『崇拝されている女神』でありながら身柄を拘束されてしまう可能性すらありうるのだ。
もちろん国を挙げて大歓迎してもらえる場合もありうるけど、英雄ともてはやされることには興味ないし、何より神造者との対立を煽るような真似もしたくない。
いかなる事情があろうとも、オレが原因で戦争が引き起こされるなど真っ平である。
常に可能な限り穏便な解決策を探るのがオレの方針なのだ――普段、上手くいっているかどうかは別として。
そんなわけでオレは適当な宿屋を探すことにしたが、道を行く人々がかなりこちらを注目しているらしい。
今のオレは髪の毛は黒く染め、顔もフードで隠しているので常人が一目で『アルタシャ』とは気づかないだろう。
しかしイオの容姿は『美少年』としてかなり目立っているようだ。
特に通りすがりで多くの女の子がイオを一目見て、あからさまに頬を染めている。
何というか歩くだけで『恋の病』をまき散らしているかのようだ。
ドラゴンが化身した人間体が美形なのは、元の世界におけるファンタジーの定番中の定番だったけど、先ほどからの怒涛の急展開でそこまで気が回っていなかった。
何よりイオに対して『お前の人間体は美形過ぎるので一緒に来るな』というわけにもいかないか。
オレ自身が注目されるのはしょっちゅうだし、だからこそ普段はなるだけ目立たないように振る舞う習慣がついていたが、イオの方はそんな事など丸っきり考えていない。
そもそも『アルタシャ以外の人間』など最初から眼中になく、人化したのもオレに同行するためなのだ。
もちろん自分が『美少年』として目立っている事すら、まるで意識していないからあまりにも堂々と行動しすぎだ。
これはいろいろと誤算だった。
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