異世界転移したら女神の化身にされてしまったので、世界を回って伝説を残します

高崎三吉

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第24章 全てはアルタシャのために?

第1219話 重大な盲点がありました

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 何だって? この世界において神々が信徒の呼びかけに応じないだと?

「それは街の神様から大神までですか?」
「もちろんだ。だから大陸中で混乱が起きているようだな。幸か不幸か。つい先ほどまで続いていた天変地異の後始末の方が優先になっているようだが、それでも動揺はさけられまい」
「そんな事になっているんですか……」

 オレの返答にテセルはクビをかしげる。

「うん? アルタシャは随分と落ち着いているな?」
「当たり前だ。アルタシャ様なら何でもお見通しに決まっている」

 ミツリーンは無駄に強く同意してくれているが、そりゃまあ元の世界では、それが当たり前だった。
だけどこっちに来てからは今まで日常的に神様に出会ってきて、しょっちゅう結婚まで求められてきたんだから、それが全部無くなったと言うのか?
 例えるなら「いきなりパソコンもスマホも全部動かなくなった」と言うレベルの事だろうか。「それならそれで神様無しで生きていけばいい」なんて言えるはずもない。
 だが幾ら何でもテセルの言葉だけでは、そんなとんでもない話を真に受けるわけにはいかないぞ。

「この近辺だけでなく、大陸中だという根拠があるのですか?」
「もちろんだとも。ここはエルウリン神の神殿だったからな。神造者たる僕はここの施設を利用して、いろいろな情報を得る事が出来るんだ」

 テセルの人格は信頼しがたいが、能力は評価しているし自分の仕事に関する部分で公然と嘘はつかないことも分かっている。
 そうすると本当にこの世界では信徒達が神様との繋がりを断ち切られてしまったというのか。

「一神教徒のところはどうですか?」

 そういえば一神教において崇拝されている「唯一なるもの」は元から信徒の呼びかけに応じない神様だったはずだ。
 それなら「神が応えない」のは当たり前だから影響もないはずだ。

「そこまでは神造者の影響も限定的だが、それでも混乱しているようだ」

 確かに一神教とは街の神などを「聖者」として崇拝していたから、やはり影響は避けられないのか。

「そもそもいったいなぜそんな事になったんです?」
「いくら僕でもいきなり答えは出せない。だが先ほどの天変地異に深い関わりがあるのは間違い無いだろう」
「そんな事でいいなら私だって分かるぞ。お前は相変わらず――」

 ミツリーンが口を挟んで来たので、オレは割って入る。

「そこまでにして下さい。もともと無理な頼みだったのです」
「別に『無理な頼み』じゃないた。ただ――」
「テセルも背伸びしなくていいですから」

 ううむ。もしかすると先ほどの災害で「神界」そのものが大ダメージを受けてしまったのだろうか。
 むしろ神造者が過去、何百年も神界を都合良く搾取し続け、最期の最期で神界が崩壊してしまったのかもしれない。
 だけどそれも引っかかる。
 漫画に出てくるような最終兵器で何もかも吹っ飛ばすような事ならともかく、あくまでも神造者のやらかしは「暴走」でしかない。
 神界を残らず全部滅ぼしてしまうなんてあり得るのだろうか?
 しかも本当にそれなら「信徒達に神の声が届かない」どころでは済まない気がする。
 イオ達まで影響が出ているのも不可解だ。

「それにしても不可解だな」
「テセルの落ち着きぶりがですか?」
「僕の場合は神造者としていかなるものも客観視すべきだと心得ているからな」

 これは間違い無く「神造者として都合のいい見方」という意味だけど、今は口論している場合では無い。

「そういう話じゃ無い。だが自分の眼前でこんな事が起きているとは、本当にこれはこの僕に将来、神造者の頂点に立てという天命に違いない」

 テセルはオレの方をジロジロ見てくる。相変わらずのセクハラ野郎だな。
 しかしいくらテセルでもこれは厚顔に過ぎるだろ。

「確かにこの大陸中でそんな事が起きているとして、それが自分への天命だと思う人は滅多にいないと思いますね」
「はあ? 相変わらずアルタシャの頭はカボチャとどちらが賢いのか、競えるほどの素晴らしい出来映えだな」
「テセルの舌は相変わらずいかなる危険も恐れない、鋭い舌鋒ですね。いっそ自分の心臓まで貫いたらどうですか?」

 オレは半ば殺意を込めて、テセルの首に手を伸ばす。
 こういうことも久しぶりな気がするな。

「そうじゃない! お前は本当に気付いていないのか?」
「だから一体、何にですか! もったいぶっていないでハッキリ言いなさい!」

 本当にコイツは何が言いたいんだ。
「あのな。この大陸中で神やその眷族との連絡が取れなくなっているのに、何でアルタシャだけは影響を受けずにいつものままなんだ?」
「ええ?!」

 そういえばオレは結構前から「女神」として崇拝されているんだった。
 あんまり自覚がないと言うか、他の神のように信徒の願いに応じたり、魔術を与えたりしているわけでもないので気にしていなかったが、言われてみればそうかもしれない。
 どうして大神ですらこの世界との繋がりが切れているのに、オレだけが影響を受けていないのだ?
 もしかしてそれが逆に何かの手がかりなのだろうか?
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