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『え~、現在救助活動を行っております・・・』
10分後、流石に異変を感じたのか、大会の運営側の救急隊が2人の救助に向かい出した。
「大丈夫か、これ」
「おいおい、流石に星乃家の兄妹揃って死亡はマズくないか?」
救助隊員がそんな会話をしつつ、環が作った穴を埋めている瓦礫を1つ1つ粉々にしてどんどん掘り進めていく。
「ん?」
「おい、誰かいるじゃないか!」
「ほんとだ!」
救急隊員の1が瓦礫の中に人の姿を発見し、その場にいる全員がそこに注目する。
「これは、星乃碧か・・・?」
それは、星乃碧の背中だった。
それも、どうやら"何か"を守るように覆いかぶさる体制で固まっている。
「・・・んな!?」
どうやら碧は意識を失っているようで、そんな碧を瓦礫の中から引き上げると、そこから出てきたのは・・・
「こいつ、妹を守ってたのか!?」
そこには、同じく意識を失っているらしい環が倒れていた。
『さて、星乃碧VS星乃環の兄妹対決は、まさかの引き分けだぁ!』
碧と環の両者が気を失っていたことから、この試合は引き分けとなった。
『そして、2区校と4区校の両チームに戦える者が居なくなりましたが・・・』
「おい・・・ちょっと待てよ・・・」
実況の人がそう言いかけたことで、そんな声が響き渡る。
「俺はまだやれるぞ・・・」
そこには松葉杖をついてステージに立つ京夜の姿があった。
『なんと!負傷して参加不能かと思われていた東近京夜選手がステージに立っている!』
そして、4区校にはもう戦える選手が残っていない。
つまり・・・
『今大会の優勝校は第2区能力者高校だぁぁぁぁ!』
なんとかして優勝した2区校だった。
それに会場は大きく沸き立ち、とんでもない大きさの歓声が響き渡る。
だが、それを喜べる余裕のある2区校の選手は誰1人としていなかった。
「いや~、色々とありましたけど、なんとか優勝することが出来ましたね!」
「・・・そだね」
その後、表彰や後片付けを終えて、事務所のメンバーは帰路に付いていた。
「あれ?零さんは?」
「知らん」
「・・・知らない」
松葉杖をついている京夜を支えていた瑠衣は、零が居ないことに気がついた様子で京夜と玲奈に尋ねるが、2人とも知らない様子でそう答える。
「あんな体で1人行動して大丈夫ですかね?」
瑠衣は零が最終的に車椅子状態だったことを思い出して、少しだけ心配になるのだった。
「・・・環」
「・・・なんじゃ?」
医務室の中、先程の戦いで負傷した環と碧は互いにベッドで仰向けになり、天井を見ていた。
「お前、なかなかやるな。かなり危なかったぞ」
「・・・・・」
隣のベッドから聞こえてくるそんな言葉に、環は混乱を起こす。
なんせ、ずっと目標にしてきた兄に命を救われたのに突然認められたのだ、頭が混乱するに決まっている。
「お前はもう、俺と同等に強いな・・・」
環はそんな言葉に嬉しさを感じる。
だが、今の自分が兄と同等の強さかと言われればそれは違う。
「・・・そんなことはない!私にはお兄様の様な身体能力や経験が無い!」
だからこそ環は兄のその言葉を否定する。
ずっと目標にしてきた兄だからこそ、自分なんかと同等で良いわけが無いのだ。
しかし碧はそんな妹の言葉に、目を閉じながらこう返す。
「あの時、お前が落ちたのは外部からの干渉があったせいだ。それが無かった場合、お前は圧倒的に有利だったし、後はどちらが先に能力が使えなくなるかだ。身体能力が関係ない状態に持ち込めたってことはお前の作戦通りだろう?」
碧は今度は目を開きながら環の方を向きながら続けて言う。
「お前にはお前の強さがある。俺はお前みたいに頭が良かったり、リーダーシップがあったりするわけじゃない。いいか?戦いは"いかに自分の得意を押し付けるか"だ、そしてお前にはそれが出来る力がある。そういう意味で俺とお前は同等なんだよ、なにも強さだけが全てじゃない。分かったか?」
「・・・分かりました」
「だからお前は俺に劣等感を感じる必要はないんだ。いいか?」
そんな兄の言葉に、環は救われたような気がした。
そしてそれは、これまでの人生で、兄に追いつくためだけに頑張って来た環にとってこれ以上ない喜びだった。
「あれ・・・?」
そこで環は、自分が涙を流していることに気がつく。
「嬉しい・・・」
環はそう呟きながら、その涙を袖で拭き取るのだった。
「あんたらだろ?環を撃ったの」
薄暗い部屋の中、僕は男の首にナイフを当てて、そう問いただす。
目の前では、この男の妻らしき女性が震えている。
どうやら恐怖のあまり声が出ないらしい。
「護衛はどうした!?10数名程有能な奴らがいただろ!?」
「うるさいな~、ぶっ殺すぞ?」
首にナイフを当てられてるにも関わらず騒ぎ出す男に対して、僕は適当な脅し言葉を言っておく。
護衛なんて、僕がここに来れてる時点で全滅してるなんてこと分かりきってるだろうに。
「目的はなんだ!?金か!?」
男は命乞いをするように、そう叫んでいる。流石緑間家と同格の"星野家の頭首"、優香さんとちがって品性はないが金はいくらでもあるらしい。
だが生憎、僕の目的は金なんかじゃない。
「僕がキレてるのはお前らが環を妨害したからだ。僕が求めてるのは"今後一切環の妨害をしない事と、"僕らに直接危害を加えない上、今日の僕らの行いを誰にもバレないようにする事"だ」
「・・・ああ、分かった!だから助けてくれ!」
男はすぐにそれに同意する。
「母親!・・・あんたもだ。いいか?」
「・・・はい」
男の妻は、僕の言葉に震えながらも絞り出した声でそう答える。
「最後に。お前ら、今更環も碧と同じ扱いをしろとは言わないが、少しぐらい関わってやってもいいんじゃないか?」
と、そんな言葉を言いながら僕は男の首からナイフを離し、車椅子を動かして部屋を出ていく。
「これで良かったか?」
「はい」
部屋を出た所にいた佐々木さんに、僕はそんなことを尋ねる。
「わざわざありがとうございます。危険な目に合わせてしまって」
「まあ大丈夫ですよ、僕にも思うところがありましたし」
数十分間前、環と碧の見舞いを終え、先にみんなと事務所に帰ろうとしていた僕は、佐々木さんにある頼み事をされた。
それは、環の親を脅すことだった。
なんでも2区対4区の最終試合、何故か環が突然穴に落ちて行ったのだが、それが星乃碧を勝たせたかった環の親の手によるものだということが分かったらしい。
その時、偶然近くに居合わせた僕に佐々木さんは「自分の作戦に協力してください」と頼んできた。
僕にも思うところはあったし、喜んで協力することにして、現在に至る訳だが。
「あの方々もさぞかし焦った事でしょうね、なんせ優勝チームのメンバーがナイフを持って脅してくるんですから」
「ハハッ!それもそうだな」
そこで僕は佐々木さんに視線を向けて1つ尋ね事をする。
「ところで、結局環は劣等感を振り払う事ができたんですかね?」
その質問に、佐々木は笑みを浮かべながらこう返す。
「はい・・・大丈夫です!」
10分後、流石に異変を感じたのか、大会の運営側の救急隊が2人の救助に向かい出した。
「大丈夫か、これ」
「おいおい、流石に星乃家の兄妹揃って死亡はマズくないか?」
救助隊員がそんな会話をしつつ、環が作った穴を埋めている瓦礫を1つ1つ粉々にしてどんどん掘り進めていく。
「ん?」
「おい、誰かいるじゃないか!」
「ほんとだ!」
救急隊員の1が瓦礫の中に人の姿を発見し、その場にいる全員がそこに注目する。
「これは、星乃碧か・・・?」
それは、星乃碧の背中だった。
それも、どうやら"何か"を守るように覆いかぶさる体制で固まっている。
「・・・んな!?」
どうやら碧は意識を失っているようで、そんな碧を瓦礫の中から引き上げると、そこから出てきたのは・・・
「こいつ、妹を守ってたのか!?」
そこには、同じく意識を失っているらしい環が倒れていた。
『さて、星乃碧VS星乃環の兄妹対決は、まさかの引き分けだぁ!』
碧と環の両者が気を失っていたことから、この試合は引き分けとなった。
『そして、2区校と4区校の両チームに戦える者が居なくなりましたが・・・』
「おい・・・ちょっと待てよ・・・」
実況の人がそう言いかけたことで、そんな声が響き渡る。
「俺はまだやれるぞ・・・」
そこには松葉杖をついてステージに立つ京夜の姿があった。
『なんと!負傷して参加不能かと思われていた東近京夜選手がステージに立っている!』
そして、4区校にはもう戦える選手が残っていない。
つまり・・・
『今大会の優勝校は第2区能力者高校だぁぁぁぁ!』
なんとかして優勝した2区校だった。
それに会場は大きく沸き立ち、とんでもない大きさの歓声が響き渡る。
だが、それを喜べる余裕のある2区校の選手は誰1人としていなかった。
「いや~、色々とありましたけど、なんとか優勝することが出来ましたね!」
「・・・そだね」
その後、表彰や後片付けを終えて、事務所のメンバーは帰路に付いていた。
「あれ?零さんは?」
「知らん」
「・・・知らない」
松葉杖をついている京夜を支えていた瑠衣は、零が居ないことに気がついた様子で京夜と玲奈に尋ねるが、2人とも知らない様子でそう答える。
「あんな体で1人行動して大丈夫ですかね?」
瑠衣は零が最終的に車椅子状態だったことを思い出して、少しだけ心配になるのだった。
「・・・環」
「・・・なんじゃ?」
医務室の中、先程の戦いで負傷した環と碧は互いにベッドで仰向けになり、天井を見ていた。
「お前、なかなかやるな。かなり危なかったぞ」
「・・・・・」
隣のベッドから聞こえてくるそんな言葉に、環は混乱を起こす。
なんせ、ずっと目標にしてきた兄に命を救われたのに突然認められたのだ、頭が混乱するに決まっている。
「お前はもう、俺と同等に強いな・・・」
環はそんな言葉に嬉しさを感じる。
だが、今の自分が兄と同等の強さかと言われればそれは違う。
「・・・そんなことはない!私にはお兄様の様な身体能力や経験が無い!」
だからこそ環は兄のその言葉を否定する。
ずっと目標にしてきた兄だからこそ、自分なんかと同等で良いわけが無いのだ。
しかし碧はそんな妹の言葉に、目を閉じながらこう返す。
「あの時、お前が落ちたのは外部からの干渉があったせいだ。それが無かった場合、お前は圧倒的に有利だったし、後はどちらが先に能力が使えなくなるかだ。身体能力が関係ない状態に持ち込めたってことはお前の作戦通りだろう?」
碧は今度は目を開きながら環の方を向きながら続けて言う。
「お前にはお前の強さがある。俺はお前みたいに頭が良かったり、リーダーシップがあったりするわけじゃない。いいか?戦いは"いかに自分の得意を押し付けるか"だ、そしてお前にはそれが出来る力がある。そういう意味で俺とお前は同等なんだよ、なにも強さだけが全てじゃない。分かったか?」
「・・・分かりました」
「だからお前は俺に劣等感を感じる必要はないんだ。いいか?」
そんな兄の言葉に、環は救われたような気がした。
そしてそれは、これまでの人生で、兄に追いつくためだけに頑張って来た環にとってこれ以上ない喜びだった。
「あれ・・・?」
そこで環は、自分が涙を流していることに気がつく。
「嬉しい・・・」
環はそう呟きながら、その涙を袖で拭き取るのだった。
「あんたらだろ?環を撃ったの」
薄暗い部屋の中、僕は男の首にナイフを当てて、そう問いただす。
目の前では、この男の妻らしき女性が震えている。
どうやら恐怖のあまり声が出ないらしい。
「護衛はどうした!?10数名程有能な奴らがいただろ!?」
「うるさいな~、ぶっ殺すぞ?」
首にナイフを当てられてるにも関わらず騒ぎ出す男に対して、僕は適当な脅し言葉を言っておく。
護衛なんて、僕がここに来れてる時点で全滅してるなんてこと分かりきってるだろうに。
「目的はなんだ!?金か!?」
男は命乞いをするように、そう叫んでいる。流石緑間家と同格の"星野家の頭首"、優香さんとちがって品性はないが金はいくらでもあるらしい。
だが生憎、僕の目的は金なんかじゃない。
「僕がキレてるのはお前らが環を妨害したからだ。僕が求めてるのは"今後一切環の妨害をしない事と、"僕らに直接危害を加えない上、今日の僕らの行いを誰にもバレないようにする事"だ」
「・・・ああ、分かった!だから助けてくれ!」
男はすぐにそれに同意する。
「母親!・・・あんたもだ。いいか?」
「・・・はい」
男の妻は、僕の言葉に震えながらも絞り出した声でそう答える。
「最後に。お前ら、今更環も碧と同じ扱いをしろとは言わないが、少しぐらい関わってやってもいいんじゃないか?」
と、そんな言葉を言いながら僕は男の首からナイフを離し、車椅子を動かして部屋を出ていく。
「これで良かったか?」
「はい」
部屋を出た所にいた佐々木さんに、僕はそんなことを尋ねる。
「わざわざありがとうございます。危険な目に合わせてしまって」
「まあ大丈夫ですよ、僕にも思うところがありましたし」
数十分間前、環と碧の見舞いを終え、先にみんなと事務所に帰ろうとしていた僕は、佐々木さんにある頼み事をされた。
それは、環の親を脅すことだった。
なんでも2区対4区の最終試合、何故か環が突然穴に落ちて行ったのだが、それが星乃碧を勝たせたかった環の親の手によるものだということが分かったらしい。
その時、偶然近くに居合わせた僕に佐々木さんは「自分の作戦に協力してください」と頼んできた。
僕にも思うところはあったし、喜んで協力することにして、現在に至る訳だが。
「あの方々もさぞかし焦った事でしょうね、なんせ優勝チームのメンバーがナイフを持って脅してくるんですから」
「ハハッ!それもそうだな」
そこで僕は佐々木さんに視線を向けて1つ尋ね事をする。
「ところで、結局環は劣等感を振り払う事ができたんですかね?」
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